40 ヘンなヒト
翌朝は、6時くらいに目がさめちゃった!!
大人の人たちも、まだ、眠ってたよ♪
るなは、そーっとお部屋から出て、そーっとろうかを歩いてみた。
みーーーんな、眠ってた。
1階に下りてみたら、
…あれれ?職員室の電気が、点いてるよ???
受付のところからのぞいてみたら、
昨日、たくさんお話したお兄さんが、
1人でもくもくと、パソコンをカタカタ打ってる…
「おにーいさん♪」
るなは、みんなが起きないように、ヒソヒソ声で、言ったよ。
「あれ?るなぽんかー??」
「るなぽん??」
「るなぽんじゃ、ないの??」
「るなだよ??」
「じゃぁ、るなぽんだよ♪」
「ふふふ。ヘンなのぉー!」
「『ヘンなヒト』なんだよ♪お兄さんはぁ!
僕が、『ヘンなヒト』のままでいないと、
ココに来る他のヒトたちが、
『ヘンなヒト』のままで、いられないだろう??」
「えー?何それー??
みんな、フツウだよ?」
「そうかなぁ!?
るなぽん、みんなのこと、ちゃーんと、良く見た??
『フツウなヒト』って、ココには、1人もいないぞー??」
「えー??そうなのー!?」
「そうだよー♪
るなぽんの知り合いの大人のヒトは、
みんな、のもこみたいに、1年間も海外に行ってた??」
「ううん。
ママでも、3ヶ月だって言ってたよ。
他の大人のヒトは、グアムに1週間行くだけなんだよ。」
「でしょー?
1年間も海外にいたなんて、のもこは、ヘンなコだよー♪」
「えー?他には??」
「じゃぁ、ミルクそば作ってるおそば屋さん、何軒知ってる??」
「1コも、知らなーい。」
「だろう?
じゃぁ、ミユもやっぱり、ヘンなコだよ♪」
「そっかぁ。」
「そんなふうに、
これから、
お友だち一人ひとりの、『ヘンなところ』に、注目してごらん♪
そしたら、るなぽんは、
すーぐに、みんなのことが、スキになっちゃうよ♪」
「うん!!そうするー♪」
お兄さんは、話題を変えちゃった。
「…ところで、
『るな』って、とってもステキな名前だなぁ♪」
「えー!?
『るなって、ヘンな名前』って、いっぱい言われたよぉ。」
「あれ?
『ヘンってコトは、ステキってこと』じゃなかったっけ??」
「…あ、そっかぁー!!
るなの名前、ステキな名前だったんだー♪」
お兄さんは、さらに質問してきた。
「『るな』って、どういう意味か、知ってる?」
「ん。お月様??」
「ピンポーン!
よく知ってるねぇ♪フランス語で、お月様の意味なんだよなぁ。
ねぇるなぽん?
自分の名前が、『お月様』だったら、
どんな人生に、なるかなぁ?」
「えー?きっと、お月様が気になっちゃうと思う。」
「そんで?気になったら、どうなる??」
「スキになる…?」
「ピンポーン!
きっと、るなぽんのママは、るなぽんには、
『お月様が大スキなコ』に、なって欲しかったんだろうなぁー♪」
「…そうなの??」
「そうだよー!
太陽をスキになって欲しかったら、
『るな』って名前は、付けないんじゃない??」
「そっかぁ。」
「るなぽんは、
リュックサックにしちゃいたいくらい大スキな動物って、何か、いる?」
「あ、うさ子ー♪」
「そうなの?
じゃぁ、クイズだけど、
お月様にいる動物って、なーんだ??」
「あ、うさ子ー??」
「ピンポーン♪
そういうふうに、
無意識なうちに、お月様に関連するモノが、
気になっちゃうし、スキになっちゃうんだよ♪」
「そっかぁ!
お兄さん、ママとオンナジくらい、頭がイイかも!」
「そりゃありがたいねぇ♪
…ところで、
お兄さん、夜中ずーーっとココにいて、パソコンしてたの。
夜、お空に浮かんでるのって、なーんだ??」
「お月様ー??」
「ピンポーン♪
お兄さん、お月様が大スキだから、
いっつも、夜起きてて、お月様とデートしてるんだよ♪」
『世界一大きなおもちゃばこ』