声優事務所の準所属。3年経てば本所属やプロデビューが出来るの?
声優プロダクションのオーディションを受けてみたら、「準所属」という肩書きでのオファーを貰ったでしょうか。家族や友人たちにも自慢したくなってしまいます!
準所属について、「3年間を経て本所属に昇格する」と書かれているのをよく見かけますが、本当なのでしょうか?
3年経てば必ず本所属になれるわけではない!
「準所属」という形で声優プロダクションと契約することになっても、3年後に必ず本所属に昇格できるわけではありません!
この「3年間」とは、「3年間は様子を見てあげる」という意味です。
準所属とは、実際には練習生で、専門学校と同じように毎週レッスンを受け続けます。そして時々、本所属に昇格できるかの適性審査、選抜オーディションが行われたりします。
そこで「プロ並みの実力になったな」と認められれば、晴れて本所属となるのです。
3年間、準所属でレッスンを続けても、実力がイマイチであれば本所属にはなれません・・・。
1年目の終わりに本所属への適性審査が行われ、そこで実力不足の判定を受けても、「もう1年がんばろうね」とレッスン継続のオファーを受けるでしょう。2年目も同じです。
しかし3年目の終わりの適性審査でまだ実力不足であったなら・・・「もうウチのプロダクションでは面倒をみませんからね」と準所属での契約も打ち切られます。
声優の準所属とは、「3年経てば本所属になれる」のではなく、「3年間の猶予を貰える」というニュアンスが強いです。
この立場を理解したうえで、契約するかを選択しましょう!
準所属でもお仕事が貰えることはある。
「準所属」という肩書きでレッスンを受け続ける日々でも、声優としてのお仕事を振ってもらえることもあります。アニメの声優としてアフレコを体験したり、ナレーターのお仕事を貰えたりすることがあります。それに対してお給料が出ることもあります。
「お給料をもらって声優の仕事をした=プロデビュー」と形容することも出来なくはありません。
それに憧れて専門学校に入った人は多いはずで、肩書きはどうあれ「夢が少し叶った!」と言うことも出来ますね。
お友達に「声優デビューしたよ!」と自慢することが出来ますし、やがて家庭を持ったときに「ママは声優としてお仕事したことあるのよ」と自慢することも出来ます。
「それで充分!」という人もいるでしょう。
声優業界の中身を垣間見て、プロの声優さんたちと同じ空間で演技をして、お給料を貰って・・・少しであってもそれを体験して、「満足だわ」と思える人もいるはずです。
であれば、準所属で契約したことも間違いではないですよね。
準所属は、何十人、何百人もいる。
声優プロダクションの準所属タレントは、何十人もいたりします。規模の大きいプロダクションだと、何百人もいることもあります。
本所属に対して、まだ結構遠いです。
準所属から本所属になるのは、各プロダクションにおいて年間数人、というところでしょう。
準所属になっても、そこからさらに上位1%にならなければいけないのです!
また、「準所属のタレントには声優としてのお仕事を振ることがあります」と説明されても、慢心できないということです!
準所属の子が他に数十人、数百人もいるのですから、ある仕事に対してあなたが抜擢されるには、よほど高い適性や、やる気にみなぎっている姿を見せる必要がありそうです。
同じ準所属でも、大手プロダクションのほうが競争率が激しい!
複数のプロダクションから「準所属で契約したい」とオファーを貰ったとき、大手プロダクションのほうが魅力的だな、と考える人が多いです。
でも、そうともかぎらないのです。
大手プロダクションの準所属タレントは200人
無名プロダクションの準所属タレントは5人
とすれば、プロダクションが取ってきた「新人向けのお仕事」があなたに振ってもらえる確率はどちらが高いか、どれだけ違うか、一目瞭然ですよね?
準所属の立場から本所属に昇格できる確率も、無名プロダクションのほうが高そうです。ライバルが圧倒的に少ないわけですから。
エース格のタレントにとっては大手プロダクションのほうが稼ぎやすい。
無名なプロダクションのほうが良いよ!と書いているわけではありません。それぞれに特徴があるのです。
アニメ製作会社は、プロダクション単位で仕事を依頼することも多いものです。「このアニメの学生役を、そちらのプロダクションで10人選抜してください」といった具合に。
すると、技術やタレント性の高いエース格な声優さんにとっては、大手プロダクションのほうがたくさんの仕事を得やすく、稼ぎやすい傾向があります。
そして、準所属の立場から大手プロダクションのエース格に登りつめる人だっています。
いかがでしたか?
「準所属=プロデビューが近い」とは言えます。お金を貰って、1つでも声優の仕事をすることが夢なら、準所属の契約をすることでかなり近づいています。
しかし「準所属=本所属が約束されている」わけではないです。
やはり、声優として数多くの仕事を貰うには本所属である必要があるので、それを目標にしているなら、準所属となってもまだまだ頑張らなければなりませんね!