20 「集合意識」の神秘…!!
ハンモックに満足すると、僕は、店を出た。
標識の1つも無かったけど、歩いているうちに、船着場に着いた。
船頭さんは、
「早く!早く!」と、僕を急かした。
辺りが暗くなってきたからかなと、思った。
…それも、間違いでは無かったのだけれど、
もーーーっと壮大な理由が、あった!!
しばらく舟で走っていると、
急に、一方の川岸が、一斉に点滅しはじめたんだ!!
ホタルだ!!!
僕は、ホタルの光をナマで見たのは、
生まれて初めてだった!!
それも、1匹とか、10匹とか、100匹でさえ、ナイんだぜ!?
この、世界有数の広大な川をステージにして、
数百万だか数千万だが、とにかく天文学的な数のホタルが、
しかも、みんな同じテンポで、
一斉に、点滅を繰り返していた!!!
コレは、ものスゴイ光景だった!!!
膨大なその数も、ミゴトだったけれど、
その膨大な数が、一糸乱れず、同じリズムで点滅する様は、
フシギで、素晴らしくて、言葉が無かった!!!
船頭さんは、
「ペットボトルはあるか?」と、イタズラっぽい笑顔で、僕に訊いた。
僕は、残りわずかな水を全部飲み干して、彼に手渡した。
彼は、川岸の茂みまで舟を寄せると、
なんtと、器用に手でホタルの光をキャッチして、
次から次へと、ペットボトルに詰め込んでいった!!
僕も、マネして捕まえようとしたけれど、
サッパリ、上手くいかなかった(笑)
彼は、カンタンなことのようにやってのけたけれど、
実は、ものスゴイ芸当だった!!
ホタルとココロが通わせでもしないと、出来そうもナイ芸当だった!!
それにしても、
一体、どういう仕組みで、
数百万ものホタルが、それぞれ好き勝手に飛びながら、
同じタイミングで、光れるんだろうか!?
…ペットボトルの中のコたちまで、同じように光るんだぜ!?
僕は、「集合意識」という言葉を、思い出した。
以前、心理学の本で、読んだことがあったんだよ。
人間は、
「一人ひとりが、別々の意識(思考)を持ってる」けれど、
動物や虫たちは、
「その種全体で、1つの意識を分かち合っている」、らしい。
…そのイミは、詳しくは、僕にもワカンナイ。
けれど、
「彼らは、1つの種の全員が、
その種全体の利益を考えながら(カンジながら)、生きているのだ」
と、思った。
動物も、虫も、アタマが悪そうに見えるけれど、
人間なんかよりもずーーーーーっと、
「みんなとの調和」を、考えているんだよ!!!
僕は、日本や旅先で、
幾つかの大イルミネーションを、見物したことがあるよ?
けれど、
メコン川の大ホタル群ほど、ココロの底まで何かを揺さぶってくる感動的なショーは、
後にも先にも、お目に掛かったことが、ナイさ!!!
…さて、
キミは、ディズニーの「ファ○ティリュージュン」と、メコン川のホタル・ショーと、
どっちに、価値を感じる??
『永遠の楽園』