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30 るなは、ビックリした!!! 『世界一大きなおもちゃばこ』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月16日
  • 読了時間: 4分

30 るなは、ビックリした!!!

「…ごめんね?

 高校3年生のお兄ちゃん、お名前、なんて言うんだっけ??」

「だっはははー!

 このコは、真っ正直なコなんだなぁー♪

 コリャますます、千葉に暮らし続けなくて、正解だよ!

 僕の名前は、ケンジだよ。『健康を治める』で、健治。

 ケンちゃんって呼んだらいいよ♪」

「ねぇ、のもこ?

 みんな、名札を付けてほしいなぁ?

 るな、みんなのお名前、おぼえられなくて…。」

「そりゃ名案だー♪

 みんな!

 今日の宿題、決まり!

 それぞれ、立派な名札を作ってくることー!!

 るな?あなたも、作るのよー?」

「はーい!!」

みんな、元気よく返事をしてた♪。


「そういうわけで、

 そろそろ、るなのバースデー・パーティも、おしまーい!

 はい、みんな、片付け…

「ちょぉっと待ったー!!!」

また、声を上げたのは、高校3年生の、ケンちゃんだった。

「はい、みんな、次、始めるよー♪」


わーーーー!!!!


ケンちゃんの号令とともに、みんなが、ドタバタと動きだした!!

部屋の右のふすまの文字が、チェンジ!!

「☆るなちゃん おたんじょうびおめでとう☆」だったのが、

「☆のもこ おたんじょうびおめでとう☆」に変わった!!

3人くらいの子たちが、

いちもくさんに、部屋から出ていったかと思うと、

すぐに、小さな丸いケーキを持って、もどってきた!!


「え?え?どういうこと!?」

のもこは、あっけにとられてた…!!

「今日はぁ、のもこも、誕生日ぃー♪」

誰かが、てきとうな節を付けて、言い出した!

「今日はぁ、のもこも、誕生日ぃー♪」

「今日はぁ、のもこも、誕生日ぃー♪」

みんなで、大合唱がはじまった!!

るなも、いっしょになって、歌った♪


へぇー!

この学校では、

おたんじょうびの歌まで、オリジナルなんだー♪

るなは、となりにいた女の子に、

「この歌は、誰が考えたの??」って、聞いてみた。

「え?今、テキトーに作っただけでしょ!?」

えー!!

そんなのアリなの??

そんなことが、できるの??

…るながいた学校のコたちには、考えられなかった…


のもこが、ケーキにかぶり付くと、

お次は、他の子たちが、プレゼントの袋を、手わたした!


中に入っていたのは…


また、袋??


「あれーぇ?」

と言って、のもこが次の袋を開けると…


また、袋!!


開けても、開けても、袋ばっかり…

ただ、サイズがだんだん小さくなって、

デザインがどんどん、変わっていくだけ…


???


結局、

10回、袋を開けても、何にも出てこなかった…!!!


のもこは、

「あれーぇ?何にもないよー??」

と、フシギそうな顔…

みんなは、

「えー!?

 プレゼント、10個も用意したのに、

 のもこの目には、見えないのぉー??」

と言って、ケラケラ笑ってる…

「あー!!!

 …そういうコトかぁ!!

 コレは、一本とられたなぁ♪」

のもこは、イミがわかったみたい。

るなには、イミがぜんぜんわからなかった…

「みんなには、何が見えるの?

 みんなは、妖精とか、見えるの??」

「だっははははー!ちがうよー♪

 るなにもちゃーんと、見えてるハズだよ♪」

ケンちゃんが、イタズラっぽい笑顔で、言った。

…やっぱり、

るなには、イミがわからなった…


のもこが、種明かしをしてくれた。

「みんなはね、ワタシに、

 『10コのカワイイ袋』を、プレゼントしてくれたんだよー♪」

!!??

るなは、部屋にちらばった袋たちを、よーくながめてみた。

毛糸で編んで作った袋もある…

モザイク画みたく、おり紙が無数にはり付けられた袋もある…

ハンカチの端切れみたいのを、パッチワークして作られた袋もある…


…ぜーんぶ、手作りの袋だった…!!!


「のもこは、

 人に贈り物をするのがスキだから、

 プレゼントを入れるカワイイ袋をたくさんあげたら、

 活用してもらえるだろうって、考えたんだよ♪」

ケンちゃんが、解説してくれた。


るなは、ケンちゃんに聞き返した。

「こんなスゴいアイデア、ケンちゃんが考えたの??」

「いや?

 僕、あの袋のリボンを、ぬいつけただけだよ(笑)

 アイデアを出したのは、そっちの子さぁ。

 小学2年生の、サチコ。なぁ、さっちゃーん?」

「ケンちゃーん!!

 『言っちゃダメ』って約束だったじゃぁーん!!」

体の小さな、メガネの女の子が、力強く、言った。

「あぁ、ゴメン!!

 誰が発案者か、どの作業をしたか、ナイショにしとくんだったっけ…!

 ごめんよぉ…。

 はい、僕の顔に、デコピン、どうぞー♪」


ケンちゃんがそう言うと、

みんな、われ先にとケンちゃんにかけよって、

じゅんばん待ちもせず、次々と、

顔のアチコチに、デコピンをしていた…!!

「…ケンちゃん、みんなのセンパイなのに…??」

「だっははは!

 ココには、センパイとかコウハイとか、

 そういうツマンナイ概念は、ナイんだよ♪」


…そうだ!

のもこも、本当は先生なのに、

「お友だちになりたい」って、言ってた…!!



るなは、ビックリした!!!

るなよりも年下の女の子が、

こーんなざん新な、ドラマみたいなアイデアを思いついたってことに、

ビックリした!!!


るなは、ビックリした!!!

「お勉強」や「宿題」の内容が、

こーんなざん新なことに、ビックリした!!!


るなは、ビックリした!!!

みんなの笑顔が、

ママみたいに世界一ステキな人ばっかりで、ビックリした!!!

るなは、ビックリした!!!


センパイもコウハイも、先生も生徒も、

ホントに存在してないってことに、ビックリした!!!


『世界一大きなおもちゃばこ』

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