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21 続・アセンションへの険しい道  『イーストエンドは西の果て』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月21日
  • 読了時間: 10分

21 続・アセンションへの険しい道

僕とハイミーは、色の話を続けた。

「他の色のゲームは?どうやったらクリア出来るの!?」

「じゃぁ、順番に話そうねぇ。

 まず、赤色から。

 赤色は、『生きるチカラ』ってカンジだよ。動物たちが、お手本かもしれないなぁ。

 自分の命を犠牲にしてでも、家族を守り育む母性愛が養われたときに、赤のゲームは合格点に達して、ビー玉がGET出来るねぇ♪」

「僕、まだ子どもなんて育ててナイよ!?」

「あははは!

 子どものうちは、それに匹敵するほどの行動力や体力があれば、クリアしたことになるんだよ♪『自分の身の回りのことを、自分で解決する』って感じだね。

 ぱるこは、朝、学校の時間にはちゃんと目覚められる。

 それに、お腹がペコペコでも、耐えられる。両親が出掛けていれば、自分でチャーハンくらいは作れる。

 生き延びるために、長い距離を歩いたり登ったり、出来るよねぇ?」

「…それって、当たり前のことじゃん?」

「そんなことナイよぉ!!

 世の中には、目覚ましが鳴っても起きれないヒトとか、お腹が減るのをガマン出来ないで食べまくっちゃうヒトとか、30分も歩けず車に頼ってばかりのヒトが、大勢いるよぉ(笑)」

「んー。そうかもなぁ。頼りないヤツ、多いもんなぁ。」

「そうだよ。すごくすごく多いさぁ。『ワガママだね』って言われちゃってるような人は軒並み、赤色は落第点だよぉ。21世紀の日本人なんて赤がすっごく苦手で、クリアできてる人は2割くらいじゃないかな。」

 「2割!?1億人もいる中で、2割しかクリアできてないの!?赤ってまだ、最初の色だよ!?」

「そうさぁ。ただなんとなく生きてるだけじゃ、1つの色もクリアできないんだよぉ。」


「それじゃぁ、オレンジは?」

「オレンジも、大人と子どもで基準が違うんだよ。

 大人は、『セックスを適切に楽しむこと』なんだぁ。」

「えぇー!?セックス??」

「そうだよぉ?

 多くの大人たちは、いったんセックスの魅力を知っちゃうと、セックスに中毒して、我を忘れちゃうのさぁ。

 会社にも行かずに、ずーっとベッドの中にこもっていたり、セックスを獲得するために、異性をだましたり…

 逆に、もっちーの話の中にもあったように、『セックスはハシタナイ!!』と言ってセックスを毛嫌いするヒトも、失格さぁ。

 大切なのは、『バランス』なんだねぇ♪」

「でも、恋人が居ない人も居るよ?恋人作れなかったら、アウト??」

「そんなことナイよぉ♪

 セックスのパートナーが居ないんなら、オナニーを、適度に楽しめばイイんだよ。

 大人になったら、毎日でも、オナニーすればいいんだぁ♪男性も女性も、ね!」

「へー!!コレが一番ビックリしたよ!!

 じゃぁ、子どものほうの条件は?」

「子どもたちは、セックスと同じような効果を持つ『快楽的なゴホウビ』の数々を、バランス良く扱うことだねぇ。

 たとえば、テレビゲームなんかもそうさぁ。あとは、甘いおやつや、カードゲームとか、オモチャとか、外食なんかも含まれるねぇ。」

「…僕、テレビゲームやり過ぎてるかも…」

「あははは!

 たしかに、ぱるこは、テレビゲームに関しては中毒気味なトコ、あるよぉ。ミツバチの世話をサボって、ゲームするからなぁ。

 でも、ぱるこのエラいところは、ミツバチの世話やなんかを、『後回しにはする』けれど、『放棄はしない』ってトコさぁ♪

 お母さんに『ミツバチの世話、もう終わったよ』とウソついて、そのまま放棄しちゃうんなら、オレンジのゲームは、失格だね!」

「たしかに僕、自分はグウタラだと思うけど、それでも、『最低限のことはやろう』って、思うよ。

 それは、誰に怒られなくても、やんなくちゃって思う。『自制心』っていうのかな?こういうの。」

「そうだねぇ♪

 オレンジのゲームにおいて、大人と子どもに共通して大事なのは、『自制心』というスキルだろうねぇ!

 オレンジのゲームは、藍色の次くらいに、難易度が高いよ!!

 快楽っていうのは、吸引力が強いからねぇ。みんなどうしても、自制心を失ってしまうし、中毒しちゃう。自分の欲求をヘリクツで正当化して、むさぼり続けてしまうんだよねぇ。

 …そう。『正当化』というのも、オレンジの重要なキーワードだよ。落とし穴だね!どんな理由があったって、女の子を押し倒してはいけないんだ。お酒に酔っていようとも、さ。

 

 …あ、もう1つ重要なのがあったぁ!

