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26 「バイタク」という人種

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月10日
  • 読了時間: 3分

26 「バイタク」という人種

 翌朝も、気持ちよく晴れていた!

 …東南アジアってのは、

一体全体、

まいんちまいんち、晴れるんだよ!

 年がら年中、まるで、おんなじ1日を繰り返してるみたいにさ!


 僕は、また近所に出掛けてって、パンとヨーグルトとお水を買うと、

それを食べて、荷物をまとめて、チェックアウトした。


 宿を出ると、

カトちゃんと同じように、原付バイクを引きずった人たちが、

「タクシー?タクシー?」

 と、ありえないくらいの笑顔で、声を掛けてきた。



 彼らは、

バイクタクシー…略して「バイタク」という人種なんだよ。

 ベトナムの場合は、何の許可申請も資格も、必要ナイんだ。

 だから、非常に多くのベトナム人男性が、バイタクを生業にしているよ。

 

…いや、バイタクにも、「特殊スキル」は要るや!!

 それは、

「断られても引き下がらない『あつかましさ』と、

 何があっても枯れることのナイ、突き抜けるような笑顔」さ♪


 こういう、「典型的なバイタクの性質」は、

空気を読み押しの弱い、「草食系男子」な日本のメンズとは、

対極のようなところが、あるよ。

 バイタクたちのその性質は、

うっとうしいことが多いし、人間的未熟さからくるトコロが、大きいよ。

 けどさ、

全面的に侮辱したり、見下したりするのは、絶対、違うのさ!!


ナイーヴで臆病で真面目過ぎる日本人は、

彼らの朗らかさや前向きさが、「教師」になるときも、

多々、多々、あるのさ!!

そして、

彼らの押しの強さや、神出鬼没な行動力に救われることが、

旅をしていると、多々、多々、あるのさ!!



東南アジア辺りを放浪する際は、

「バイタクという人種と、いかに上手く付き合うか」

「適したバイタクを、いかに瞬時に見極めるか」

といった能力が、

旅のクオリティや楽しさを、とても大きく左右すると言えるさ!

それくらい、

「バイタク」というのは、旅の重要なパーツなのさ!



 僕は、言い寄ってくるバイタクの中から、穏やかそうな性格のヒトを選んで、

「JAPANESE EMBASSY」のメモ紙を見せた。

 

 ほんの2~3分も走ると、バイクは、停まった。

 目の前に、領事館の入り口は見えなかったけど、

彼は、そそくさと居なくなってしまった…


 僕は再び、聞き取り調査を開始するしか、無かった。


 道端で、バスを待っていたらしき若い女性が、

僕を、領事館の入り口まで、連れていってくれた!!

 彼女は、「知性」と「奉仕性」を、

ビー玉がGET出来そうなレベルまで、備えているようだった!!

 オマケに、ファッションセンスが良く、スタイルまで、良かった!!



 …いや、

ベトナム・ホーチミンに住む若い女性たちは、

たいていみんな、スタイルが良かった♪

 胸は、そう大きくはナイけれど、申し分なく(Cカップくらい?)、

ウエストがキュっと締まっていて、

ローライズのジーンズが、とても良く似合っていた。

 若い女性たちは、

ホントにみんな、同じような体型をしていて、

同じようなローライズのジーパンを穿き、

ピタっとした「チビT」を、色とりどりに、着こなしていた。

 髪は背中くらいまで伸ばして、

たいていは、軽くパーマを掛けていた。

 そして、

ケバいほどの化粧をするヒトは、ほとんど見かけなかった。


僕は、様々な国の女性たちを間近で見てきたけれど、

「ベトナムの都会の女性」が、

最もバランス感覚が優れていると言えるかも、しれないよ♪



 その女性が案内してくれたのは、

昨日僕が見つけた「JAPANESE EMBASSY」の建物とは、

ゼンゼン違う場所だった!!

 …また、「天然ボケ」に翻弄されたのかと思った(笑)

 けれど、

目の前に、マイケル・ジョーダンみたいな、ガタイの良い警備員が立っていたから、

「お役所っぽい!!」と思って、その彼に、話し掛けてみた。

「フェア イズ ジャパニーズ・エンバスィ?」

 すると、彼は、

何も答えず、ただ、指を矢印にして、頭上を指し示した。

 彼の指の先を見上げると、

「JAPANESE EMBASSY」

 と、ゼンゼン目立たない表札が、掲げられていた…(笑)

「コリャ、ジモティーでも解らないワケだよ!!」

 僕は思わず、声に出してツッコんでしまったけど、

彼は日本語が解らないようで、肩をすくめて、澄ましていた(笑)



 僕は、

公衆トイレの入り口みたいに佇む、その小さなドアを、くぐってみた。


 中は、別世界だった!!



『永遠の楽園』

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