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6 嫉妬は誰のせい? 『トモコのセキララ恋愛講座』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月24日
  • 読了時間: 7分

6 嫉妬は誰のせい?

ちょっと、前の章のこと、補足しとくわね?

「尽くす恋愛」自体は、決して、悪くないのよ?

ただ、「尽くす相手」は、慎重に見極めなきゃダメねー!

稼ぎの悪いメンズでも、別にイイのよ。

とにかく、ギャンブルとかお酒とか快楽に溺れないメンズを、選ぶことよ。

タバコも、ダメねぇ。

タバコ吸う人間は、思いやりに欠けんのよ。

副流煙まき散らしといて、心が痛まないんですもの。


何にせよ、快楽に溺れてる男性は、セックスも積極的で上手な傾向にあるわ。

特に、恥ずかしがりで受け身な女の子にとっては、

ちょっとぐらい強引に押し倒してくれるメンズが、都合良かったりすんのよね。

でも、そういうメンズって、

自制心が低くて思いやりも薄いから、人間としてはダメねぇー。


尽くすなら、

夢に向かって頑張ってたり、ボランティアに命掛けてるようなメンズを、選ぶことねぇ。

尊敬できるメンズを彼氏に選ぶと、

セックス以外にも楽しいことがいっぱいあるわよ♪



それで、

3人目に紹介したいのは、また、「尽くしちゃん」タイプね。

2年生の頃の、ゆっこちゃんのクラスメイトよ。アヤメちゃんとかいったかしら。


「トモコさぁん。私、嫉妬深いジブンに泣きたくなるんですぅ。」

「ほうほう。嫉妬するっていうことは、モテモテな彼氏君なのかな?

 スゴイじゃなーい♪」

「彼、バンドマンなんです。ボーカルなんです。

 だから、ほかの女の子にもモテモテで…」

「モテモテって、そんなにファンの多いバンドなワケ?

 ファンが多いなら、私の耳にもウワサが入ってきそうなものだけど…」

「ファン、多くはナイと思います。

 ライブはいつも、お客さん10人くらいだから。

 でも、10人はみーんな女の子で、

 アヤ以外もみーんな、ボーカル目当てなんですよぉ!」


「『ボーカル目当て』って…

 お宅ら、音楽聴きに行ってんじゃないの?ホストクラブ気分なの?」

「音楽だって聴いてますよぉ。

 でも、ライブ後にお話するのが、楽しみなんですぅ。 

 わざわざアヤのところまで来て、あいさつしてくれたんですよぉ!

 それで、アンケート用紙にメルアド書いたら、

 わざわざアヤに、メールまでくれたんですぅ。」

「それ、ライブ告知でしょぉ?誰にでも送ってんのよぉ?同じ内容をさぁ。」

「ライブ告知じゃなくて、『学校どう?』とか『髪切ったね』とか、

 プライベートなことまで触れてくれるんですよぉ。

 私のこと、気になってるって言ってくれて…」


「それで、エッチしちゃったのぉ?」

「え?あ、はいぃぃ…」

「はぁあ。タメ息出ちゃうわねぇ。

 いまどきのコたちは、そんなのにもダマされちゃうワケ!?

 ファンのコ、たかだか10人でしょ?

 10人程度なら、顔も覚えられるし特徴も覚えられんのよぉ。

 それに、一人ひとりに個別なメールする余裕だって、あんのよぉ。

 それに、ファンのコみんなに『キミのこと気になってる』とかって

 曖昧なセリフ吐いたり、すんのよぉ。

 彼ら詩人なんだから、ほかのメンズが口にしないようなクサい言葉も、

 つらつらメールできちゃうの!」


「ヒドぉいトモコさん!

 じゃぁ、あっくんは私のことスキじゃないって言うんですかぁ!?」

「でしょうねぇ。残念だけどぉ。

 …まぁ、アヤちゃんのことスキはスキなんでしょうけど、

 ほかの9人のファンのことも、スキなんだろうなぁ。

 ヒドいって言われても、ズバズバ言うわよぉ私。

 これ以上あなたの傷口、広げたくないからさぁ。」

「私の傷口、広げまくりじゃないですかぁ!!」


「まぁまぁ、ちょっと深呼吸でもしなさいよぉ。

 アヤちゃんあなた、盲目しすぎてんのよぉ。

 冷静になって、私の言ったこと、思い返してごらんなさい?」

アヤちゃんは素直に、深呼吸を繰り返す。

私は、話を続ける。

「いい?

 バンドマンなんてたいてい、

 ヤリたくてしょうがないのよ。セックスしたくてたまらないの。

 相手なんて、誰でも良かったりするのよぉ。

 っていうか、経験人数の多さを競ってるようなバンドマンだって多いのよ?

 だからね、

 アンケート書いてくれた女のコは、みーんなターゲットなのよ。カモなの。

 みーんなに『気になってる』みたいなラブ・メールすんのよぉ。

 それで、1分ですぐに返信してきたようなコを、

 畳み掛けるように口説いたり、すんのよぉ。

 『今度、二人でカラオケ行こう』なんつってぇー。」


「えー!?なんで初デートがカラオケって解ったんですかぁ!?」

「そんなの察しがつくわよぉ。

 ミュージシャンなんだから、カラオケに行きゃぁカッコイイとこ見せられるでしょぉ?

 それでウットリさせちゃえば、

 カラオケの密室が、そのままラブホ代わりってワケぇ。

 安上がりなモンよねぇー。」

「…………。」


「ぜーんぶ、図星なんでしょぉ?

