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22 魔法のコトバ

22 魔法のコトバ


私がボーゼンと歩いていると、

ふと、目の前を、

緑のリュックを背負った背の高い男の人が、横切った。

イヤホンをしているらしく、大きな声で、

何か聞いたこともないポップスを、口ずさんでいた。

「だいじょぉぉーぶぅ、だいじょぉぉーぶぅ、

 それはぁ、魔法のコトバぁ♪」

「…!?」

私は一瞬、その歌声にイラっとして、

しかし、

ただちに、捉え方が変わった…!!


「だいじょうぶ、だいじょうぶ、

 それは、魔法のコトバ」


…ヨシ!沖縄に行くぞ!!


その、何気ない一言が、

頭を覆っていたモヤを、完全に、吹き飛ばしてしまった!

今朝、ものすごい頭の回転でお母さんを押し切った時のような強さが、

私に舞い戻ってきた!!



「那覇」のAカウンターは、さっきよりもずっと空いていて、

すぐに、私の番が回ってきた。

私は、

今度は自身満々に微笑んで、チケットを手渡した。

「…はい。では、お荷も…あれ!?

 …お客様…?

 …『石垣空港行き』は、お隣、Cカウンターでの受付になりますが…」

「え!?

 あ、はい!すみません!」

反射的に謝り、チケットを受け取り返した。

…何のことやらよくわからなかったのだけれど、

恥を上塗りしたくないがっために、すぐにカウンターから離れてしまった…。



「石垣…空港??」

私は、「那覇空港行き」のチケットを、選んだハズだった。

そのボタンを、押したハズだった。


…押し間違えたんだろうか?


きっと、そうだろう。

タッチパネルは、上下左右のボタンと押し間違えることが多く、

実際さっきも、

名前を入力する際に、何度もミス・タッチをしていた。



「っていうか、石垣空港って…何県…!?」

那覇空港のボタンのそばにあったなら、

きっと、南の島であるに違いない…そうであって欲しい。

よくよく考えて見れば、

「石垣」という名前は、

南国の田舎町を連想する趣が、あるではないか!?

…ある…よねぇ…?

私はもう、フッ切れた!

「どうにでもなれ!!」

ってなモンで、突っ切ることにした。


指定通り、Cカウンターに並び、

オドオドせず、笑顔で受け答えをした。

…私も、大人になったモンだ!

我ながら、感心してしまった!


「荷物を預けますか?」

と聞かれたけれど、手元から離すのは不安だったので、

「いえ、これは大事なモノが入っているので!」

と、力強く、言い切った。言い切れた。

「…では、Bゲートをくぐり、41番搭乗口から、お乗り下さい。

 お気をつけて、行ってらっしゃいませ♪」

解りやすく「B」と「41」に、赤ペンで丸をしてくれた。

…お姉さんたち、プロだなぁ。感心してしまう。頭が良さそうだ。

「はい!わかりましたぁ♪」

と、気丈に答えてはみたものの…

どこに行けばよいのか、よくわからない…(笑)

まずは、

とにかく、「B」を探した。

…今手続きをした隣のカウンターも、「B」だったけど、

まさか、そこに行く必要があるとは、思えなかった(笑)


ウロウロ歩いてると、

壁の前に、大きなアルファベットが書かれているのを、見つけた。

それは、「D」だった。

私は、壁から大きく離れて、

右左、どっちに行けばアルファベットが若くなるか、見定めた。

左側に「C」が見えたので、その方向に、歩いた。

「知らないことでも、頭で考えて答えを推測する」

ということのコツが、掴めてきた気がした♪



『星砂の招待状 -True Love-』

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