46 正真正銘の、プライベート・ビーチ♪
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- 2023年3月2日
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46 正真正銘の、プライベート・ビーチ♪
…5分も障害物競走を続けて、
少々、後悔し始めた(笑)
岩場ばかりが延々続き、砂浜など見えてこないから…
引き返そうか、何度も迷ったけれど、
自分がヒマ人であることを思い出して、
アテもなく、前に突き進むことにした。
急ぐのは止めて、のんびり、歩いた♪
見たこともナイ植物やキミョウなゴミが打ち上げられているのを見つけると、
その都度、駆け寄って、眺めたり、いじくり回したりして、遊んだ。
誰も居ない、東の海岸線に、
都心からやってきたワガママ少女の、無邪気な笑い声だけが、
こだましていた。
コレはコレで、充分、楽しかった♪
30分も飛び石歩きを続けると、
ようやく、白い浜辺にたどり着いた!
猫の額ほどの、小さな小さな浜辺だった。
そこは、
集落側から道が通じているワケではナイので、
ヒトが訪れるには、
今私が歩いた険しいルートをたどる以外に、無さそうだった。
「辺境の地」というやつだ。
正真正銘の、プライベート・ビーチだった!
おばちゃんたちの笑い声も、排気ガスの臭いも、
そこには、届きようも無かった!
私は、
手ごろな岩に腰掛けて、海を眺めた。
…知らぬ間に、
朝陽の出産は、終わっていた…(笑)
それでも、
生後10分ほどの「朝陽の新生児」は、
この浜の丁度真正面に、キレイに輝いているのだった…!
それは、間違いなく、
私の人生において最も、美しい朝陽だった…!!
小島一つ、船一つ見えない海岸線上に、
完全無欠の左右対称を描いて、光の柱が上がっていた…!!
美しかった…!!
涙が出るほど、美しかった…!!
私は、
「ひょっとしたら、
こんな僻地までやってきたのは、
竹富島の歴史始まって以来、私が最初なんじゃないか!?」
と思って、勝手に有頂天になった(笑)
…でも、
そんな私の天狗っ鼻は、
次の瞬間に、あっけなく、へし折られてしまった…
憎っくき、あのヒトに…!
『星砂の招待状 -True Love-』