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43 続・「マフィアのボス」のようなヒト

43 続・「マフィアのボス」のようなヒト

 僕らを乗せた車は、

恐ろしいほどの悪路を、

とんでもなく激しくバウンバウン跳ねながら、走った(笑)

「コレは、コレで、面白い!」と、思ってしまった(笑)

 遊園地のアトラクション並に、跳ねまくるんだもん。

 さっきのドシャ降りの影響で、

道は益々、悪路になっていたのだろうさ。



 …なぜ、

毎日何百人もの旅人が行き交う、主要なこの道路を、

いつまでも、未舗装のままにしておくんだろうか??


 貧困国とは言え、

「お金が足りない」という理由とも、思えなかった。

 すると、

カンボジアへ降り立とうとする旅人を、

試すため、「振るい落とす」ために、

わざと、未舗装のままで、残しているんだろうか!?



 道の脇は、どこまでも、のどかな田園風景が広がっていた。

 薄暗い雲とさっきの大雨が、田んぼの水を、汚く濁していた。

「雨上がり」のハズなのに、爽快さとはほど遠い眺めだった…。



 カンボジア人というのは、

こんなに悪どい人種なんだろうか…?

 カンボジアという国は、

こんなにシビアな国なんだろうか…?


 僕は、

永遠に続きそうな薄汚れた田んぼを、ぼーっと眺めながら、

ブツブツと、そんなことを考えていた。



 30分もすると、

悪路は、ようやく落ち着き始めた!

 マフィアのボスは、路肩に車を停めた。

 後部座席に向き直り、

「チケットを見せろ」と、淡白に言って、その手を差し出した。

 僕は、ハっとした!!

 カラダ中から、あぶら汗がどーーっと流れ出した!!

 さっき、国境に向かうバスの中で、

確認のために取り出したチケットを、

手に持ったまま眠ってしまったのを、思い出した!!!


 藁にもすがる思いで、ポケットやカバンを全て探ってみたけど、

やっぱり、チケットは無かった…。

 マフィアのボスは、イライラと貧乏揺すりをしながら、

ブザマな僕の様子を、冷たい目で、眺めていた。


 僕は、意を決して、

マフィアのボスに、

「さっきのバスで、チケットを失くしてしまったようだ」

 と、話した。

 …正直、

「免除してもらえるだろう」と、思った。

 ここまで来た人間が、「チケットを買っていない」なんてことは、

到底、あり得ないことなのだからさ?


 彼の答えは、こうだった。

「15ドル。」

 ただ短くそう言うと、その真っ黒い手を、差し出した。

「…いや、でも僕、プノンペン行きの代金も、ちゃんと払っ…」

「15ドル!!」

 僕の言葉を途中で制止するように、更に強い口調で、そう言った。

「早く!後がつかえている。」


「…でも」

 まごつく僕を尻目に、

彼は、不敵な笑みを浮かべた。

 右手の親指を立てて、それをハデに下へ向けながら、

こう、言い添えた。

「ココは、そういう国なんだよ。ハッハッハ!」


 僕は、おちんちんが縮こまるのを、感じた…!!


『永遠の楽園』

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