エピソード6 『ヒミツの図書館お姉さん♪』
- ・
- 2023年3月6日
- 読了時間: 2分
エピソード6
私は、メゲずに、
他のスタッフにも、自分の夢を話してみた。
70近い、丸メガネのおじいちゃんが、
私の夢や考え方を、とても喜んでくれた!
ホラ、
探せば味方は現れるモンよ♪
おじいちゃんの丸メガネは(メガネだけは 笑)、
ジョン・レノンにそっくりだったから、
彼はみんなから、「レノンさん」と呼ばれていた。
レノンさんは、話してくれた。
「ワシ、定年をとうに過ぎてるのに、
公立の図書館で働いてるじゃろ?
なんで、そんなことが出来ると思う?」
レノンさんは、ニヤニヤと、イタズラっぽく笑っている。
「うーん?
ぜんぜんわかんなーい。
定年後って、普通、働くことも出来ないの?
そういうトコロから、私、ワカンナイ…(汗)」
「ほっほっほ!
そうじゃな。古藤さんは、高校生じゃったかぁ。
ワシ、今ここで、
『司書の仕事をこなしている』んじゃが、
なんと!
契約上の肩書きは、『清掃スタッフ』なんじゃよ(笑)」
「えー!?
どういうことー??」
「ほっほっほ!
みんなにはナイショじゃからなぁ?
定年を迎えてしまうと、
サスガに、公務員の肩書きで勤務し続けるには、ムリがある。
けどもな?
世の中には、
定年後の半死人たちを好んで雇いたがる業種も、ある。
それが、清掃スタッフとか、自転車整理とか、そういうヤツじゃ。
…あんまり、
社会的な立場は高くないし、給料も芳しくないんじゃが、
ワシは、そんなの気にならん♪
たとえ無給でも、本に囲まれとったら幸せじゃし、
『江戸時代の下総の地図はありますか』なんてことを利用者から尋ねられて、
ものの1分で差し出すようなことが、楽しくてたまらん♪」
…本当に、楽しくてたまらない人の、目の輝きをしていた…
「つまりじゃな?
報酬や肩書きにこだわらんのであれば、
『抜け道』は、いくらでも、あるんじゃよ♪」
『ヒミツの図書館お姉さん♪』