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39 何でもある部屋 『イーストエンドは西の果て』

39 何でもある部屋

 …ぶっちゃけ、かなり確信を持って、『もっちーはかっしーじゃナイ』って思った(笑)

 けれど、念のため、もっちーやもっちーの部屋の特徴を、メモに書き込んだ。

 僕は、休むことなく、3階の最後…6つ目のドアをのぞいた…


 6つ目の部屋には、タコが居た!!

 大きさは、人間の赤ちゃん程度なモンだけど、色は、薄いターコイズ色だった!触手の4本は、黄色だった!

 …食べたら不味そうだと思った(笑)

 部屋の中に軟体動物がうごめいてるのはビックリしたけど、それ以上に驚いたのは、この部屋の景観だった!

 広さは、他の部屋と同じだろうと思う。けれども、部屋中、足の踏み場もナイくらいに、オモチャがとっ散らかっていた!!世界中の、様々な国のオモチャがあるようだった。

 壁際には、棚がギッシリ並んでいた。棚には、お人形やぬいぐるみが、豪華絢爛とばかりに並んでいた!

 部屋の右奥隅には、100インチはあるんじゃないかってくらいの、大きな大きなテレビが置かれていた!モチロン、テレビゲームの本体やディスクも、腐るほど並んでいた。テレビの画面は点いていて、箱庭系のゲームがプレイされているようだった。

 部屋には、かすかに音楽が掛かっていた。子守唄のような可愛らしい曲の、オルゴールだった。タブン、テレビゲームとは連動していなくて、どこかでCDみたいのを流していたんだと思う。


「…あのう、

 ココは、かっしーの部屋?」

「やぁ♪

 どう思う?僕、かっしーって感じ、する??」

「えぇーっと…」

 彼は、タコであるがゆえに、触手が8本もあった。

 その全ての触手には、それぞれ、全く違うオモチャが握られていた!!…いや、触手のうち2本は、テレビゲームのコントローラー操作に、費やされていた。

 …かと言って、彼の顔は、テレビのほうは向いていなかった…僕が声を掛ける前から、顔はテレビにそっぽを向いていた。「神業」とは、まさにこのことだった…!!


「大変申し訳ナイのだけれど、僕は、ぱるこ君とあんまりおしゃべりするつもりは、ナイんだぁ。

 …というのも、会話ではなく、僕の様子を観察して、かっしーであるかどうかを見極めてほしいからさ♪」

 そう言い終えると彼は、オモチャやテレビゲームの操作に、再び夢中になり始めちゃった…

「ぽかーーん…」


 僕は、彼から手掛かりを入手するコトはあきらめることにして、足元に転がっているオモチャを2~3コ、手に取って眺めてみた。どれも、とっても精巧に作られていた!!

「コレ全部、タコさんが作ったのかなぁ?」

 そうかもしれないし、そうじゃナイかもしれなかった。

 タコさんは、僕の言葉に反応して、「ニヒ♪」と笑顔を浮かべると、また作業に没頭し始めた…


 僕は、幾つかの特徴を、メモ用紙に書き込んだ。


『イーストエンドは西の果て』

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