僕はその後も、
屋台のパニーニみたいのをほおばったり、
少年たちに拉致されて、ビリヤード対決でボロ負けしたりして、
旧市街の風情を、ふんだんに楽しんだ。
旧市街みたいなトコに来るときは、
なるべく、時間をたっぷり取っておいたほうがイイよ♪
たとえ、
ガイドブックに、「1時間もあれば、充分に周れる」とか書いてあっても、
それは、
爺さんにお茶に誘われたり、少年たちにビリヤードでボロ負けする時間は、
含まれていないからさ?
キミが、
好奇心たっぷりに、ニヤニヤ笑顔で旧市街を歩くなら、
予想外の出来事は、ぜーーーったいに起きちゃうよ♪
ビリヤードにボロ負けしたなんてエピソードはこのときの実際のことで、
でも、あんまり長々と書いたりするつもりはないよ。
なんていうか、たぶん、書いたってそんなに伝わらないんだよ。
でも実際には、すごく楽しい出来事なんだ。
ガイドブックに載ってるカルナック神殿を観光したことよりも、
こっちの出来事のほうがよく思い出すってくらいさ。
旅の魅力ってそういうモンなんだよ。
肝心なモノほど、人に伝えるのは難しいのさ。
だから、「ぶらり旅」の番組とか見て旅行した気になったって、
そんなのはテレビ画面のアイドルにチューするようなモンさ。
実際にやったほうが何倍も楽しいし、
実際にやってみないと、その真髄には気づけないさ。
そうして僕は、
15時頃には、宿に戻ってきた。
僕の泊まった宿は、屋上を上手く活用していて、
屋上に、部屋もあればラウンジもあった。
ラウンジには、
精悍な顔立ちをした二十歳過ぎの男の子と、
世界一周の途中だという、2人の女の子がいた。
…どちらも、日本人だよ?
彼らは、なかなか優秀な旅人だった♪
酒や恋愛に溺れたり、期待したりするタイプではなく、
純粋に、旅への好奇心から、旅をしていた。
そういう人たちは、
その知的好奇心が、他の分野にも向けられるから、
何かしら、一過言持っているよ。
そういう彼らと語り合うのは、ものすごく、面白い♪
男の子のほうとは、この日の夕飯も共にした。
なんか、ぜんざいみたいなエジプト料理を、
一緒に笑いながら食べた記憶があるなぁ。
彼とは、帰国後も、ミクシィで長いこと、繋がっていた。
女の子たちとの縁は、もっと深かった!
次の目的地が、同じ「西方砂漠」だったことから、
以降2日間ほど、一緒に行動するコトになったよ♪
僕は、基本的に一人旅を好むけれど、
こんなふうに、「数日間だけ、誰かと行動を共にする」ってコトは、
割とよくあるんだ♪
…でも、あくまで、
目的地や旅のスタイルが似通っている場合に限るし、
行き先が枝分かれしたら、潔く、バイバイしてしまう。
「優秀な旅人」というのは、
この、「一緒の期間は深く愛し合い、けれども潔くバイバイする」
っていうスキルが、ものすんごい高い!!
…「深く愛し合う」って、ラブロマンスのハナシじゃ、ナイよ?
「優しく、人情味がある」っていうような意味さ。
まぁ、「一夜の恋」みたいのが時々はあってくれてもイイけど、
ハナっから下心目的で行動を共にしようとするヤツらは、
「優秀な旅人」ではナイから、色々とストレスが絶えないだろうなぁ。
『導かれし者たち』
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