top of page

4 闇とのにらめっこ 『イーストエンドは西の果て』

4 闇とのにらめっこ

 宝箱を開けてみると…そこには、数枚の紙切れが、畳んで置かれていた。

 …それだけだった。

 「伝説のアイテム」でもなければ、「ミミック」でも、なかった…(笑)


 僕は、紙切れを手に取って、開いてみた…

 それは手紙だったのだけれど、頭の一文を読んだだけで、腰を抜かすほど驚いた!!!

 …まぁ、文章をそのまま載せるから、キミも読んでみておくれよ?



--------------------------------

やぁぱるこ!

元気かい?走り疲れたかな?


オマエがこれを読んでいるということは、

父さんの言いつけを、守らなかったってことだなぁ…

「ぱるこが素直な良い子になったら、

 ミツバチたちは、オマエを刺したりはしなくなるよ♪」

って、あれほど釘を刺しておいただろう?


目の前に、立派な樹が見えるかな?

この樹は、「ねむりあの樹」と呼ばれている。

…父さんが名付け、父さんしか知らないけどね(笑)


ところでぱるこ!

ハイミーは、どこに行ったかな?

ハイミーに仕返ししてやるんじゃなかったかい!?

父さんが、オマエの仕返しを助太刀してやろうと思ってさ♪


3メートルくらい離れて、ねむりあの樹の幹を、よーく眺めてみるんだ。

10分は、「にらめっこ」を続けてみておくれ?


…オマエは、

10分もじっとしていられない子だってこと、父さんは、よく知っているよ(笑)

それに、まだ1分しか経っていないのに、

「父さん、10分頑張ったよ!」

ってズル賢い演技をすることも、さ(笑)


さぁて…

今オマエの前には、ダマす相手もいないし、ズルをしたところで何の得もナイなぁ…?


…どうする?

何が起こるかわからないけれど、10分間、堪えてみるかい?

それとも、真っ暗闇の中を、家まで引き返すかい?


父さん、ついウッカリ言い忘れていたけれど、

この藪にヘビが出没するのは、陽が落ちてからのことだったよ(笑)

…というか、ヘビだけで済めばよいのだけれど…!?


-------------------------------------


 手紙は、ここで終わっていたよ。

 助太刀なのか嫌がらせなのか、さっぱりワカラナイじゃないか!!


 僕は、父さんには負けたくなかった。

 それに、「本当のバカ」の仲間入りも、したくなかった。

 何より、「勇者」になりかった。


 どうせもう、真っ暗さ。

 今引き返したって、10分後に引き返したって、大して違いはナイさ。


 僕は、樹の前であぐらをかいて、じーっとじーっと、幹をにらみつけた。


 アブが飛んできて、プンプンと騒がしい音を立てた。

 蚊が飛んできて、首筋やらクチビルやら、イヤラシイ場所ばっかり刺していった。

 他にも色んな虫が、僕の身体の周りを飛び回って、停まったり、刺したりしていった。

 ゴキブリくらいの大きさの虫が、首筋を這っていった。

 ウザくても、かゆくても、痛くても、眠くても、目を逸らしちゃいけないことは、解っていた。


 僕は、父さんには負けたくなかった。

 「本当のバカ」にはなりたくなかった。

 「勇者」になりかった。


『イーストエンドは西の果て』

最新記事

すべて表示

エピソード158『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード158 ドラゴンの姿のキキは世界樹の残骸の上にふわりと降り立った。 3人と馬をそっと地面に降ろす。 そしてすぐに10歳の少女の姿に戻った。 キ「ふぅ!みんなお疲れさん♪」 な「キキちゃぁーーーん!怖かったよぉぉ!!」 ななはキキに飛びついた。 キ「よしよし。よくやったねぇ」キキはななを優しく抱きしめ労った。 ゆ「キキちゃん強すぎ!」ゆなもキキを抱きしめる。 キ「へっへーん♪ だから言った

エピソード157『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード157 キキはジロっとエビルプリーストを睨みつけた。 キ「最後はみんなで戦いたいの。協力してくれる?」 3人は力強くうなずく。 キキの背後には、さっきの天使たちが光の粒の姿となってキラキラと輝いた。 キキは両手を構えて魔力を集中させる。 キ「山よ、海よ、花よ、宇宙の無数の精霊たち。そして新たな天使の友人たち。 精霊ルビスの御名の元、今こそ我に力を与(くみ)し賜え。 ただただ不届きものを滅

Comments


bottom of page