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エピソード6 『ハルトの初恋』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年4月3日
  • 読了時間: 2分

エピソード6

さっきも少し話したけど、

オレっちの爺ちゃんは、裏山に土地を持ってる。

かなり広い土地が私有地になってて、

夏とか時々、親族の誰かがキャンプとかしに来る。


爺ちゃんは、

そういう来客者のために、

林を切り開いて、川辺まで道を作った。

チェーンソーで木を切り倒して、4年も掛けてやったらしい。

そんで川辺にも、簡易トイレと簡易更衣室みたいのを造った。


一応、林道の入り口には、「私有地です」という看板を立ててるけど、

「私有地だから、勝手に入るな」とは、書いていない。

爺ちゃんは、別に、見知らぬヒトが遊んでも良いと思っている。


爺ちゃんは、バカなんだか利口なんだか解らない。バカっぽく見える。

でも、婆ちゃんは、「爺ちゃんを尊敬している」と言っている。

婆ちゃんは、バカな大人になりたかったんだろうか?

それなら、島田紳助にプロデュースしてもらえば良いんだ。



オレっちは、

幼稚園の頃は、しょっちゅう裏山に遊びに行った。

秘密基地とか、いっぱい作った。

でも、小学校に上がり始めると、だんだん足が遠のいてきた。

裏山よりも、DSのほうが楽しくなっちゃったから。

でも、DSで「どうぶつの森」をやっていると、

「あんた、実物の森で遊んできなさいよ!」

って、親に小言を言われる。もっともだと思う。


でも、オレっちにそんな説教をする親は、

パソコンのアメーバというサイトで、森に木を切りに行っている。世も末だ。


『ハルトの初恋』

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