24 聞かぬは一生の恥・その2
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- 2023年3月2日
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24 聞かぬは一生の恥・その2
私が金属探知機を無事に通り抜けるのを、
ベルトコンベアー担当の若いお兄さんが、待ち構えていた。
手には、私の化粧水のビンを、持っている!
「…お客様、まことに申し訳ございませんが、
こちらの化粧ビンは大き過ぎまして、
機内持ち込みの規格『外』に、なってしまうんですが…
私どもで処分させて頂いて、宜しいでしょうか…?」
腰の低い、声の頼りない、部活でパシりにされそうな、お兄さんだった…。
…そんな人に、私は、手続きの不備を指摘されている…
自分がちょっと情けなく感じたけれど、やはり、表情には出さなかった。
「あ、恐れ入りますぅ。」
と、今まで使ったこともナイ敬語が、口をついて出ていた(笑)
…それにしても、
さっき、すぐ後ろのお姉さんが「化粧ビン云々」と言っていたのは、
コレのことだったのか!
さも良く知っているかのように振舞ってしまったのに、私は、
ベルトと化粧ビンとの二重で、長々とつまづいてしまった!
一体、後ろに並んでいるハズのお姉さんは、
どんな顔して、私の醜態を眺めているのだろうか…
恥ずかしすぎて、振り返ることも、出来なかった…!
『星砂の招待状 -True Love-』