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episode40 『王と悟り』
episode40 マーニャ マーニャと走る馬車の上だ。テムール川への行脚は順調に進んでいる。 ソ「まだまだ聞いてもいいですか?」 マ「え?いいよ」マーニャにとってもこの会話は面白かった。とても。相手がどういう相槌を打ち、どういう見解を挟み、どういう表情でいてくれるか。何を笑ってくれるのか。何を許してくれるのか。同じような話題をしていても、相手の反応によって面白さの度合いは変わってくるのだ。マーニャにとってソロは、良い聞き手だった。 ソ「マーニャのママは、なんでさすらってたんでしょう?どこかペトラ遺跡とか、行きたい場所があったんですかね?」 マ「うーん、ママのママもジプシーだった、ていうのが一番大きい理由かなとは思うよ。旅行とはちょっと違うんだ。どこに何があるか知らないし。昔はなおさらそういう情報なかったし。 1つの所に留まらずに生きていたい、そうする以外にない、て人たちがジプシーやってる。 ママがそう育って、自分も辞めたくなかったからあたいを産んでもジプシーやってた。でもだんだん感じ方が変わったんだろうね。魔法学校に入れたりしたのはね。..


ラノベ『王と悟り』もくじ
キャラデザ&表紙は絵夢さん♪背景地図はえみこさん♪ 2026年8月13日ぐらい、新作ラノベ公開!(*'▽') 前作とは雰囲気をがらりと変えて、男の子が主人公の壮大な冒険物語! キャラクターデザインは絵夢さんが、とてもたくさんのキャラを丁寧に描きだしてくださいました♪『天空の城』と同じ絵夢さんです! 絵夢さんデザインのたくさんの可愛い女の子も、お楽しみポイントの1つ(*'▽') また、私が世界放浪で撮りためてきた写真もお楽しみください(^_-)-☆ 画像生成AIじゃないぞ(≧∇≦) 今作は連載方式!毎日最新話が更新♪ 今作では一度に全話を公開せず、毎日1episodeずつ更新していく形を試みます^^ 夜更かししすぎないようにね(≧∇≦) また明日も見に来てね♪ まえがき 第1章 自由の身 プロローグ1~episode1 episode2 episode3 episode4 episode5 episode6 episode7 episode8 episode9 episode10 episode11 episode12 episode13 epis


episode39 『王と悟り』
episode39 マーニャ カッカッカッカッカッカ・・・馬車は小気味よく走っていく。 ソ「メトン川のあたりの素朴な人たちは、セックスに中毒している気配もありませんでしたよ。一部を除いては」 マ「快楽としてのセックスをまだ知らないんだろうよ。子供を生むためのセックスしか知らない文化なんじゃないか?」 ソ「そうかもしれないです」 マ「この街とか、先進国はどこでもそうだけどさ。快楽としてのセックスを知ってしまったらもう禁止は無理だと思うよ。禁止!って言っても隠れて悪さするだけさ。それより『上手にやんなさい』って言わないと」 ソ「そうですね」その通りのような気がする。 マ「ママはそれを教えてくれたってワケさ」 ソ「へぇ」ママはもう死んでしまったのだろうか。 色々と話を聞きたいが、優先順位がある。 ソ「テムール川?でしたっけ。川までどれくらいかかるんでしょうかね?」 マ「2日くらいかかるよ」 ソ「そんなに遠いんだ!」 マ「馬車で2日だろう。歩いたら5日かな。アンタ馬車をヒッチハイクして正解だったと思うぜ?はっはは」 ソ「良かったぁ!ツイてました」...


episode38 『王と悟り』
episode38 翌朝はなぜか、4時頃にはもう目が覚めた。 こんな時間ではサービスの朝食はまだ貰えないが、身支度をしてもう出ることにした。 例の川の様子が見たい。 大聖堂のある広場の前を通る。 おや?街はまだ眠り、とても閑散としているのに、広場の隅にポツンと変なものがある。 馬車か。荷台に屋根のついた幌馬車だ。やたら装飾が施されていて、まるで教会の中のように芸術的だ。 挿絵 by 生成AI ソロは興味を惹かれて、馬車に近寄ってみる。あわよくばテムール川の方面に向かったりしないだろうか。たまには同乗させてもらうのも良いはずだ。 ソ「女性だ」 近寄ってみると、髪の長い、スカートの裾の長い18才くらいの女性が、馬車の走り支度などしている。 ●マーニャ マーニャ キャラデザ by 絵夢さん 年齢:17歳 誕生日:3月13日 身長:162cm ソ「これ、馬車ですよね」 女「うん?あぁ、そうだよ」 ソ「幌馬車というやつでしょうか。こんなのあったら長旅もはかどりますね!」 女「幌馬車というか、家馬車だな」長い髪に反して、少々ぶっきらぼうな話し方をするらしい。


episode37 『王と悟り』
episode37 遠まわしなナンパばかりだ。この街はあまり長居せずに出よう。 しかし今日はもう夜になる。宿に戻って夕食を摂った。 夜も食堂は賑わっている。その様子をぼーっと眺めていた。 よく見ればここもまた、宿泊している冒険者が近所の僧侶を口説いたりしている。 男「それがさぁ、べっぴんだと思って声かけた女がよ?なんと2日前にナンパした巨乳ちゃんだったんだよ!がっはっは傑作だろ?」 口説く男も男だが、口説かれる女も女だ。 カルベローナの里のターニアは「魔法使いの女は意外と男好きだ」と言っていた。カルベローナの血を継いでいない女もそうなのか。そして僧侶の女たちもそうなのか。こんな男に口説かれて嬉しいのかなと首をかしげたくなるが、色々な思惑があるのだろうか。それともまだ若くて、男の良し悪しがわかっていないのだろうか。 誰も世界を善くする気などなく、恋愛か金ヅルのために動いているように見える。 僧「あらお兄さん、見ない顔じゃなーい?」 女のほうから声を掛けてきた。僧侶のように見える。冒険者を漁っている、地元の僧侶? ミユ キャラデザ by 生成AI..


episode36 『王と悟り』
episode36 教会の前に広場があるのは良いことだ。 教会に赴いても気分が良くならないことがあるとき、広場の路上ミュージシャンが神父の代わりに心を癒してくれることがある。・・・とソロは感じる。 音を、音楽をどう感じるかは個人差が大きい。雑音や雑踏としか捉えていない人もいて、メロディーやハーモニーや音色の美しさにヨダレが垂れる人もいる。 広場には、クラリネットを吹く若い女性がいた。まだ14~5歳と思われる。学校はどうしたのだ?と心配になる年の頃だ。 小さな台の上に立って感情的にメロウな曲を吹き、そして台の前に楽器ケースを開いたまま置いている。このケースは、「チップを頂戴」という意味だ。 マリカ キャラデザ by 生成AI 学校に行くのをやめて、音楽でもう勝負して生きたい!という少女なのだろう。ソロはこういう子を応援したくなる。 しかし本人の奮闘虚しく、ケースにはあまりチップが入っていない。 選曲のセンスは良い、と感じる。しかし高音の抜けが悪い。 雑踏に負けないように響かせたいゆえに高音域の多い曲を選んでいるが、それを吹き切れていない。指使いは器


episode4 『王と悟り』
episode4 主人公のソロ 早朝。乗客の多くがまだすやすやと寝静まる頃、船は西の大陸の端くれに着岸した。とても小さな港町だ。 ソロの故郷カレンから南に下ってきた。豪華客船はここで幾らかの客を降ろしたあと、進路を直角に、東に変える。そして東の大陸を目指すのだった。同じ船が、西の大陸にも東の大陸にも行くのだ。 挿絵 by 生成AI 空はまだ明けやらぬ、ナイーヴな色をしていた。風はまだ起きておらず、港は静かで、カラスか何かだけがカーカーとまばらに鳴いている。 人の足音はそのすべてが聞こえるが、数十人がソロと一緒にここで降りたようだった。 木の古びた桟橋を歩いていくと、検問所のようなものがある。そこで乗客は立ち止まり、列が生じている。検問を受けるようだ。 外国に来たぞ!大丈夫だろうか?検問なんていうのはドキドキする。 ソロの番になる。 兵「どこから乗ったね?」 ソ「カレンからです」 兵「西の大陸は?初めてかい?」 ソ「えぇ、外国すら初めてのことで」 兵「剣や槍か、君は武器を持っていないね?」 ソ「もちろんです!大丈夫ですよ」 兵「いや大丈夫じゃないよ


episode35 『王と悟り』
episode35 規模の大きな宿だった。 1階はとても広いロビーで、食堂やバーを兼ねている。宿泊客だけでなく部外者も飲食可能なようで、つまり宿泊者と住民が交流できる仕組みになっている。それゆえに賑わっており、それゆえに騒がしい。 何か喋ってみようと、ソロは前向きに考えた。 隣のテーブルの戦士っぽい男に声を掛ける。 ソ「それ、カッコイイ武器ですね!」 戦「はっはっは、いいだろう! 《炎の剣》だぜ!昨日手に入れたばっかなんだ。 この街は物価も高いが金策がはかどるからなぁ」 ソ「すごいなぁ、ホントにカッコいい。それ、幾らくらいするんですか?」 戦「8,800ゴールドだ。スゴイだろ!」 ソ「すごい!」 戦「兄ちゃんは?どっから来たんだ?」 ソ「こないだは山のとこの洞窟に潜ってましたよ。宝箱開けたら《青銅の剣》を見つけました!」 戦「はぁ?おまえ《青銅の剣》ごときで喜んでんのかよ!貧乏だなぁおい!」 明らかに口が悪い。が、気にしないように努める。 ソ「あはは貧乏なんですよ~」 戦「じゃぁウマいハナシがあるぜ!おまえも橋の工事のバイトやったらいい!日給5


episode34 『王と悟り』
episode34 魔法学校を発ち、新しい地に足を踏み入れる。 ひょっとしてまた魔物が強くなるのかな?と洞窟での苦戦を思い出して緊張したが、そんなことはなかった。つちわらしが出て、いっかくうさぎが出る。それが集団で出現しても、チェーンクロスの広範囲な攻撃によってサクサクと討伐は進む。 食べ物の手持ちがなく、野宿の準備をしていないがゆえの困難はあった。道は過酷ではないが距離は長い。 こちらへ向かって馬車が走っていくのを見かける。たとえばカルベローナ魔法学校に入学する子供は、この先にある街から馬車を雇ってそこにゆくのだろう。 3日間の汗を流して、ソロはサマンオサという大きな街に到着した。海が近く、また新しい匂いがする。 サマンオサ城下町 挿絵 by 生成AI 大きな街だ。街の中心は丘のように盛り上がっていて、てっぺんに城が見える。城下町であるが、城壁街ではない。あまりに街が大きすぎて、壁で囲うことが困難なのだろう。色々な形の街があるものだ。 「余所者か」と誰かが声を掛けてきたりもしない。もはや人が多すぎて、すれ違う人が多すぎて、およそすべての他者が余


episode3 『王と悟り』
episode3 クレア ク「えぇと、地下3階、地下3階・・・」クレアはソロとまた話がしたいと考え、地下3階へと降りていった。 ク「1つしか部屋がないってどういうことなのかしら?スイートルームよりもっと高級なスイートルームが隠されているのかしら!」冒険者だとか考古学者なら、すごいお金持ちということだってあり得る。 しかし豪華客船は、階段を降りるほどに薄暗くなり、みすぼらしくなっていった。 ク「スイートがあるとは思えないわねぇ。じゃぁ彼は船の乗組員?」 そして地下3階に降りてみると・・・ ク「まぁ!」クレアは言葉を失う。 そこには、たしかに「1つの部屋」しかないのだった。いいや、1つの部屋もない。広大なフロアにはたくさんのマットレスが並んでいるだけだ。そのプライバシーの欠片もない粗雑な空間の中で、貧しそうな人々が各々に就寝の準備をしたり、世間話をしているのだった。 ク「うぷ」少々の妙な臭いが鼻をつく。 何十人、ひょっとすれば100人以上が所狭しと並んでいる。目つきの悪い人もいる。清潔でなさそうな人もいる。真っ白いガウン一枚のクレアのことを、あからさ
episode33 『王と悟り』
episode33 3時間ほど眠ったらしかった。ソロには時間の長さはわからない。 目が覚めても真っ暗だが、洞窟の中にいることを思い出す。 ソ「うう」体はあちこち痛いが、動ける。 《たいまつ》はもう消えている。 ソ「《レミーラ》!」ソロは明かりを灯す魔法を唱えてみた。 ぼぅっ! なんとソロの周囲は確かな明かりに包まれた。 ソ「出来ちゃった!」自分で自分に驚く。 ターニアの娘の温もりを、ソロはもう忘れてしまっていた。しかしそれが彼を救った。 ソロはよろよろと立ち上がった。 もう少し先に進もう。何かのゴールがあるはずだ。宝物ではないのか?少しワクワクしながら。 次第に、洞窟は突き当りに達するのだった。 しかし、《レミーラ》の灯りはそこに石碑があることを示した。 ソ「なんだこりゃ!」ソロは駆け寄って、石碑の文字を眺める。 最高の恋に憧れますか?メラミを覚えて浮き足立った魔女の少女よ。 それなら勇者を探しなさい。 勇者様のお役に立ちなさい。 商人ではありません。勇者様です。 あなたの類稀なる魔力は何のためにあると思いますか? お金儲けのためでは


episode32 『王と悟り』
episode32 挿絵 by 生成AI 徘徊は2時間を過ぎた。 《たいまつ》を掲げながら大きな緩いカーブを曲がる。 すると! キキキキキキー!! バサバサバサバサ!!! ソ「あのコウモリか!」応戦できる。と平静を取り戻す。 シュルルルルルル!勇ましく《チェーンクロス》を振るう! ひらり!ひらり!敵は素早く身をかわした! ソ「なに!?」これまではそう空振りすることもなかったのに?この辺りは心なしか天井が高いか。滑空範囲が広いので逃げやすいのか?とソロは思った。 しかし! 「《マヌーサ》!!」なんと敵は魔法を唱えてきた! 灰色のモヤが辺りを覆う!敵の姿が見えにくい!かと思ったら異様に多くの敵が見えたりする! ソ「幻影か!」まやかしを見せる魔法などあると、どこかの冒険者が言っていたぞ。 シュルルルルルル! シュルルルルルル! えぇい数撃ちゃ当たる!ソロは怯むことなくチェーンクロスを振り回した。 ピシ!ピシピシ!少しは当たっているようだが致命傷に至っていない!? キキキキキキー!! バサバサバサバサ!!! 敵の攻撃はこちらの体力を確実に削っていく!..


episode31 『王と悟り』
episode31 行かずにはいられない。とソロは思った。 ワクワクする。ハラハラする。試練の洞窟なんてものに遭遇するとは!各地の民族は、「大人の仲間入りを果たすために高い木に登って鷲の卵をとってくる」などといった通過儀礼を持っていたりするが、それに似たようなものだろうか。 そうだ。きっと洞窟の奥に魔法の小瓶でもあったりするのだろう。 ノーラは「普通は15歳で一人前になる」というようなことを言っていた。つまり15歳程度まで通うのだろう。つまり15歳の女の子たちが行う試練だ。 道中の魔物はまた種類が変わった。山の中より幾分弱い気がする。このまま進めそうだ。 そう思った矢先、小さな立札を見つける。 「この先試練の洞窟 レベル15推奨! 引き返しなさい!!」 ソ「レベル15・・・!?」 急転直下で青ざめる。たしか、みならいあくまを倒せてもレベル10なのではなかったか!? 大丈夫なのだろうか?しかし、ここまで来て引き返したくはない。 そして寂しい畦道を歩いていくと、洞窟が姿を現すのだった。 ソ「こんにちは・・・」まさか誰かが「いらっしゃい」と出迎えて


episode6 『王と悟り』
episode6 トルネコ 荷馬車はいなくなった。まだ町は見えていないのだった。 ソ「ふう。結構歩きそうですね」 ト「そうだ。10回は魔物と戦っておきたいからなぁ」 ソ「そんなに!?魔物ってそんなに出るのですか?」 ト「出るよ。地域によってはね。 大丈夫さ。君が戦いに慣れるまではそばに居てやろうってことなんだから」 ソ「よーうし!」ソロは気合を入れると、《銅の剣》を両手でぎゅっと握って構えた。 ト「わっはっは!まだ臨戦態勢には早いな! でもすぐに剣を構える覚悟はしておくんだ。 そうだなぁ。ちょっとエサでも撒いてみるか」 トルネコはそう言うと、干し肉か何かを千切ってぽいと放り投げるのだった。 すると、案の定だ! 「キキー!!」 3匹のいっかくうさぎが現れた!立派な角を持った、うさぎにしてはやたらと大きな獣だ。 いっかくうさぎ ト「おぉ、初めての戦にちょうどいいんじゃないか? ほれ、戦ってみたまえよ」 ソ「やぁー!」ソロは勇ましくいっかくうさぎに斬りかかった! ザシュっ! ピキーン!いっかくうさぎは消えてしまった! ソ「おぉ!?」 ト「倒した


episode30 『王と悟り』
episode30 カルベローナの里 目立たぬ道を歩いたほうがいい、とターニアにも老婆にも言われたが、この不思議な里をもう少し眺めていたい気持ちは否めない。 どうも、朝でもやはりカラフルな蛍の光が飛び交っている。深い森、曲線的なおとぎの家にカラフルな蛍の光。これだけでもう気分がいい。10年飽きない自信がある。 なるべく音を立てないように歩くと、里の中心らしき場所に出る。井戸がある。きっと毎日ここで水を汲み汲み、世間話をするのだろう。良い社交場だな、と羨ましく思う。 そして井戸の前には立札が立っていた。 悪魔とは、人の心の煩悩だ 従うものがいなければ、勝手に滅びていく その悪が人類を滅ぼそうとしたら?八十億人で束になれば、勝てる 家訓ならぬ里訓のようなものか。 カロベローナの魔女たちは代々ずっと、幼い頃からずっと、この言葉を焼き付けて生きてきたのだろう。 不思議な町に少々後ろ髪を引かれながら、でも騒ぎを起こさないうちにソロは里を離れた。 道は緩やかに下っている。森の匂いが薄くなってきた。《たいまつ》など渡されて力んだが、もう少し歩けば山を抜け


episode29 『王と悟り』
episode29 ターニア ターニアはテーブルに食事の用意をすると、座ってソロの話に耳を傾けてやるのだった。 娘のヒメアはママのひざに頭を乗せて、眠そうに、ちらちらとソロのことを見やる。 タ「それで?」 ソ「はい。魔法の本場で、大きな魔法学校があると聞いたんです。この町から出てきたという女の子です」 タ「まさか・・・」 ノ「ノーラという子です」 タ「あぁやっぱり。その名前はこの町ではあまり出さないほうがいいわ。あなたを嫌がる人がいるかも」 ソ「えぇ!悪い子には見えませんでしたが?」 タ「ノーラは悪い子じゃないけど・・・。 えぇと、魔法学校に何の用事なの?」 ソ「宿舎があるような大きな魔法学校だって聞いたんですけど、この里にそんな大きなものがありますか?」 タ「大きな学校は里の外よ。向こうに森を抜けて下りたところに建ってたの。そしたら街から人が来れるでしょ?」 ソ「あぁ!そうか。 えぇ?でも学校だけじゃなくてノーラの両親の家も焼けてしまったって・・・」 タ「あぁ、それはご両親の家が学校の中にあったからよ。 あの子の両親は、魔法学校の理事だっ


episode28 『王と悟り』
episode28 カルベローナの入口 by 生成AI ザっ、ザっ、ザっ、バキ!小枝を踏みつけてしまうと、大きな音が響く。 ソロの訪れに気付いた者がいた。里の老婆だ。 婆「どなたかな? ここは殿方の訪問をあまり歓迎しない町。場合によってはお帰り願うが」 上品に、排他的だ。 ソ「カルベローナの、町ですか?」 婆「町の名を知っていて、殿方の拒絶を知らぬか。 どんな御用だろうか」 ソ「マーディラスで、この町出身という人に出会いました。 魔法学校と、彼女の家が無残に焼け落ちてしまったと聞きました。何かその姿を見ておきたい気がしたのです」 婆「・・・ふむ。まぁいいじゃろ」 保守的な老婆は、ソロをカルベローナに迎え入れた。 ソ「ど、どうも」 老婆は振り返って、言葉を添えた。 婆「どうにもならないようなら・・・そこのかがり火を囲って夜を明かしなさい。凍え死ぬことは避けられるじゃろう。皆が冷たいなら、明日にはすぐに帰りなさい」 排他的なのか、優しいのか。 しかしとりあえず、森の中の排他的な里の中で、死なずに夜を明かせそうな保障は得て少々安堵した。...


えぴそーど111 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
えぴそーど111 バーミヤンを思わせるような赤い大地の中に、リベリラの石の教会はあった。 それは岩の中に縦に掘られた、極めて原始的でありながら見事な彫刻教会だ。岩しかなくとも、人は芸術をするものだ。そして芸術を極めてしまうものだ。 地上から、階段を下りて神殿の入り口へとたどり着く。 教会にも門番はいたが、宮殿のような厳格なものではないようだった。 「すごい武闘家に力を貸してもらいたくて来た」と真面目な顔で率直に言ってみた。 「ううむ。あなた方の望みは叶えられないかも・・・」と兵士は言葉を濁した。 兵「とにかく入りなさい」 ヒ「どうして叶えられないの? すごい英雄だったんでしょ?(・∀・)」 兵「それはあくまで昔のことだ。 今はもう・・・ヨボヨボのご老体になってしまった」 4人「えぇーーーー!!」そうか。時間というのは流れるものだ。 兵「それでも、この神殿にたまに訪れる山賊とかはひょひょいとやっつけてくれるけどね」 むむ?それなら少しは望みもあるのでは? なにしろカンナ以外はまともな戦力ではないパーティーだ。 カ「いい?ヒナタ!...


episode27 『王と悟り』
episode27 マーディラスから東へは、大きな森を越えることになる。森というより山か。 さすらう地形が一気に変わってきた。川を横目に荒野をさすらうフェーズはもう終わった。 森に入ると魔物の生態系はまた変わりだす。 ひとくい草は食虫植物である。いや食人植物だ! ひとくいそう 図鑑では見たことがあったが、植物がこのように人を襲うというのは衝撃的だった。まぁ魔力によって狂暴に変種させられているのだろうが。 森の中に子供の迷子が!と思ったら今度はおおきづちであった。 おおきづち 大きな木槌を持ち器用に振り回す、小さな獣である。森の小人が悪に寝返りでもしたのだろうか。 ハンマーのようなもので思いきり叩かれることは、場合によっては骨が砕けそうな強烈な衝撃を被る。剣を辞め特殊な武器を買ってきたことに少々のためらいを感じたりもしたが、剣こそが最も強いわけでもないような気がしてきた。 そして!やはり人と見間違える衝撃的な魔物が巣食っている。緑色のとんがり帽をかぶった、浮遊する悪魔だ。 みならいあくま 杖を持っているのでもしやと思ったが、《メラ》という炎の攻撃魔


episode26 『王と悟り』
第3章 男と女 episode26 ソロは城を出る。 前庭から一度振り返り、今居たであろう2階の部屋を見上げる。 ノーラがこちらを見ていたりはしない。 ソ「大丈夫だな」ソロはまたニコっと微笑んだ。 ソ「ノーラがいつでも、幸せでありますように・・・!」ソロはノーラの父親のような気持ちで、彼女がいつも平穏であることを強く強く願った。 ノ「びくっ!」寄宿舎に辿り着いたノーラは、つむじに妙な気配を感じて身震いした。思わず振り返るが、もちろん誰も居はしない。 それから、ノーラはなぜか、体力の回復がとても早かった。何をしたいとしても、その努力や行動が以前よりも1.2倍速くはかどった。本人に自覚はなかったが。 親がいないとしても・・・代わりの何かを手に入れる者もいる。 それは、市役所の窓口で簡単に支給されるものではない。懸命に頑張り、行動した末のものだ。誰と関わるのか、それを的確に選んだ末のものだ。 親がいないとしても。 ・・・もっと言ってしまえば、そういうみなしごは最も感動的な人生を生きる。 1人になったソロは、武器屋へ向かった。 お金が貯まったので《はがね
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