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7 トモコのこと 『トモコのセキララ恋愛講座』

7 トモコのこと

アヤちゃんは、「講座」の始終を、ゆっこちゃんに話したらしい。

するとゆっこちゃんは、素朴なギモンが生まれたらしい。


「トモコさん、どうしてバンドマンのこと詳しいんですかぁ?

 トモコさんもアヤみたく、オッカケしてたの??」

「あははは!逆よぉ!

 言ってなかったっけ?わたし昔、音楽やってたのよぉ。

 けっこう長いこと、10年くらい、ステージ立ってたわよぉ。

 それなりに進展もあったけど、でも、社長とケンカしてヤメちゃったわねぇ。」

「やっぱりそうだったんだー!!

 トモコさん美人だから、お水かタレントか、やってたのかなぁって思ってたぁ。」

「お水ってオイ!

 でも、お水に近いバイトも、してた時期あるけどねぇ。

 実家を追い出されて夢追うとなると、

 お金なくて仕事を選んでらんないときも、あるのよぉ。

 まぁでも、『お愛想』みたいの私、得意じゃないでしょ?

 だからお水も向いてなくて、すぐヤメちゃったけどぉ。」



「うーん。確かに、

 トモコさんが社長とかの前でキャピキャピしてるの、想像できない…」

「そうなのよー!

 音楽活動が頓挫(とんざ)したのも、まさに、それが原因だったりするのよねー。」

「どういうこと?ですかぁ?」

「私さぁ、生意気にも音楽に自信あったから、 

 『オンナ』を武器にしてのし上がるようなこと、抵抗あったのよねー。」

「オンナを武器に??」

「そうよぉ。

 拾ってくれたプロダクションの社長は、

 『もっと短いスカートをはけ』とか、『もっとセクシーな曲を書け』とか、

 『もっとお客にタッチしてこい』とか、言うわけよぉ。

 ラジオ局とかに営業周りするときも、

 短いスカートはかせようとするし、『胸ぐらいもませてやれ』とか言うしさぁ。

 私、そういうの耐えられなかったのよねー。

 『タレント』じゃなくて、『アーティスト』でありたかったし。」

「トモコさん、タレント並に美人だよー!?」

「そうよぉ♪…ナンチッテ。

 平均値より美人であるらしいことは、まぁ、自覚はしてるし、

 恵まれてるなぁとも思うけどさ?

 でも、『美人だから』って理由でファンが増えたって、嬉しくないのよ。

 私べつに、チヤホヤされたかったわけじゃないし、お金持ちを目指してたわけでもないし。

 純粋に、音楽で勝負したかったのよねぇ。」

昔のこと思い出して、懐かしくなっちゃったわぁ。


「『音楽で勝負』かぁ。」

「ラブソング自体、スキじゃなかったわぁ。

 巷のラブソングなんて、どれもこれも、ウサン臭いと思わない?

 『あなただけを愛してるぅ』なんて、思ってもないクセにさぁ。

 ファンが喜ぶから、そういう詞を書くのよぉ。ファンにコビ売るの。

 『会えない夜は、寂しくてぇ』なんて歌うと、メンズは喜ぶんだろうけど、

 私、寂しいなんてゼンゼン思わないし(笑)」

「そうなんですかぁ!?」

「そうよぉ。

 なぜか、女性シンガーは、ラブソングばっかり書かなきゃならない風習なのよねぇ。

 でも私、そんなにラブソング書けないし、書きたくないし。

 だから、

 親への感謝とか愛情みたいのを、恋愛ソングっぽくボカして書いたり、

 よくやったわぁ。」

「へぇー。恋愛女王かと思ってたのに、ラブソングがキライなんて…」

「『キライ』じゃないのよ?

 ただ、思ってもない言葉を並べ立てたりするようなのが、面白くないのよぉ。

 私はいつでも、本音でいたいの。」

 

『トモコのセキララ恋愛講座』

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