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エピソード9 『リストラ後の7回裏で…』

エピソード9

作業は、概ね順調に進んでいきましたが、

終盤に大きな停滞を迎えました。


妻・翔子が、高所を怖がったため、

屋根の部分の行程が、ほとんど私一人になったのです。

他の助っ人たちも、そろそろ飽きを迎えたこともあってか、

一緒に屋根まで登ってくれる者は、ごく僅かでした。



「野球は、7回が一番苦しい」

と言います。

その意味が、深いところから解ったような気がしました。

終盤に入ると、

計算外のことが多々、起こるようになってくるのです。


これは、人生全般にも言えることでしょう。

人生が80年なのであれば、

55歳でリストラの憂き目に遭った私も、

7回表のピッチングに、四苦八苦していたようなものです。


しかし、

そこを乗り越えてしまうと、

7回の裏には、味方野手が点を取ってくれる可能性も、高まります。

なにしろ、

相手ピッチャーも、7回は一番苦しいのですから!

それに、

スタンドのファンたちは、

ジェット風船を飛ばしたり、タオルを振り回したりして、

特別に盛り立ててくれるのです!


つまり、

「7回表裏の攻防」というのは、

誰にとってもキツイものであり、

思わぬアクシンデトがあると同時に、思わぬ援軍もあり、

何よりも、

「最も白熱する場面」なのです!



55歳の私は、

人生というゲームにおいて、今が、「最も白熱する場面」なのです。


そして、

「ただ苦痛なだけ」なのか、「白熱している」と感じるかの違いは、

その試合を、「積極的に楽しんでいる」と感じるか、

「投げさせられている」と感じるかだけが、左右するのです。

つまり、

リストラだろうが、ガンだろうが、

被害者意識に浸っているうちは、苦痛なだけなのです。

対して、

自己責任だと感じるならば、

どのような分野の「7回」も、充実感を覚えることでしょう。


『リストラ後の7回裏で…』

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