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9 自分で決めてイイんだからね♪ 『世界一大きなおもちゃばこ』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月16日
  • 読了時間: 3分

9 自分で決めてイイんだからね♪

6月までは、るなも、がんばったよ?

泣いても泣いても、がんばったよ?

でもね、

やっぱりね、つらかったの…。


7月1日になったら、

るな、声が出なくなっちゃったのー!!!

最初は、

「声が出ない」っていうことも、わかってもらえなくて、

「ムスっとするな!!」とか、「ムシするな!!」とか、

「ふざけるのはやめなさい!!」

とか、パパにいっぱい、おこられちゃった…。


るな、悲しくなって、つらくなって、わんわん泣きたかったんだけど、

涙はぼろぼろ出てくるのに、声はやっぱり、出なかったの…。



声が出ないことに気づいてくれたのも、

やっぱり、ママだったんだよ♪


ママは、るなのことぎゅーーって抱きしめて、

「つらかったねぇ、よくがんばったねぇ。

 もう、ムリしなくていいからね?」

って、優しく、助けてくれたの。


それで、パパとか先生とかに、

「ストレスで声が出なくなってしまいましたから、

 しばらく、家庭でようすを見ます!!」

って、ピシャ!!っと言って、

学校に行かなくてもイイように、してくれたんだよ♪



…でも、ママは、

「学校には行かなくても、お勉強は、やろうね♪」

って言って、毎日、お家でお勉強を教えてくれたの。

ママ、お勉強も、なーんでも知ってたよ♪

「学校の先生をやればいいのに…」

って、るな、思ったんだぁ。



るな、学校に行かなくなって、

悲しいことや苦しいことは、少なくなったんだけど、

声が出ないのは、治らなかったの。

1週間たっても、2週間たっても、治らなかったの。


るな、

ママにコッソリ、「本当のこと」を、つたえたの。

「パパと、はなれてくらしたいなぁ…。」


ママは、

「うーん、むずかしいなぁ…

 何か、方法をかんがえてみるね♪」

って、約束してくれたの!



…それで、3日くらい過ぎてから、

「るなー!!めいあんがあったよ♪」

って、目をかがやかせて、るなのほっぺをグリグリしてくれたの!

るなが、

「なぁに?」っていうイミで、くびをかしげたら、

ママ、アイデアを教えてくれたの!!


「るな、沖縄は知ってるよね?

 南のほうの、海のきれいな、あたたかーい島だよ?

 その、沖縄の、さらに小さい島で、

 『久高島』っていうのが、あるんだけどね?


 そこで、

 るなみたいに、学校が合わない子たちが、楽しくすごせる場所が、

 あるんだって♪

 どう?興味ある??」

るなは、『もちろん♪』ってイミを込めて、

両手をぴーーんと、バンザイしたの!!


それで、続けて、

「ママは??」って、口をぱくぱく動かしたの。

「うーん…。

 ママは、ばぁばのお世話もあるから、

 るなといっしょに行くのは、ムリかもしれない…。

 ひとりぼっちでも、それでも、行ける??

 ママとはなれても、だいじょうぶ??」



るな、とっても困っちゃった…。

だって、るな、

ママ以外に、「大スキ!」って思える大人のヒトって、いなかったし…

学校に行かなくてイイのはうれしいし、

パパとはなれられるのも、うれしいけど…


ママは、

「るなが、自分で決めてイイんだからね♪」

って、いつもの優しい笑顔で、言ってくれたの。



るな、

うーん、うーん、って、布団の中で、ずーーっと考えたよ。

考えてるうちに、いつの間にか、寝ちゃってた。

その夜、夢を見たんだぁ…


『世界一大きなおもちゃばこ』

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