８ テキトーなタクシー…

８　テキトーなタクシー…

　こんなにふうに、

稚拙な英語で交通手段やなんかを尋ねて、

「あーでもナイ、こーでもナイ」って苦心しながら情報入手していく作業は、

とっても大変だけど、とっても面白かった！！！

　コレはまさに、

町のヒトたちから情報を入手して、また新しい町へとさすらって行くＲＰＧの勇者と、

とても良く似ていると思った！

　つまり、

「実写版ＲＰＧ」が、幕を開けたんだー！！！

　僕は、リュックをお腹に抱っこしながら、

タクシーの窓から町並みを眺めていた。

　昨夜あの宿に向かった時とは、まるで別の街であるかのように、

賑わい、騒がしかった。

　…実は、

排気ガス臭いのは、この街も、変わらなかった（笑）

　いや、この街のほうが、東京よりももっと、排気ガス臭いと思うよ（笑）

　発展途上国でもさ、

国際空港があるような、首都や大都市は、

とても発展していて、ビルや車が、多いのさ！

　宿のお兄ちゃんが書いてくれた、「JAPANESE EMBASSY」のメモを見せたから、

タクシーは、領事館に到着するハズだった。

　…けれど、「着いたよ♪」と言われて降りた場所には、

３６０度、オマケに、上も下も見渡そうとも、

日本領事館など、存在しなかった（笑）

　僕は、道を行き交うヒトや、露店を出しているヒトやなんかに、

次々と、「JAPANESE EMBASSY」のメモを見せ、道を尋ねた。

　たいていみんな、

声を掛ければ、ムシもせず、イヤな顔もせず、

熱心に、気さくに、答えてくれた…♪

　…けど、

言われた通りに、いっくら歩いても、

同じ場所をぐるぐる周るだけだった（笑）

　…彼らは、別に、

僕にイジワルしてるワケじゃ、ナイんだよ？

　みんなそろって、「カンチガイ」してんだよ（笑）

　「JAPANESE EMBASSY」が何なのか、

ほとんどのジモティーたちは、解ってナイんだ（笑）

　タクシーを降りてから、

１時間も歩き回って、ようやく、

「JAPANESE EMBASSY」と書かれた建物を、発見した！！

　…でも、

その日はどうやら日曜日だったらしく、

お役所は、開いていなかった（笑）

　がびーーーーん！！

　笑い飛ばすしか、無かった（笑）

『永遠の楽園』