 オレンジには、『自立』っていうゲームがあるよ。

 親とか恋人とか、特定のヒトに依存せずに、自分の人生を切り拓いていくチカラさぁ。」

「…僕、ソレ…あるかな?親に依存しまくってると思うけど…」

「ぱるこはまだ、子どもだから、衣食住で依存するのは、仕方ないことだよぉ。

 コレも、大人と子どもで、基準が変わってくるね!

 大人…っていうか、大学卒業くらいの年齢になったなら、一人暮らしが出来るくらいの自立心や生活力が、求められるよ。

 それよりも幼い年齢のうちは、日々の生活のアレコレを、親に頼らずにこなせれば、OKだねぇ♪」

「…それも、当たり前なんじゃないの!?」

「そんなことナイんだって!高校生になっても、ママに揺すられなきゃ起きれない子、大勢居るよぉ(笑)

 …この辺も、年齢によって条件は変わってくるけど、それ相応の年齢になっても出来てナイ子は、大勢いるよ。特に、一人っ子には、出来ない子が多いなぁ…。

 ぱるこも一人っ子だけれど、親が…特にお父さんが、甘えを許さないヒトだからねぇ(笑)

 彼は、とても優しい性格をしているけれど、『自分のことは自分でやろうね♪』が、昔っから口グセだったでしょう?」

「うん。父さんは『優しい』けど、『厳しい』と思うよ。

 小さい頃から、『アレしちゃイカン、コレしちゃイカン』とは言わなかったけれど、ほとんど何んにも助けてくれなかったし、起きたことの後始末は、自分でやんなくちゃいけなかったよね。」

「そういう、見守る愛情のことを、『父性愛』というんだぁ♪

 『父性愛』が適切に養われている大人って、意外と少ないんだ!!」

「つまり、そういう家庭は、『過保護』ってコトでしょ?」

「ピンポーン♪

 社会は、どんどん過保護に向かっているから、家庭で『父性愛』を注がれない子は、『父性愛』を理解出来ないんだよねぇ。それで、ぱるこのお父さんみたいな『自分でやりな』なヒトのことを、憎んだり、恨んだり、し続けちゃうんだよなぁ…。

 世の中の人たちは、『愛』ってモノは、『甲斐甲斐しくお世話すること』とか、『モノをくれること』だと、思い込んでいるんだよぉ(笑)

 …いや、モチロン、そういうのも、『愛』の1つのカタチではあるんだけどさ?そういう甲斐甲斐しいのは、『母性愛』っていうんだよ。

 オレンジの『自立』は、『母性愛』にばかり価値を置いているうちは、いつまで経っても、達成できないんだよねぇ!

 社会の『過保護化』が進めば進むほど、オレンジの『自立』のゲームをクリア出来る人は、減っていっちゃうだろうなぁ…。」

「ふぅーん。

 ウチは、『母性愛』と『父性愛』のバランスが、けっこうイイカンジなんじゃん?」

「『けっこう』どころじゃナイよぉ!!

 あの両親は、2人とも、母性愛と父性愛のバランスが取れてるから、まさしく、模範的な家庭環境と言えるさぁ♪」

「へぇー!!僕、運が良かったんだなぁ。」

「運が良かったんじゃなくて、自分で、そういう家庭を選んできたんだよ(笑)

 まぁ、話が逸れるから、その話はイイとして…」


「次は、黄色でしょ?」

「そうだねぇ。

 黄色は、『知性』のゲームだよ。」

「知性って、勉強のこと?」

「そうだけど、暗記力がどれだけあっても、『知性』のレベルは上がらないんだぁ。『暗記するチカラ』じゃなくて、『考えるチカラ』が、『知性』だよ。

 たとえば、国語の文章問題が得意なヒトは、知性が高いと言えるねぇ。」

「それって、僕のこと!?」

「そうだよ♪ぱるこが一番得意なスキルは、黄色の『知性』だねぇ!」

「じゃぁ、学者とか先生とかが、『知性』のレベルが高いヒトたち??」

「うーん。そうとも言い切れないんだよなぁ…

 学者や先生たちの多くは、『難しいことを難しく』話したり書いたり、するでしょう?ああいうのは、霊視でお金儲けに夢中になる霊能者と同じくらいの、『へっぽこ勇者』なんだよ(笑)」

「そうなの!?何で??」

「うん。難しいことを考えられるようになった上で、ユーモアのセンスを身に付けて、わかりやすく、面白おかしく表現できるヒトが、『知性』のレベルが高いヒトだよ♪

 例えば、作家で言えば、児童文学を書けるヒトなんかが、優秀さぁ♪


 黄色のゲームには、もう1つの柱があるよ。それは、『笑顔』なんだぁ。」

「笑顔!?そんなの、ゲームでも何でもナイよ!!

 赤ちゃんだって100点取れちゃうよ!!」

「そうだねぇ(笑)とってもカンタンなことのように思えるよ。

 赤ちゃんにでも出来るけど…

 オトナたちは…笑顔が得意かなぁ??

 むしろ、『赤ちゃんのほうが』笑顔のレベルが高くなぁい??」

「んー!!そうかもしんない!!

 僕だって、もっと小さかった頃のほうが、上手く笑えた気がするよ。

 難しいことを知れば知るほど、笑顔で暮らすのが難しくなっちゃった気がするなぁ…」

「ピンポーン♪その通りなんだ!!

