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エピソード7 ヒミツの小屋のこと

エピソード7 ヒミツの小屋のこと


「まぁ、小さな女の子!

 ホっとしたわ、オオカミさんじゃなくて。」

小屋から現れたのは、

とても髪の長い、ロイスくらいの年の女性であった。

ホっとしたのはミシェルのほうだ。

「ごめんなさいおどろかせちゃって。

 私もおどろいたから、あおいこってことにしてください。

 あなたが、ヘンゼルの正体?」

「ヘンゼル?どういうこと?」

「ベリーを落として道しるべしたのは、あなたではないの?」

ミシェルはベリーを1つ拾って、その女性に見せた。

「あははは。たしかにそれ、私ね。

 でも私はヘンゼルじゃなくて、アンジェリカ。

 ちょうど昨日、ベリーを大量に拾いにいったところだったの。

 エプロンに穴が開いてたのかしら?わざと落としたわけではなかったんだけど…」

「おかげで道案内してもらえたわ♪」

「まぁ。遠路はるばる、ようこそおじょうさん。

 お茶でも飲んでいったら?」


ミシェルは、小屋の中に通してもらった。

LDKだけのこじんまりとした小屋であった。

古ぼけた外観からは意外なほど、中はきれいに整とんされていた。

物もたくさんある。よくわからない草がたくさんぶら下げてある。

テーブルで待つミシェルのもとに、アンジェリカはお茶を運んできた。

「えっと、ミシェルちゃんっていうのね?」

「え!?私まだ名乗ってないのに!?」

「うふふふ。またまたおどろかせてごめんなさいね。

 私、魔女だから。知らないはずのこと、わかっちゃったりするの。」

「魔女!?やっぱりあなた、魔女なの!?

 子供を食べるのよね!?」

「あはははは!あなた絵本の読みすぎよ。

 たしかに魔女は、意地悪だったりヘンクツだったりに描かれることが多いけれどね。

 私は子供を食べたりしないし、悪さをしたりもしないわ。

 むしろ、悪いことしたくないから森に引っ込んだんだもの。」

「そうなの!?」

「そうよ。おとぎ話に書いてあることは、たいていデタラメ。

 森に住む魔女に、意地悪な人は少ないわ。

 悪さをしたいなら、都会に行ったほうが良いわよ。」

「たしかに…」

「魔女は魔法をあやつるからね。

 王様も政治家も、魔女を恐れたのよ。

 それで、魔女がきらわれるようなおとぎ話をたくさん作ったのね。」

「っていうか、

 魔女って本当にいるの?魔法なんてファンタジーでしょ?」

「あら?あなた、魔女のこと知らないの?

 おかしいなぁ。あなた、すぐ身近に魔女がいるようだけど…」

「えー?

 そういえば、ウィリアムスさんのお母さんだかお祖母(ばあ)ちゃんだかは、

 魔女だって言ってたわ。」

「ウィリアムスさん?その人は知らないわ。

 もっと、もっとあなたに身近な人のはずよ。お母さんとかお祖母ちゃんとか。」

「うちの?お母さんかお祖母ちゃん??

 ないない!それは無いわ!

 うちのお母さん、魔法とかぜんぜん興味ないし、

 お祖母ちゃんは変人だけど、しいて魔女っぽいところ挙げるなら、

 カモミールティー飲んだらすぐ寝ちゃうことくらいよ。」

「うふふ。あなたのお祖母ちゃん、魔女よ。

 私のような浮世ばなれな生き方はしなかったんでしょうけど、魔女の血は濃いわね。」



『ミシェル』

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