 アヤちゃん、それ、

 『愛されてる』んじゃなくて、

 典型的な、『つまみ食い』ってヤツよぉ。ご愁傷さまぁ。」

「でも、デートは1回だけじゃないんですよ?

 公園とかも行くし、錦糸町のマルイにお買い物もいったし…」

「いいじゃなーい♪

 じゃぁホントに、愛されてるのかもね!

 それなのに、何が不満なわけ?」

「…だって、

 彼、私と一緒にいても、しょっちゅうケータイメールしてるんです。

 それに、ライブ後も、

 私以外のコも駅まで送っていったりするし…」

「はぁあ。やっぱりプレイボーイなんじゃないのよぉ。」

「プレイボーイとかじゃなくって、

 『ライブ集客のためには、仕方ないんだ』って言うんですよぉ。」

「ほぉ?それもまぁ、間違ってはナイと思うわよぉ?

 いまどき、バンドマンなんてホスト稼業と大差ないのよぉ。

 女の子に『お愛想』使わないと、ファンなんて増えないのよ。

 …ハナシ戻すけど、

 でも、集客のための事務作業に過ぎないなら、問題ないんじゃなくて?」

「でもぉ…。不安なんですぅ。嫉妬しちゃうんですぅ。」

売り物の木彫りのキリンを掴んで、爪でカリカリやっている(笑)

本当に不安でしょうがないんでしょうねぇ。



「ところであなた、

 そのあっくんとやらと、付き合ってるのよね?」

「え?わたしたち、付き合ってないんですか!?」

「知らないわよぉそんなの。

 『契り』は?交わしたわけ?」

「契りって??」

「もぉー、世話のやける子ねぇ。

 『お付き合いしましょう』とかって、彼かアナタか、言ったの?

 それを受理したの?」

「ううん。そういうのは、言われてないです。」

「じゃぁ、付き合ってないんじゃないのよ!」

「でも、二人っきりでデートするんですよ?エッチもしたんですよ?

 会ってない日も、毎日メールくれますよ?」

「はぁあ。アタマ痛いわぁ。

 あなたの彼、10人のギャルに毎日メールするんでしょう?

 であれば、あなたと毎日メールしてるとしても、

 そんなの、『付き合ってる』の証拠にはなんないわよぉ。

 やっぱりあなた、『つまみ食い』なのよぉ。ご愁傷さまぁ。」

「えー!?そんなぁ。トモコさんひどぉい!!」


「ちょっとぉ!?ヒドいのは私じゃないでしょ!?彼よぉ。

 っていうか、別に、彼のせいだけってわけでも無いんじゃない?」

「えー!?私、完全に被害者じゃないですかぁ!?」

「そう?でもあなた、

 『お付き合いしましょう』の契りの前にセックス誘われて、

 それで同意したんでしょ?無理やり犯されたってわけでは、ないんでしょう?」

「無理やりでは、ないです。

 『しよっか?』って聞かれたから、『いいよ』って言いました。」

「ほらぁ。

 あなた、ちゃんと同意してるんじゃなーい。

 『お付き合い』の契りじゃなくて、『セフレ』の契りに同意しちゃってんのよぉ。」


「セフレ!?セフレなんてそんな、アヤ、マズいですよ!!」

「マズいって言ったって、アンタ、自分で選んだんじゃなーい!

 リクツ、わかってる??

 交際してない彼にセックス誘われて、それであなた、同意したのよ。

 そういうのを、『セ・フ・レ』って言うの。そうでしょ?」

「でも、アヤ、あっくんのことスキなんですよ!?」

「そうよぉ?スキって恋愛感情があるとしても、無いとしても、

 交際してないメンズとセックスするなら、『セフレ』って定義になるのよぉ。

 あなたもまた、無知なのねー!

 『いまどきの若い子は早熟』って聞いてるけど、

 恋愛年齢が早いってだけで、アタシらの頃より無知な気がするわぁー。」

…無知っていうか、まぁ、無知もあるけど、

 『自分が置かれてる状況を、客観視できてない』のよねぇ。

 彼が色んなコにメールしたりお愛想したりしてるのを、目撃してるんだから、

 『私に対するメールも笑顔も、お愛想なのね』って、察知できないもんかしら…。」

「うぅ…。あっくん、ヒドい人だったんだぁ…」



「そうねぇ。プレイボーイよねぇ。

 でもちょっと待って?

 セフレが悪ってわけではないし、あなたが被害者とも、言い切れないのよ?

 お互いが同意してんなら、セフレだって、1つの立派な恋愛形態よ。悪くないわ。

 それに、いい?

 あなたはあなたで、スポットライト浴びてるリトル・スターに恋して、

 それで彼とセックスできたわけでしょ?

 彼はあなたのものじゃないのに、一時でも、独占できたわけでしょ?

 それって、じゅうぶん利益あったんじゃない?イイ思いさせてもらったんじゃない?

 問題なのは、

 あなたが独占したがっちゃうことよ。

 スポットライト浴びてるメンズなんてのは、引く手数多なんだからさぁ。

 独占することなんて、出来やしないのよぉ。

 いい?

 リトル・スターに恋したいなら、それはそれでイイのよ。楽しい恋よ。

 けれども、独占は出来ないのよ。独占を願うのは、あなたのワガママよぉ。

 それは、わきまえておく必要があるわ。

 それで、セフレとかワンナイト・ラブとかそういうのがイヤっていうなら、

 人気者とセックスするのは、諦めることねぇ。

 それに、嫉妬や独占欲が強めだっていうなら、やっぱり、

 人気者とのセックスは、諦めることねぇ。」


『トモコのセキララ恋愛講座』

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