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エピソード7 『ゆずと林檎』

エピソード7

オレは、たいてい何でも相方に話せるし、

相談もしてきている。

けど、

1つだけ、どうしても聞けないままのことがある。

それが、ルックスの件なのである。

「なぁ、オマエ、ひょっとして、

 オレのことを、『客寄せのルックス担当人員』

 として扱ってる?」

この一言が、どうしても聞けない。

チンコのサイズは聞けても、この一言は聞けない。

怖くて、聞けないんだ。

オレ、やっぱり、けっこうビビりだ。



でも、オレが思うに、

アイツは、オレのルックスなんか無しで、ソロ活動をしても、

一定の売り上げを保って、この業界に残れると思う。

女性ファンは減るかもしれないけど、

アイツの曲が毎回シングルのA面を飾るなら、

また別のファン層が、獲得出来ると思う。

アイツの曲には、普遍的な良さがあるから。

ヘンな話題づくりとかしなくても、評価され続けると思う。

村上春樹の小説みたいな。



つまり、アイツは、

いつ解散しても平気だし、ソロ・プロジェクトも出来るけど、

ビビりなオレのために、ユニットをキープし続けてくれてる気がする。



…このまま、

甘え続けていて、良いのか?

なぁオレよ、どう思う?



心の中のオレは、答えるだろう。

「アイツがそばに居てくれてるうちに、

 独り立ちの準備・スキル・自信を培って、

 自分のほうから、自立を告げるべきなんじゃね?」

ってさ。


『ゆずと林檎』

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