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エピソード8 『「おとぎの国」の歩き方』

車掌の巡回が終われば、あとはもう静かなモンだった。

普通は、向かいの席の乗客と世間話に花が咲いたりするモンだけど、

そういうのもぜんぜんナイ。

英語の話せる人が居ないし、社交的な人も居ないんだろう。

ホントに三途の川に行くのかなって、思っちゃうよ。


真夜中。

僕は、寒さから尿意をもよおした。

バックパックが座席の下にしっかり納まっているのを確認して、

すばやくトイレへと向かった。

トイレも絶好調に汚く貧しくすきま風吹きまくりだけど、

今はトイレの話なんかしてる場合じゃないんだな。

僕は、盗難を警戒して、そそくさとシートに戻った。

再びバックパックを眺めてみるけど、特に荒らされた形跡もなかったから、

安心して、再び眠った。


朝起きて、ビハーリーの駅について、

バックパックを持って、ビックリさ!

なんか、軽くない!?

とりあえずホームに出て、人波がしずまるのを待って、

バックパックを開けてみる。

ガーン!!

ノートパソコン、盗まれてる…!!


いちおう警察には行ったけど、

盗まれた物が返ってくる可能性は、タイムマシンが発明されるより低いし、

出てくるまでこの町で待ってるわけにもいかないからね。泣き寝入りすることにしたよ。

パソコン自体も惜しいけど、

パソコンに保存してた旅写真のデータが、それ以上に惜しかったさ。

プライスレスだからね。同じ写真なんて、二度と撮れやしないし。


普通、バックパッカーたちは、

荷物にせよデータにせよ、盗難対策をもっとシッカリやってるよ。

僕はこれまでの放浪で、あんまり盗難の危険性ってのを感じたことがなかったから、

あんまり厳重にはしてなかったんだ。

キミがインドに行くなら、もっとみっちり対策しといたほうがイイよ。

トイレ行くときは貴重品を抱えて持っていったほうがイイし、

南京錠とかでバックパックを施錠しといたほうがイイし、

3等車には、乗らないほうがイイかもしんないな。



『「おとぎの国」の歩き方』

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