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7 光のみちしるべ 『イーストエンドは西の果て』

7 光のみちしるべ

 僕は、目を疑った…!!

 ねむりあの巨木が、ところどころ、淡く光り出したんだ!!!

 その光は、僕から逃げていこうとするミツバチの光に、とてもよく似ていた。青紫の光だった。…後で聞いた話だと、普通は、「藍色」と呼ぶらしいんだけどさ。

「これは、僕に対して、『光るコブをたどって、登れ』と言ってるのかな…??」

 木登りはニガテじゃナイし、嫌いでもナイけれど、この巨木を登るのは、とうていバカげてると思った。

 けれど、光ってるコブを観察してみると、このコブを上手くたどれば、登れそうな気が、しなくもなかった。


 僕は、まずは立ち上がって、シビれてヨレヨレになった身体を立て直した。背伸びをして、屈伸をして、「その場かけ足」をした。

 …フシギと、疲れはあんまり感じてなかった。「ランナーズハイ」とかいうのと、同じような原理かな??

 なにしろ僕は、とんでもなくコーフンしてた!!!

 昨日の昼下がりに、ミツバチの仕事をサボってラスボスのダンジョンに突入した時も、かなりコーフンしてたけど、

この時のコーフンは、ソレとは比べ物にならなかった!!!

 リアルでの冒険は、テレビゲームの中の冒険とは、比べ物にならないのさ♪♪♪


 僕は、一番低いところに視えている、「光るコブ」に足を掛けた。そこから3つ上と4つ上の「光るコブ」に、右手と左手を、それぞれに掛けた。

「登れそうだ!」少し希望が湧いてきた。

 3つ4つ、「光るコブ」を登ってみた。なんだか、楽しくなってきた♪


 僕は、珍しく、父さんに感謝のキモチを感じた…

 もし父さんが、大都会の真ん中に家を構えて、僕のことを木登り知らずな子どもに育てていたなら、僕はこの大樹を登ることなんて、出来なかっただろうさ。…たとえコブが光っていたとしても、さ?


 僕は、「光のみちしるべ」に従って、ゆっくり、ゆっくり、登っていった。


 僕は、色んなことを思い出したよ…

 「天空の城」に潜入して、樹の根っこを伝って悪の親玉をやっつける少年の映画を、思い出した。

 僕は今、あの少年とオンナジことをしていた!あの少年は、勇敢で、カッコ良かった!!


 僕は、色んなことを思い出したよ…

 空の彼方までそびえ立つ塔に、自力で登っていく少年のマンガを、思い出した。

 僕は今、あの宇宙人とオンナジことをしていた!あの宇宙人は、素直で強くて、カッコ良かった!!


 僕は、色んなことを思い出したよ…

 ドラゴンの神様の住む城に行くために、「世界樹」を登っていくRPGを、思い出した。

 あの勇者は、何でも出来て、カッコ良かった!!僕は今、あの勇者とオンナジことをしていた!!!!

 …いや!あの勇者は、立派な剣と仲間を持っていたんだった!けれど、僕なんか1人っきりだし、「はやぶさの剣」だって樹の下に置いてきたまんまさ!!

 …ひょっとして僕、あの勇者より、スゴい!!??


『イーストエンドは西の果て』

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