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エピソード7 『ハルトの初恋』

エピソード7

オレっちは、

オナニーを覚えはじめてからは、裏山に行く回数が、また増えた。

裏山ならいくらドピュっ!てしても汚れないし、エロ本が隠してあるからだ。


あるとき、

裏山に顔を出すと、

川辺で、一人の女子が体育座りしてた。川を眺めてた。

誰かと思って近づいたら、同じ学校の女子だった。

レクリエーションクラブの子だから、1つ下だけど、知っている。

名前は、覚えていなかったけど。



オレっちは、

話し掛けるほど積極的ではないから、黙って通り過ぎようとした。

でも、草を蹴散らす音で、気配を悟られてしまった。

「誰!?」

「誰って…。この裏山、オレっちの爺ちゃんのだけど。」

「あ、ごめんなさい。ナナミ、謝る側のほう?」

「いや、別に、イイと思うよ。

 爺ちゃん、他のヒトが入っても怒んねぇし。」

そうだ。ナナミだ。思い出した。

夏川七海だ。やけにサザンオールスターズみたいな名前だから、印象にあった。

「じゃ、オレ、行くから。」


「ちょっと待ってよ!

 ねぇ、ここ、おトイレないの?」

「あるよ。来るとき気付かなかったのかよ?」

「わかんない。ボーっとしてたから。」

「じゃぁ、案内してやるよ。」


オレっちは、ナナミを簡易トイレまで案内してやった。すぐそこだ。

簡易トイレは、本当に簡易なトイレだった。

丸太を幾つか並べて壁を作って、床に深い穴を掘ってる。

ぼっとん便所だよ。ぼっとん便所なんて、昭和だよ。

臭いが出ないように、ハーブとか使って工夫してるらしいけど、

それにしたって、臭い。

普通、女子は、ここで用を足すのを嫌がる。

初めて見るときは、ワンワン喚く。

でも、フシギなことに、ナナミは、

何のためらいもなく、このトイレに入っていった。

用を足して、すぐに出てきた。鼻歌なんか唄ってる。

「夏川さん、ぼっとん便所、イヤじゃナイの?」

「え?ナナミ、こういうの馴れてるよ。」

「なんで!?家がぼっとんなの?」

「きゃはは!ちがうよー。

 5年くらい前までは、ぼっとんのお祖母ちゃん家で暮らしてたけど。

 今は違うよー。

 ナナミの家、よくキャンプに行くんだよ。こういう川、よく見るよ。」

オレたちは、川辺に向かって歩きながら、話を続けた。

「へー、馴れてんのか。」

「最初はイヤだったよー!怖かったよー!

 お祖母ちゃん家のお便所、怖かったー!」


そうだよ。馴れるんだよ。

「ゆとり教育」のお役人たちは、「馴れ」っていうのを知らないんだ。

そんで、

誰かが、「あの遊具は危ないです!」って泣き喚くと、すぐ廃止にしちゃう。

馴れるまで頑張ったら、楽しいし健康にも良いのに、

誰かが「危ない」って言ったら、すぐフタしちゃう。

そうじゃないと、選挙に当選出来ないから。


『ハルトの初恋』

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