top of page

9 ウサン臭いのは、承知の上…

9 ウサン臭いのは、承知の上…


 …ところでキミ、

「ガイドブックはどーしたのよ!?」って、思った??

 いやぁー優秀だなぁ、キミは♪


 実は僕さぁ、

「旅」というモノについて、ほとんど何も、リサーチしてこなかったんだよ(笑)

 フツウ、

今の僕みたいに、航空券だけ買ってアチコチ自分で周る「旅人」は、

「地○の歩き方」みたいな詳細なガイドブックを、携えてさすらうモンなんだけどさ?

 僕、そんなガイドブックのことすら知らなかったから、

何の情報も持たずに、旅してたんだ(笑)

 今思えば、

ずいぶんと危なっかしい、難易度の高い、「初放浪」だったと思うよ(笑)



 …で、ナンだっけ?領事館が、閉まってたんだっけかぁ。

 仕方ないから、

他のことで時間を潰そうと思って、とぼとぼと歩き出したらさぁ、

不意に、日本語で声を掛けられたんだよ!


「オニーサン!コンニチワ!!

 今日ノ宿、 決マリマシタカ??」

「え!?宿??

 そういえば、さっきの宿はもう、チェックアウトしてきちゃったし…

 どっか観光するにしても、重い荷物を置きたいよなぁ。

 おっちゃん、宿の人なの??」

「What's!? ナニ??」

 …この、加藤茶みたいな顔した背の低いおっちゃん、

最低限の「商売用日本語」しか知らないモンだから、

僕がベラベラ日本語で喋ると、もう、お手上げなんだよ(笑)


 とにかく、僕も宿を決めたいし、

宿に関する情報を何一つ持ってナイもんだから、

この「カトちゃん」と、交渉してみることに、したんだ。

 …ウサン臭いのは、承知の上で、さ(笑)


 そしたら、

ここから歩いてスグのところで、

1泊10ドルの宿があるって言うんだよ!!

 昨日泊まった宿とオンナジような市街地にあって、値段が1/3なんてのは、

条件が良すぎるように、思えた。


 僕は、

「とりあえず宿や部屋を見せてもらって、それから決めてもイイか?」

 って、尋ねてみた。

「完全なボッタクリ商売人なら、

 宿の内装も見せずに、先にお金だけ取っても、おかしくナイ」

と、思ったからさ?


 彼に着いて歩いてみると、

「スグそこ」と言っていた割に、5分以上、歩かされた(笑)

 すでに、あちこち角を曲がってしまったから、

もう、さっきの「JAPANESE EMBASSY」までは、

自力では、戻れそうも無かった。

 大通りから横道に入って、だんだん、閑散としてきた。

「…マズいぞ!?

 これで、袋小路とかに連れて行かれて、

カツアゲでもされたら、どーーーしよう!?」

 僕の予感は、的中…


 …しなかった!!!


 カトちゃんは、

ある1軒の、粗末な雑居ビルの前で、止まった。

「シングル、10ドルね♪」満面の笑みを浮かべて言った。。

「コレ、ホテルなの!?」

 僕の先入観からすると、

ソレは、およそ、ホテルらしからぬ建物だった!

 細長い、5階建てくらいの雑居ビルで、

新宿なんかで言うと、

ウサン臭い整体院とか占い屋とかが、詰め込まれているような建物だった。

 1階は、開け放しなのだけれど、

中はほとんど真っ暗で、何屋なんだか、わからないカンジだった。


 …この辺の地域では、

銀行とかの、よっぽど金持ちな会社でナイ限り、

ドアを閉めてエアコンを効かせたり照明を点けたりは、しないのさ。

 庶民的な店は、どこも、

この雑居ビルと同じように、

1階の正面はくり貫いて開け放し、風を通してる。

 灯りも、昼間は太陽光に頼るんだよ。



 とりあえず、建物の奥に入ってみると、

本当に、宿のカウンターらしきモノが、あった!

 SINGLE:$10

 DOUBLE:$15

 とか書かれた三角表札が、置かれていた。

 カトちゃんが言ってた通りの値段だった。


 カウンターの奥には、

無口そうなベトナム人女性が、のほほんと座っていた(笑)

 ただの普段着だし、接客しようという気構えも、まるでナイ(笑)


 僕は、「まず、部屋を見せてくれ」と頼んだ。

「プリーズ ショウ ミー ルーム!」

 くらいの英語なら、僕でもかろうじて、言えた。

 中学校できちんと英語勉強しといて、良かったー♪


 …今、改めて、カナカナで書き起こしてみると、

前置詞が抜けていることに気付いたけれど、

ハッキリ言って、

僕は、これまでの旅の中で、

「前置詞の不備」によって困ったり、笑われたりした経験は、

ただの1度も、ナイよ!!(笑)

 中学校できちんと英語勉強し過ぎなくて、良かったー♪


 彼女は、僕を、3階の一室へと案内した。

 エレベーターなんてモノはあるハズもなく、

重たいリュックを持ってくれたりするハズも、無かった(笑)


 通された部屋を見て、僕は、ビックリした!!!



『永遠の楽園』

最新記事

すべて表示

エピソード158『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード158 ドラゴンの姿のキキは世界樹の残骸の上にふわりと降り立った。 3人と馬をそっと地面に降ろす。 そしてすぐに10歳の少女の姿に戻った。 キ「ふぅ!みんなお疲れさん♪」 な「キキちゃぁーーーん!怖かったよぉぉ!!」 ななはキキに飛びついた。 キ「よしよし。よくやったねぇ」キキはななを優しく抱きしめ労った。 ゆ「キキちゃん強すぎ!」ゆなもキキを抱きしめる。 キ「へっへーん♪ だから言った

エピソード157『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード157 キキはジロっとエビルプリーストを睨みつけた。 キ「最後はみんなで戦いたいの。協力してくれる?」 3人は力強くうなずく。 キキの背後には、さっきの天使たちが光の粒の姿となってキラキラと輝いた。 キキは両手を構えて魔力を集中させる。 キ「山よ、海よ、花よ、宇宙の無数の精霊たち。そして新たな天使の友人たち。 精霊ルビスの御名の元、今こそ我に力を与(くみ)し賜え。 ただただ不届きものを滅

Comentarios


bottom of page