top of page


ラノベ『王と悟り』もくじ
キャラデザ&表紙は絵夢さん♪背景地図はえみこさん♪ 2026年8月13日ぐらい、新作ラノベ公開!(*'▽') 前作とは雰囲気をがらりと変えて、男の子が主人公の壮大な冒険物語! キャラクターデザインは絵夢さんが、とてもたくさんのキャラを丁寧に描きだしてくださいました♪『天空の城』と同じ絵夢さんです! 絵夢さんデザインのたくさんの可愛い女の子も、お楽しみポイントの1つ(*'▽') また、私が世界放浪で撮りためてきた写真もお楽しみください(^_-)-☆ 画像生成AIじゃないぞ(≧∇≦) 今作は連載方式!毎日最新話が更新♪ 今作では一度に全話を公開せず、毎日1episodeずつ更新していく形を試みます^^ 夜更かししすぎないようにね(≧∇≦) また明日も見に来てね♪ まえがき 第1章 自由の身 プロローグ1~episode1 episode2 episode3 episode4 episode5 episode6 episode7 episode8 episode9 episode10 episode11 episode12 episode13 epis


episode86 『王と悟り』
episode86 重鎧を着たグレイグ 翌日、ソロとグレイグは古代神殿とやらに探索に出た。 グ「そろそろ着るぞ」グレイグは自慢の重鎧を装備することにした。 丘の上は植物が茂っていた。緑が芽吹き、花も咲いている。それはオリンピア周辺の殺伐とした、男性的な雰囲気とは一線を画していた。アテナが緑を広げたのだろうか。 また、丘の上は幾分涼しい。標高が高くなると気温は下がっていくものである。 ラーの神殿 挿絵 by 生成AI 朽ちた遺跡に辿り着いた。 それは立派でありつつ、物悲しくもあった。建築様式はオリンピアや丘の上の神殿に似ている。しかしサイズがとても大きい。まるで巨人たちが暮らしていたのではと思うほどだ。 この古代遺跡の建物を、オリンピアの文明は真似たのだろうが。 中は魔物が巣食っているのだった。巣食っているのか、放たれているのかはわからないが。 グレイグがいれば魔物なんてどうってとこないと楽観していたが、そうでもないのだった。幻惑を見せる《マヌーサ》を使う魔物や、《スカラ》で守備力を固めてくる魔物、剣で斬ると分裂してしまう魔物と、厄介な性質を持つ


episode85 『王と悟り』
episode85 アテナ(シリウス) 大きく風が吹いた。柱ばかりで壁のないオリンピア風の神殿は、風が中に入ってくる。その風は緑の葉をさやさやと揺らした。 ソ「あぁ、僕たちお使いで来たのです! このアロエの鉢を、アテナさんに渡すようにって。 ピュアリって言ったかな。巫女の女の子です」 ソロは彼女にアロエの鉢を手渡した。 シ「どうもありがとう」 グ「ハーゴン神官は、あなたを怒っていないよ、と申しておった」 シ「はい。どうもありがとうございます。アテナに伝えておきます」 ソ「そうか。まだ今シリウスさん」 シ「記憶は共有できます。ご安心を」 グ「アテナ殿は、気丈にしているということだな?」 シ「えぇ、大丈夫です。 ここに来てしばらくの間は、孤独と憂鬱で落ち込んでいましたが。 しかし孤独を覚悟でここに来ました。人が欲しいなら他の街に行けばよかった。でも彼女はこの丘の神殿を選びました。 そして、彼女も奥の古代遺跡に行きました。 彼女はそこで、古い書物を読みました」 ソ「読書が好きなのかな」 シ「ヒボンという国の、古い神話の本です。...


