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30 究極の禅問答 『イーストエンドは西の果て』

30 究極の禅問答

 ハイミーと反省会をしながら、さむすんの居る集落のほうへ、歩いた。

 自分のココロに巣食う『依存心』に気付き、退治出来たのは、たしかに大きな収穫だったけれど、失った代償も、大きかった…

 もう、すっかり夕暮れさ。

 1時間掛けてさむすんの集落に戻ったら、あちこち歩き回るほど、時間は残されていない…

 それなのに、らおすの禅問答の答えは、手がかりの1つも、見つからなかった…。絶望的だ。


 ハイミーは、心配そうに尋ねた。

「どうする…?もう、あちこち出歩く時間は、無さそうだよぉ。

 それに、そろそろお腹が空く頃じゃない?

 この集落で食事を摂っていたら、真っ暗になっちゃうだろうから、もう他所に出歩くことは、出来ないだろうなぁ…」

「お腹は、たしかに減ったけどさ、それは、なんとかガマンできるよ。なにしろ、赤いビー玉、持ってるからねぇ♪

 だから、この集落でタイム・アウトを待つだけってのは、ナンセンスだと思う。

 最後に、もう1ヶ所、どこかに移動出来ないかな?

 「『西の谷』の集落のどれかなら、たどり着けるとは、思うけど…

 一か八か、らおすのところに、行ってみる?

 向かってる間に、答えがヒラメくかも!」

「そうだね!とにかく、らおすのところに向かってみよう!!」


 僕らは、東に向かって歩き始めた。

 歩きながら、アレやコレやと、思考をめぐらせてみた。

「…えっと、『一番暖かい』んでしょう?

 ダウンジャケットより暖かいのが、世界のどこかに、ありそうだしなぁ…

 エスキモーの人たちのコートとか?

 でも、その格好で、らおすの前に行かなくちゃなんないんだよなぁ…

 すると、ねむりあでも手に入る上着だよなぁ…

 でも、この辺はそんなに寒くナイからなぁ、『西の谷』の人たちは、大した防寒具を持ってナイ気がするなぁ…」


「…ねぇ、ぱるこ?

 さっき反省会したとき、どうしたら答えが浮かんできたんだっけぇ??

 禅問答の答えって、どういうふうに、出すんっけぇ??」

「…そうか!アレコレ考えてたら、ダメなんだ!!

 アタマをカラッポにして、答えが『浮かんでくる』のを、待つんだよ!!

 …ようし、考えるのは止めて、歩きながら深呼吸することにしよう♪」

 僕はもう、焦ってはいなかった。

 『最善を尽くす』ことは心掛けていたけれど、『結果には、執着しない』ことにした。

 …なにしろ、かっしーに会えないとしても、この2日間はものすごく濃密で、楽しかったからさ♪この2日間のことを思い返していると、楽しくて、顔がニヤついてきちゃった♪

 気付けば、鼻歌なんて歌っていた。これまでに聞いたコトもナイ、デタラメな歌だった(笑)


 すると、フシギにも、全く新しいアイデアが思い浮かんできた!!

「わかったーーー!!!!!

 ハイミー!進路変更だよ!!!

 かっしーの住んでるトコに、向かうんだ!!!」

「えー?禅問答の答えが、解ったの!?

 でも、それだったら、らおすのところに行かないと、イミが無…」

「一番暖かい服が何かは、ワカンナイ!さっぱり、ワカンナイ(笑)

 けど、『究極の禅問答』の答えなら、ヒラメいちゃったー♪♪」

「…どどどどういうことー!!??」

「今さぁ、この2日間のみんなのハナシを、思い返していたんだよ。

 かっしーに会うには、藍色のビー玉をGETしなくちゃなんない。そうだろう?」

「うん。そうだよ?」

「ぶぶー!!ハイミーくん、不正解です♪♪」

「え!?」

「たるともハイミーも、そうは言わなかったよ?

 別に、藍色のビー玉を持ってなくても、かっしーには会える可能性があるんだ♪」

「なんで??」

「かっしーは、エラそうにふんぞり返ってるようなリーダーでは、ナイんでしょ?

 部屋のドアにカギを掛けたりもしてないし、警備員が追い返したりも、しないんでしょ?」

「うん。そうだけど…」

「藍色のビー玉が、かっしーの部屋の鍵になってたりするんだったら、僕は完全にアウトだったよ。仮に今、禅問答の答えが解ったとしてもさ?らおすに証明しに行って、藍色のビー玉がもらえたとしてもさ?もう真っ暗だから、かっしーの家には、行けないさ。

 …つまり、『らおすの集落に向かったら、アウト』なんだよ!」

「そうだねぇ…

 もう、かっしーに会うのは諦めることになると、思っていたけれど…」

「まだ、諦めなくてイイんだ♪

 会えないカモしんないけど、会える可能性は、まだ、あるよ!!」

「どうやるのぉ??」

「たるとやハイミーの言ってたコトのニュアンスを、信頼するならば…さ?

 かっしーに会うために必要なのは、

 『藍色のビー玉そのもの』じゃなくて、

 『藍色のビー玉をGETするほどの、藍色スキル』さ!

 仕組みはよくワカンナイけど、かっしーの部屋は、藍色のレベルが高くないと、見つけられないか、入れないか…そういう仕組みなんだよ!

 だから、『ぶっつけ本番』で、かっしーの家で、僕の藍色スキルを試せばイイんだよ♪かっしーに直接、藍色のビー玉をもらいに行くつもりで、さ♪」


「ほぇぇぇー!!!ものすんごいコト、考えたねぇ!!

 そんな名案、キミのハイヤーセルフであるハイミーでさえ、思いつかなかったぁ…!!

 たしかに、『本質を見極める眼力』や、7色の総合力が充分にあれば、かっしーに会える可能性は、あるやぁ♪」

「だろ!?行こう!ハイミー!!かっしーの家は、どっち!?」

「この辺からだと、だいたい真南だよ!

 30分も走れば着く距離だから、最後のチカラを振り絞って、走ろう!!」

「おっけー!!道案内を、頼むよ♪」


『イーストエンドは西の果て』

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