エピソード6 『無人のお祭り』
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- 2023年4月11日
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エピソード6
前置きがずいぶん長くなったんだけど、
僕はあの日、与那国空港に降り立ったんだ。
宿の予約なんて、さっぱり行ってなかったんだけど、
情報は1つ、持ってた。
黒島の船着場かどっかに貼ってあった、一枚の手作りチラシでさ?
「宿の建物まで主人が手作りしちゃった、ノンビリした宿ですよ」
っていうのさ♪
コリャ僕の感性に合いそうだなぁと思って、
そこにお世話になろうと決めてたんだ。
空港から集落に出ようと思ったら、
バスとかなんとか、そういうのがナイって言うんだよ!
空港の、ノンキそうなインフォメーション・カウンターに相談したら、
「その宿に電話して、迎えに来てもらうのが良い」
と言って、電話も貸してくれたよ♪
その時、僕、ケータイ持ってなかったから、助かったなぁ。
都会の公共施設より、田舎の公共施設のほうが、
ずーーーーーっと親切だし、臨機応変だよね♪
宿に電話してみると、
標準語をしゃべる、40手前くらいと思われる男性が、出た。
「急な宿泊なんですけど、イイですか?」
って尋ねたら、快く承諾してくれたよ♪
で、たった一人の客人のために、
車で片道20分の道のりを、送迎してくれたんだ♪
ゲストハウスのスタッフは、どこも基本的に優しいし、
船着場や空港まで、送迎を行っているトコも多いけれど、
客がたった一人だったら、「タクシーで来てください」
って突っぱねるトコが、多いよなぁ。
与那国という島がノンビリしてて、
さらに、この宿の主人がノンビリしてるから、
こんなメンドクサイ要望に、応じてくれるんだね♪
『無人のお祭り』