episode9 『王と悟り』
episode9 ソロ+《銅の剣》 翌朝。 ソロは朝食の頃には宿を出た。 少し遠回りになるが昨日の薄暗い食堂に寄り、そして今日もまた竹筒のおこわと、そして緑の葉で包まれた総菜を買った。 町の西側にも入口があり、たしかに北西方向に道が伸びている。 町から少し離れると、魔物が出現しはじめた。 昨日遭遇したいっかくうさぎやドラキーだ。これらを倒しながら歩を進めるのも無理ではないと思えたが、面倒くさいなと感じた。別に戦うことが好きなわけではなく、戦うために家を出てきたわけでもないのだ。 しばらく歩くと分かれ道があり、立札が立っている。 「この先、船着き場」と書いてあるので、しるべの方向へと進んでみることにする。 やがて川に行きついた。大きな川だ。向こう岸まで50メートルはある。 そういえば船が出航する時間を考えてなかった!と焦ったが、幸運にも1台の船が着岸していた。胴の長い長いユニークな船だ。 三角の笠をかぶった小柄な船頭が桟橋にいる。この国は小柄な人が多いように見えるな。 ソ「ロンガデセオまで行けますか?」 船「あぁ。近くまでは行くよ。 一晩かかるぜ


episode84 『王と悟り』
episode84 アテナ(シリウス) アテナに乗り移ったシリウスは、グレイグに語る。 シ「あなたには、1つ弱点がありそうです」 グ「なに!?」 シ「色仕掛けです」 グ「なっ!」 ソ「色仕掛け!?恋愛のことですか?」 シ「そうです。 あなたは恋愛の免疫が薄い。 『あなたを愛しているからこの街で一緒に暮らして』と胸の大きな女性に言われたら? 『どうか助けて』と美しい娘に言われたら? 愛か情が、いずれにしてもあなたは、歩みを止めてしまう恐れがある」 グ「・・・・・・!」グレイグは反論が出来ない。 シ「そして・・・。 そんな娘は魔物が化けた姿である可能性があります。あなたは殺されてしまうか、力を奪われるか、とにかく戦闘不能にさせられてしまう」 グ「なんと・・・!」 シ「ふふふ。しかし不幸中の幸い、女に鏡を見せるのはとても簡単です」 ソ「ははは」 グ「なる・・・ほど」 グレイグはすべての話を受け入れた。謙虚な男である。 グ「女に、現(うつつ)を抜かしてはいけないのだ。わかっています」 シ「しかし、誰しも恋をしたいのです。 グレイグ。この冒険が


episode83 『王と悟り』
episode83 アテナの神殿 挿絵 by 生成AI 2人は丘を登り、何やら目的地に到着したようだった。 神官ハーゴンがいた神殿と同じ、それよりも少し大きいであろうものがそびえている。かなり古びてはいるが。 そしてその玄関には、人の立つ姿が見える。女性だ。 ソ「僕らが来るのを、わかっていた・・・?」 一枚布を美しくまとう、どこか神秘的な雰囲気のある女性だ。 ●アテナ アテナ キャラデザ by 絵夢さん 年齢:24歳 誕生日:5月24日 身長:184cm グ「神殿巫女をやっていた、アテナ殿であろうか?」 女「グレイグ、あなたの訪れを遠い昔から待っていました」 グ「遠い昔から?」 ソ「僕じゃないのか」 シ「私はアテナであり、アテナではありません。 この体はアテナであり、あなたがたは私をアテナと呼んでくださればよいです。 私は今、神託のためにこの体に憑依したシリウスという者です」 ソ「え?え??」 シ「ふふふ。意味がわからなくてかまいません」 グ「神託のために、女神が降りたのだな」 シ「グレイグ。あなたの訪れを待っていました。 戦士グレイグ。.


episode82 『王と悟り』
episode82 神官ハーゴン グ「どうも時間を取らせた」 ソ「お暇(いとま)しましょう」2人は神殿を立ち去ろうとする。 するとハーゴンが2人の背中に声を掛ける。 ハ「あぁ旅のお方」 ソ「はい?」 ハ「気が向いたらでよろしいのですが・・・ この神殿の巫女に一人、男に服従するのが嫌になって出ていった者がいました。名前はアテナ。 私は彼女のことが気に掛かっています。どうしていることやら・・・。 丘の上のあたりに彼女のエネルギーを感じてはいます。古代の神殿をねぐらにして生きながらえているのかな。良かったら彼女の安否を確認してやってはくださりませんか? そして一言お伝えください。『ハーゴンは怒っていない』と」 ハーゴンは怒ってはいない。連れ戻す気もない。ただ安否を心配しているだけだ。 ソ「あ、はぁ」 まだ「行く」とも「行かