えぴそーど107
リビングに下りるといい匂いがする。
ブルーベリーのパイとカフェオレが4人を待ち構えていた。
カ「いい匂い♪」
ヒ「これママの手作りじゃないの!?(*'▽')」
マ「そうよ。お口に合えばいいのだけれど」
ヒ「いくらなの?宿代が安いとご飯でボッタクるホテルとかあるんだよ」
マ「おっほっほ!いくらもないのよ。これはサービスなの」
ヒ「ママ太っぱらぁ!」
マ「そうなのよ。お腹ばかり大きくなっちゃったわ。
お菓子ばっかりもてなしてるのも考え物ね!
昔はフリーレンくらいスリムだったんですけどね。おほほ。誰も信じてくれないのよ!」
ヒ「ママ、なんかイイね( ˊᵕˋ* )」
マ「おっほっほ!そう?どうもありがとう。
でもパパはもっといい人なのよ♡」
ヒナタたちはブルーベリーパイを食べ始める」
ヒ「パパは冒険に行ったままパチンコ屋じゃないの?」
マ「おっほっほ。そんなことはないのよ。
この安いホームステイはね、もともとパパの考えではじめたのよ」
ヒ「そうなの?」
マ「そう。パパは昔、冒険家だったの。
魔王を倒すとかっていうんじゃないのよ?フィラドンに騎士文化はないの。
あちこち世界を旅して、いろんなものを見て帰ってきたの。
それで世界中でいろんな人にお世話になったんですって。
そしたら旅人を、安い値段で泊めてあげたいって思ったんですって。
私、そんなパパのお話を聞いて彼にホレてしまったのよ♪それでお手伝いすることにしたの」
ヒ「ママ、変わり者なの?」
マ「おっほっほ!そうね。ちょっとは自信あるのよ♪
ところで、あなたはお名前なんていうの?」
ヒ「影山ヒナタ15歳。
好きな食べ物はビーフシチュー。嫌いな食べ物はハヤシライス」
カ「あんたハヤシライスもよくおかわりしてんじゃないのよ」
マ「おっほっほ!あなたも変わり者じゃない♡」
ヒ「いやぁそれほどでもないよ( ˊᵕˋ* )」
マ「おうちの中にあるもの、好きに触って遊んでいいんですからね。
ピアノも本もハンモックも、好きにしていいのよ。パパがどっかから持ってきたんだから。みんなが楽しめるようにってね♪
あとはキッチンも自由に使っていいのよ」
たしかに、リビングや廊下にはいろんなものが転がっている。
言われる前から、ヒナタはリビングのハンモックに寝そべって揺れていたのだった。
それぞれに、のんびりと昼下がりをくつろいだ。
ママは庭に出てガーデニングをしている。
おとぎ話のような家のまどろみから、最初に動き出したのはセナだった。
セ「ママ、チョコレートってどうやってつくるの??」
ミ「チョコレート?それはカカオの原料とか必要で、作るの大変よ?」
セ「えぇ?バレンタインのときみんな、ハートのチョコつくってる」
ミ「あぁ、それなら簡単よ。
ハートの型にチョコを溶かして固めるだけなの」
セ「セナ、ハートのチョコつくる!」
ミ「えぇ?どうしたの急に!」
セ「そ、それは(汗)」