エピソード7 『ヒミツの図書館お姉さん♪』
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- 2023年3月6日
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「抜け道」なんていう言葉は、
それまでの私の脳内辞典には、ほとんど存在していなかった。
「抜け道」というと、
税理士と悪だくみして脱税をしてしまうような、
そういう、卑しいイメージがあったからだ。
私の表情が曇ったのを察知して、
レノンさんは、あわてて訂正をした。
「ほっほっほ!
『抜け道』という表現が、刺激的過ぎたかな?
なぁに、
身分証の改ざんやら、法に触れることは、行わんよ(笑)
ワシは、
60の時に一旦、司書職員を退職した。
公務員資格も、満了した。
しかしな?
ワシはもう少し、本や利用者たちと戯れておりたかったし、
この図書館も、ワシのスキルを失いたくはなかった。
そこで考えたのが、
シルバーセンターのほうに掛け合って、
『図書館の清掃員』として、契約する案じゃった!
そのアイデアを、誰が言い出したかは覚えとらんが、
そのような児童文学が、あった気がする。思い出せんが…。」
「そんなことが、できちゃうんですかー!?」
私のイメージしていた「抜け道」ほどブラックじゃなかったから、
私は一安心した。
そして、心に大きな希望の光が灯ったのを、感じた…!
『ヒミツの図書館お姉さん♪』