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49 マイペースな宿のヒトたち

49 マイペースな宿のヒトたち

 少年のバイクの後ろに乗って、

郊外の住宅街を、突き抜けて走った。


 この辺りは、

川岸の「高床式住居」とは、趣が違った。

 ほどよく木立が残る、郊外の家並みだった。

津波や洪水の心配など、無さそうな土地なのに、

やっぱり、高床式の建築構造だった(笑)

 きっと、「湿気対策の知恵」とかなんだろうなぁ。

 また、

同じ高床式の木造家屋でも、コチラのほうが、造りがしっかりしていた。

 川岸の家屋は、「ご近所さんと協力して、自分で建てた」カンジで、

この辺は、「専門家に委託して、建ててもらった」カンジだなぁ。


 …もう1つ、大きな特徴は、

どの家にも、大きな青色の看板が、掲げられていたこと。

「カンンボジアン ピープル ナンチャラ…」とか、書いてあったのだけれど、

どうやら、「政党支持の表明」のようだった。

 シェムリアップの郊外都市に住む人たちは、政治に熱心なんだなぁ!



 少年の言っていた通り、

10分も走ると、ゲストハウスに到着した。

 玄関は、大きな通りに面しているのだけれど、

建物は、少し奥まったところにあるから、

庭まで入り込むと、もう、大通りの喧騒は無かった♪

 のんびりして、雰囲気のイイ宿だと感じた♪



 僕が到着したとき、

庭では、ジモティーらしきメンズたちが、サッカーテニスをやっていた。

 ゲストハウスの共有スペースに、

ジモティーたちがたむろしていることは、珍しいのだけれど…


 僕は、早速、部屋を見せてもらった。

 かなり部屋数が多いようで、

ドミトリー、シングル、ツイン、シャワー込/別、エアコン有/無…

と、様々な旅人のニーズに、応えられるようになっていた。

 僕は、2ドルの、「エアコン無しのシングル」を選んだ。

 …正直なところ、

宿に到着する前から、この宿にお世話になることは、ほぼ、決めていた(笑)

 彼に、好感を持ったからさ♪



 荷物を置くと、

お腹が減ったので、何か食べたくなった。

 メンズたちがサッカーテニスに精を出す中庭は、

共有スペースであるオープン・ラウンジに、面していた。

 僕は、ラウンジの座卓に腰を下ろして、カレーライスを注文した。


 一番年配らしき青年が、

「一緒にプレイするかい?」と、笑顔で誘ってくれた♪

 僕は、サッカーがあんまり好きでは無かったけれど、彼の厚意に応えた。

 カレーが到着するまでの間、

みんなとコミュニケーションをすることに、したのさ。



 このゲストハウスは、

なんだかよくワカラナイ、人員構成だった(笑)

 僕らのサッカーテニスに、時々、

3歳くらいの男の子が、イタズラ半分で混じってきた(笑)

 この子は、ゲームの流れを完全にかき乱していたけれど、

誰一人、キブンを害するヒトは、居なかった。

 みんな、気さくで優しそうな顔をしていた♪


 カレーが運ばれてくると、

僕は、ゲームから抜けさせてもらった。

 カレーは、

60歳くらいの、色黒のおばあちゃんが運んできた。

 年齢は、かなりいっているようだったけれど、

「おばあちゃん」と呼ぶには、動きが若々しかった。

 働き者なのだろうと、思うよ♪


 彼女は、僕にカレーを差し出すと、

気を利かせて、ラウンジの扇風機を回し、

首を、僕のほうに向けてくれた。

僕が「ありがとう♪」と、短く言うと、

軽くニコっと微笑んで、建物の中へ戻っていった。



 食べ終えて、しばらく涼んでいると、

さっき僕をサッカーに誘ってくれた、最年長らしき青年が、

改めて、話し掛けてきた。

「やぁ♪観光は?しないの?」

「観光?したいけど…

 ノープランだし、何すりゃイイか、ワカンナイなぁ。

 とりあえず、アンコールワットが見たくて、カンボジアに来たんだけどさ♪」

「ガイドブックは?持っていないのかい!?」

 彼は、フシギそうに、尋ねてきた。

「あはは!持ってナイんだよ(笑)

 だから、ぜーんぜん、情報がナイんだぁ。」

「だったら、アンコールワットを中心に、オレがガイドしようか?」

「キミは、ツアーガイドなの!?」

「いや!『ツアーガイド』というのとは、違うんだけどさ。オレは、『バイタク』だよ。

 でも、この辺じゃぁ、バイタクが、ガイドも兼ねちゃってるんだ。大抵ね。

 …つまり、資格とかは、持ってナイんだけどさ?

 でも、一通りは、ガイド出来るぜ♪」

「そうなのかー!じゃぁ、お願いしようかな♪」

「ヨシ、決まり!

 …今日はまだ、2時過ぎだから、多少遊べると思うけど、

 どうする?今日はもう、ゆっくり宿で過ごすかい?」

 

彼には、押し付けがましいところが、ほとんど、無かった。

ベトナムで関わったバイタクたちとは、かなり、性格が違うようだった。

 たった数分の会話で、僕は、彼が気に入ってしまった♪

「うーん。

 食べて涼んで、元気になっちゃったから、観光しようかなぁ。」

「OK!じゃぁ、オレも準備するよ。

 ところで、ココには何日間、滞在する予定なの?

 日数によって、レコメンズ(お勧め)するルートは、

 かなり違ってくるんだけどさ?」

「…えーっと。

 今日、明日、明後日…その次の日のお昼過ぎくらいに、

 空港に向かう必要が、あるんだ。」

「OK!3日後の午前中も、観光出来そうだね♪

 じゃぁオレ、着替えてくるから、

 30分後に、再びこの中庭に集合で、イイかな?」

「わかったよ♪」


『永遠の楽園』

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