声優事務所の練習生とは?プロとして活躍できる見込みはある?
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- 2024年2月2日
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声優事務所のオーディションを受けたら「練習生として契約します」という通知を貰ったでしょうか。「事務所に契約」なんてイイ響きですよね!なんだかカッコイイです。
でも練習生って・・・?練習生というのは、声優のプロになる見込みはあるのでしょうか?
練習生は契約の中の最下層。お金を払ってレッスンを積む立場。
大変申し上げにくいですが・・・「練習生」というのは、声優事務所の契約形態の中で一番レベルの低いものです。
本所属
準所属
研究生・研修生
練習生
といった順でグレード付けされていることが多いです。これらの契約形態に厳密な決まりはなく、事務所によってややばらつきがあります。研究生や研究生というものがなく準所属の下が練習生だったりもします。
いずれにせよ、練習生というのは本所属からは最も遠い契約であることがもっぱらです。「練習を積む立場だよ」ということが、その呼び名から明確にわかりますね。
声優として採用されたのではなく、レッスン生として勧誘された。
声優オーディションにおける「練習生として採用」という結果は、「あなたを声優として採用したい」というニュアンスは薄いです。「練習生」という契約でも、声優のお仕事が回ってくる可能性は0ではありませんが、限りなく低いです。
「練習生として認定」といった合格通知は、言い換えると、「ウチの養成所でレッスン生として練習しませんか?」という勧誘です。
声優事務所の多くは養成所としての機能を兼ねており、養成所とは声優学校のこと。規模の小さな専門学校です。年間40万円ほどの受講料を払って、レッスンを受けます。
声優専門学校の学費相場は年間100万円ほどなので、40万円なんて安い!と感じますが、そうでもありません。専門学校は週5日通いますが、養成所の練習生は週1~2回レッスンがあるだけです。
本所属としての望みがあるにはあるが、道は険しい!
練習生としての契約は、その声優事務所で本所属として契約できる望みがあるにはあります。
しかし、「道は険しい!」というのが実情です・・・
練習生であるあなたの上には、研究生・研修生、準所属という格上のライバルがいます。何百人という格上のライバルを押しのけて、本所属の座を掴まなければなりません。
実情として、練習生として契約した子のほとんどは、2~3年ほど受講料を払いながらレッスンを受け、自分で限界を感じて辞めていきます。
独学でオーディションを受けて練習生ならまだ可能性あり。声優専門学校の卒業時のオーディションで練習生評価なら、可能性はかぎりなく低い・・・
「練習生として採用します」という誘いは、受諾すべきなのでしょうか?
それは、立場によって考え方が変わってきます。
もしあなたが、まだ専門学校も声優レッスンも何も受けたことのない状態からオーディションに挑み「練習生として契約したい」と通知を受けたなら、練習生になるのも良さそうです。ちゃんとしたレッスンを受けたことがないなら、レッスンを受けることによって飛躍的に伸びる余地がまだあります!
しかし、声優専門学校を2年通って、卒業オーディションの際に「練習生として採用したい」という通知を受けたなら、断ったほうが良さそうです。
その段階から、何百人の格上のライバルを押しのける見込みは限りなく低いと言えます。
練習生でも契約ではあるので、他のオーディションに受けられない!
「たとえ練習生だとしても、どこかの事務所にしがみついていたほうが有利ではないか」と考える人は多いでしょう。それも間違ってはいないのですが、必ずしもその作戦がベターとも言えないのです。
なぜなら、練習生扱いだとしても「契約」ではあるため、他の事務所の所属オーディションを受けられないのです。
その事務所はあなたを「練習生レベルだな」と評価しましたが、もしかしたら他の事務所は「準所属の力量があるな」と評価してくれることもありうるのです!なるべく高く評価してくれる事務所にお世話になっていたほうが有利なので、練習生での契約はデメリットもあります・・・。
「1つでもアニメに出られたら満足!」なのであれば練習生契約に望みを託すのもアリ。
声優の道を志す動機は人それぞれ。定年を過ぎても声優で居続けたい人もいれば、「1つだけでもアニメに出られたら最高だなぁ」という人もいるでしょう。
1つでもお仕事を得られれば満足なのであれば、「練習生」という契約の誘いに乗って望みを託すのもアリです。練習生でも、1つくらいはお仕事を振ってもらえることがあります。
正攻法でぶつかると格上のライバルたちには勝てないので、あなたのトガッた長所をアピールし続けるのが得策です!たとえば、「イヌの鳴き声が上手い」とか、「赤ちゃんの声真似が上手い」とか、「お婆さんの声が出来る」といった個性があるなら、それをいつもアピールしましょう。そういう役を優先的にあてがってもらえる可能性が高まりますよ!
いかがでしたか?
声優のプロダクションは芸能界の中でも特殊な風習があり、本所属、準所属、研究生、研修生、練習生と様々な形態があり、複雑なのです。
練習生というのは事務所所属ではなく有料スクールに勧誘されている状態です。その契約で良いのかどうか、よく考えてからサインをしましょう。