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54 慎さん

54 慎さん


…私は、

カモメか何かがキュルキュル鳴く声で、目が覚めた。


起きた瞬間、

「冒険」の全てが夢だったのかと、焦った。


…でも、そうでは無かった♪

なにしろ、

カモメか何かの声で目を覚ますということは、

家のベッドに縮こまっているワケでは、ナイのだ(笑)


ここまでの「冒険」の数々は、

全て、真実だった。現実だった。

なにしろなにしろ、

私のふくらはぎや太ももは、

容赦なく、「筋肉痛予備軍」だった(笑)



私は、

ゆっくりと、「松茸荘」に戻った。

道すがら、集落の中では、

ミニバスほどもある大きな荷馬車を見た。

立派な茶牛が、のそのそと力強く、観光客たちを率いていた。

これは、「偽(つく)られた、のどかさ」ではあったけれど、

それはそれで、風情があった。

同じような牛車が、幾つも、走って(歩いて)いた。


午前中は、

この島も、忙しいようだ。



宿に戻ると、12時の手前だった。


私は、三線のお兄さんに、自転車と鍵を返した。

彼は、

「有効活用してもらえて、良かった♪」

と、嬉しそうに微笑んでいた。自分は「借りた側」ではなく「貸した側」だというのに。

爪の先までぬかりなく、優しい人なのだ。


名前を尋ねると、

「慎一です。『慎さん』と呼ばれているよ。」

と、名乗ってくれた。

苗字は伏せるけれど、これは本名だ。

慎さんは、

竹富島には、何度も来ているらしかった。

これを読むヒトの中には、

彼の三線を耳にした人も、いるかもしれない。



私は、

「やりきった!」

という感覚があった。

私のドラマは、もう、

春風みたいなエンデンディグ・ロールが流れ始めて良さそうなモノだった。


…でも、

そうはいかなかった…!!



『星砂の招待状 -True Love-』

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