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23 続・禅問答 『イーストエンドは西の果て』

23 続・禅問答

 らおすは、「大きなヒト」だった!

 …カラダがビッグ・サイズなだけじゃないよ?なんていうか、「おおらか」だった。そして、その陽だまりのような明るさは、父さんに少し、似ているような気がした。


 らおすは、ブルっとカラダを振るわせた。気合を入れなおすようなカンジだった。

「さて、まずは、禅問答がどのようなモノか、知ってもらわなくちゃイカンなぁ。

 禅宗で最も有名な禅問答を、例に出そうか。

 いいかい?例題の、なぞなぞだよ?」

「…ゴクリ。」

 僕は、息を飲んだ。カラダ中が、キンチョウしちゃった。


「『無』は、存在するか?しないか?」


「……それだけ!?

 『む』って、『有る無い』の『無い』のこと??」

「いかにも!その、『無』のことだよ。

 さぁて、『無』とは、存在するか?しないか?」

「コレって、二択だからさぁ、テキトーに答えたって、50%の確率で当っちゃうけど、イイの??」

「うーん。

 禅問答は、答えそのものよりも、その答えに至った『理由』のほうが大切なんだが…

 この問いに関しては、理由の説明など、無くてもイイんだ。

 ズバっと、答えを示してくれれば、イイ。」

「うーん?『無が有るか』って??

 イミわかんないなぁ…

 イジワル・クイズって、こういうことかぁ!

 えーっとぉ…、 『無』ってのは、『何も無い』ってことだよ。

 つまり、 『存在しない』ってことじゃん?」


「…答えは、それでイイかね?」

「うん。イイよ。タブン、これ以上考えても、ワカンナイからさぁ。」

「………残念!不正解だったなぁ。」

「えー!?じゃぁ、『存在する』??」

「残念!またもや、不正解だ(笑)」

「どういうこと!?

 二択問題なんだから、2回答えれば、絶対どっちかは正解のハズだよ!?」

「わははは!まんまと、引っかかったなぁ♪

 だから、禅問答は、『イジワル・クイズ』なんだよ♪

 だから、禅問答は楽しいのさ♪」

「まんまと引っかかったのかー!!クヤシイなぁ!!

 じゃぁ、正解は、ナンなの??」

「正解かい?…それは、答えられないなぁ(笑)」

「えー!!??イジワルにも、程があるよ!!

 それじゃぁ僕、気になって、今晩眠れないよ!!」

「そうともそうとも♪

 禅問答とは本来、こんなにすぐに答え合わせをするモノでは、ナイのだよ?

 1日でも、1週間でも、…ときには1ヶ月でも、じっくりと、じっくりと、答えを『求め』続けるんだ。

 『求め』続ければ、やがて、無意識ワールドから、返信が来る。

 その、返信が来る時間というのは、大抵、眠れずに考えている、真夜中の時間帯なのさ♪

 …いや、『考えている』うちは、答えなど、解らないだろうなぁ。」

「は!?

 何日も答えを考え続けなきゃいけないのに、考えたら、ダメなの!?」

「わははは!

 『考える』んじゃナイんだよ♪禅問答の答えは、『求める』モノなのさ。」

「考えるんじゃなく、求める…」

「そうだよ?『求める』んだ。

 答えは、『考え出す』モノではナイんだ。『浮かんでくる』モノなんだよ。

 …すると、算数とは、違うなぁ?算数の答えは、順序立てて、『考え出す』モノだねぇ。

 しかし、それは、黄色の『知性』のゲームだろう?禅問答は、藍色のゲームさ。

 『浮かんでくる』まで、鼻クソでもほじりながら、待っていなくちゃ、ならないよ(笑)」


「鼻クソって…そんなノー天気でイイの??」

「はっはっはっは!!逆だよ♪

 『ノー天気でなくちゃ、ダメ』なんだ(笑)」

「えー!?」

「つまり、『アタマをカラッポにする』ということよのう。」

「………わかった!!

 ねむりあの樹とにらめっこした時、眠くて寒くてくたびれて、何んにも考えられなくなって…それでようやく光が視えてきたのと、同じ原理だね!?」

「ご名答!

 詳しいことはシランが、キミは、座禅瞑想をして、いくらか時間が経った後に、光を視たのだろう。

 まさしく、ソレと同じことよ♪

 せっかちな輩には、禅問答は、解けないのさ♪」

「うーん!!少し、禅問答のイミが解ったよ!

 常識やリクツにとらわれてたら、解けないんだね?」

「ご名答!

 とにかく、『アウトローな視点』を、徹底させることだなぁ。

 すると、禅問答のコツが、掴めてくるさ♪」

「ふぅーん。なかなか面白いゲームだよ、コレ♪」


「それでは、キミに、本番の問題を出そう。

 今度はもう、何もヒントは与えないよ?

 ココロの準備は、イイかな?」

「イイも悪いもナイよ(笑)」

「その通りさ♪

 …うん、キミへの問題は、コレにしよう。

 『一番暖かい格好は、なーんだ?

 その格好で、ココに戻っておいで♪』」


「へ??

 一番暖ったかい格好??ダウンジャケットでも、探してくればイイのかな?」

「私はもう、何も言わないよ?

 さぁ、他のみんなの禅問答も、行わねばならない。

 キミが答えが解ったときに、もう一度、私を訪ねて来ておくれ♪」

「ひえー!!ノーヒントかぁ!!

 こんな難しいの、僕に解るかなぁ…」

「幸運を、祈っているよ♪

 素晴らしき友人に出会えた。今日は、キブンがイイよ♪」


『イーストエンドは西の果て』

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