 赤ちゃんは何んにも知らないから、すると、心配ゴトもナイんだよ。だから、ノー天気に笑っていられるのさぁ(笑)

 誰しも、成長して知識が付いてくるにつれて、心配事って、増えていくモンなんだよ。

 オトナは心配事が多いから、上手く笑えないんだねぇ。ノー天気に笑っている余裕がナイんだよ。

 だから、これは、さっきの『知性』のゲームと被るけど、『難しいことをいっぱい考えることが出来る上で、なおかつ、楽観的に笑顔を保てること』が、大切なんだぁ。

 そういうオトナは、少ないだろうなぁ…。」


「とにかく、カンタンなようで難しいってコトが、解ったよ(笑)

 次は?緑は…『自然を愛するゲーム』だって教わったから、次は青かな??」

「そうだねぇ!青の話をしよう。

 青にも、2つのゲームがあるよ。

 1つは、『変化を恐れない』ってコトなんだぁ。

 たとえば、お父さんが転勤を言い渡されたときに、引越しで知らない土地に移るのが怖くて、 必死で抵抗するような奥さんや子どもは、青のレベルが低いんだねぇ。」

「住み慣れた町を離れるのは、たしかに怖いよなぁ。

 新しいトモダチ出来るか、不安だし…」

「そうそう!

 そういうふうに、色んな『環境の変化』を想像して、恐れて、必死に抵抗しちゃう人が、多いんだよぉ。


 青のもう1つゲームは、『芸術を楽しむ』というものさぁ♪

 全ての芸術を得意にする必要はナイんだけど、音楽でも絵画でも何でもイイから、深く愛せるようになることが、大切なんだよねぇ。」

「僕、青のビー玉授かってナイけど、青がニガテなのかな?引越ししなくちゃいけないの??」

「そういうワケじゃナイけどねぇ。

 ぱるこの人生の中には、まだコレと言って、変化という変化の機会が訪れていないんだよぉ。

 芸術を本格的に探求する機会も、作るのは難しいしさぁ。

 ぱるこは今度、お父さんにギターを習うつもりなんでしょ?

 それで、挫折せずに1年も楽しんでいたら、『芸術』のほうはクリア出来るよぉ♪」

「どれくらい、ギター上手くなればいいの?弾き語りが出来るくらい?」

「いや、『腕前』に関しては、別に問われないんだぁ(笑)

 どんなにヘタっぴでもイイから、芸術に夢中になれるコトが、肝心なんだよぉ。

 んーと、たとえば、お年玉の合計額が、3万円だったとするよ?

 『芸術を楽しむ』レベルが高いヒトは、それでギターを買うことを、惜しいとは感じないだろうさぁ。

 けれど、『芸術』レベルが低いヒトは、ゲームとかごちそうとかドレスとか、とにかくオレンジの『快楽ゴホウビ』に、お金を使っちゃうだろうねぇ。

 オレンジの『快楽ゴホウビ』よりも、芸術のほうに時間やお金を優先するようになったときが、『芸術』ゲームのクリアと言えるねぇ。」

「うん。それならタブン、僕、クリア出来るよ♪

 テレビゲームは充分買ったし、プレイしたからさぁ(笑)

 そしたら、『変化』のスキルのほうは??」

「『変化』のゲームは、しばらくは難しいだろうなぁ。

 キミの家庭は、引越しをする予定にはなっていないし…

 私立中学に受験して、なじみの友達と離れることも、ナイだろうし…

 あ!ぱるこは、大きくなったらかいるみたいに旅をするつもりなんでしょ?

 そこで、弱音を吐いたり怒ったりしないで、アクシデントの数々を楽しむコトが出来たら、意外とカンタンに、クリアするだろうねぇ♪

 この、ねむりあ国の『体験学習』も、旅みたいなモンでしょう?ぱるこはこれまで、非・日常的なココの環境にも、上手く順応していると思うよ♪

 でも、チョっと期間が短すぎるから、『青をクリアした』と認定するコトは、難しいと思うよ。あとは、かっしーがどう判断するかだなぁ…。」


「そのかっしーってのは、一体ナニモノなの!?

 ねむりあ国の王様とか?大統領?」

「あははは!

 ねむりあには、王様も大統領も、居ないよ(笑)

 でも、『リーダー』という表現なら、当てはまるだろうなぁ。」

「リーダーはエラいから、藍色のビー玉を持っていないと、会ってくれないの?

 ふんぞり返ってるタイプかな?僕、そういうのキライだなぁ…」

「イヤイヤ!

 ゼンゼンふんぞり返ってナイし、誰でも入れるように、かっしーの部屋にはカギ1つ、掛かってナイよぉ♪

 藍色をクリアしていないと、かっしーの存在に気付けないというか…」

「存在に気付かない!?

 かっしーは、天使とか妖精とか、そういうヤツ??」

「イヤイヤ!

 エーテル界に来れてる人にならフツーに見えるし、フツーに触れることも出来るよぉ(笑)

 ちょっと特殊なヒトなのさぁ♪」


『イーストエンドは西の果て』

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