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エピソード8 『クラシックの革命児』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年4月10日
  • 読了時間: 2分

エピソード8

ボクたちは、開演までのヒマ潰しに、

ロビーで手渡されたプログラムの類を、眺め始めた。


これもまた、普通のコンサート会場のとは違った!

普通、「プログラムをどうぞ」と言って渡される、その紙の束には、

当日の演目とは無関係なビラが、何枚も何十枚も挟まれている(笑)

たいてい、一通り目を通してはみるけれど、

ありがたいと感じるビラは、一枚もナイ(笑)

けれども企画者たちは、毎回せっせと宣伝チラシを配り続けている…

3時間後には捨てられるだけなのに…


こういうのは、

自分が客の立場になったときに、

有意義かどうか、お客思いかどうか、解るんじゃないかと思うんだけど…

物事を企画するような人たちは、共感能力というものがナイんだろうか?

明らかに、「お客さん目線」ではなく「商業者目線」で、

物事が決定されていると感じる。

無料だろうが有料だろうが、その傾向は変わらない…



プログラムを開いてみた。

モノクロ16ページほどの簡素なものだったけれど、面白かった!


特筆したいのは、

「連載企画」であるらしい、パート紹介のコラムだ!

今回は、ヴィオラ・パートの紹介だったのだけど、

「マニアックだと言われてばかりだ」とか、

自分たちを自虐的に笑い飛ばしていたり、

「Aくんは、常にワイン・オープナーを携帯している」とか、

シュールなジョークを織り交ぜたりしていて、

およそクラシック奏者のイメージとは掛け離れた、気さくなものなのだ!


コレは、暇つぶしの読み物としてとても有効だし、

「オーケストをやってみよう!」「ヴィオラをやってみたい!」

と思わせるだけの威力が、充分にあった!



他にも、

「演目紹介」が秀逸だった。

これは、クラシックの専門家たちにしかわからない言葉が並んでいたけれど、

曲の特徴を上手く捉えていて、論理的にも詩的にも、表現されていた。

文章の専門家に委託したわけではなく、団員の誰かが書いているようだけど、

ものすごいセンスだと思った!

しかも、4つある演目紹介が、

全て別の筆者によって、書かれているのだ!


プロ並の実力を持った人たちが、お金を取らずに、仕事しているのだ!


『クラシックの革命児』

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