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エピソード8 『守護天使 -愛と奉仕の物語-』

エピソード8

そうして右往左往していると、

ときどき、ふとお呼びが掛かります。

肉体転生の指示が出るのです。

(地球への)肉体転生というのは、辛いことが多く、あまり幸福とは言えません。

自己啓発本や詩集などでは、生れ落ちることをとても美談に騙りますが、

実際のところ、決してそんなことはないのです。

しかし、

人間という生を経験したことのない天使たちにとっては、そうでもないのです。

ポニョが、パパに制止されてもそれでも人間として生きたがったように、

天使たちもまた、手に憧れ、足に憧れ、抱擁に憧れるのです。

痛みやリスクなど気にも留めずに、

喜び勇んで、体に入っていくのです。



私の、人間としての初めての生は、

中世のヨーロッパでした。

あの時代、ヨーロッパには、数多くの新米天使が転生を行っています。

そう。今の日本と同じように。


私が生まれたのは、シエーナ城壁街の、金持ち貴族の家庭でした。

父も母も強欲で、貪欲で、

ぜいたくに興じることにしか、喜びを感じていないようでした。

そう。今の日本の、典型的な夫婦と同じです。

今の日本の庶民は、中世ヨーロッパの貴族と、ほとんど同じような生活です。

日本の庶民は、ルネサンスの貴族と同等なのです。

(日本人は、ヨーロッパを美化し過ぎています。

 現代日本もじゅうぶん、煌びやかな文明なのですよ。)


母のわがままな振る舞いを見て、私も自然と、それを真似ました。

「すりこみ」という言葉、ご存知ですよね?

身近な大人の振る舞いを、常識と思い込んで真似るのです。

そのため、人というのは、

自分の生きたい人格と同じような親を選んで、生まれ落ちるのです。


すると、私のワガママな振る舞いは、

決して、失敗ではないのです。

天使たちはたいてい、まずは金持ちの家庭を選んで、

ワガママ放題の人生を送ります。

大局的な視点から見れば、

ワガママ過多で他者を傷つけることにも、それなりの貢献意義があり、

また、自分自身にとって、様々な学びがあります。



可愛らしい顔に生まれた私は、

その美貌を鼻にかけ、たくさんの男性を弄びました。

たくさんのドレスを貢いでもらい、それを着て、他のダンスパーティに繰り出しました。

そうして、また新しい男性をダンスに誘い、一夜を共にするのです。

しかし、

ぜいたくをすればするほど、体はどんどん蝕まれ、

そして病気になり、若年にして命を失うのです。

エリザベスだった私は、弱冠33歳で、その生涯を終えました。

私は快楽に中毒しすぎていましたし、

男性選びが下手だったようです。


『守護天使 -愛と奉仕の物語-』

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