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エピソード7 『おばあちゃん子の輪廻』

エピソード7

おばあちゃんに育てられたことの弊害というか、デメリットといえば、

やはり、周りの子たちと話が合わないことだろう。

テレビの話題はわからないし、おやつはダサいし、考え方がずいぶん違う。

そのため私は、あまり友人には恵まれなかった。


一人で過ごす時間が増えると、私は絵画に没頭しはじめた。

散歩、学校、絵画、水戸黄門、絵画、絵画…

およそ、そのような生活になった。


絵画は、あまりお金になるスキルではない。それはわかっていた。

だから、「芸大に行きたい」と切り出すのは、とても勇気がいた。

しかし、おばあちゃんはいともあっさりと、芸大行きにOKを出してくれた。

「バレリーナの子なのだから、OLになるはずがない」

おばあちゃんはニカニカ笑う。18年前から、解っていたのだろう。


そうなのだ。

結局私は、母の子であるらしかった。カエルの子はカエルであるらしかった。

マイペースな芸術家なのだ。

アルバイトをしながら絵を描き続けた私は、母の気持ちがよくわかった。

賃金労働に日6時間吸い取られるだけでも、私には苦痛だった。もっと絵を描きたい。

すると、子供を産み朝から晩まで養育するなんていうのは、私には出来そうもない。

子供は嫌いではない。人助けも嫌いではない。

しかし、感受性豊かなこの二十代・三十代の青春期に、

私はどうにも、キャンパスの上からはみ出すわけにはいかなかった。

まだまだ学びたいことはたくさんあり、描きたいものはたくさんあり、

今しか表現できないパッションが、絶対にあるはずだった。

私は、

母が娘を置き去りにしてまでフランスに飛んだその心情を、誰よりも理解できた。

恨みなど微塵も感じない。共感しか無い。



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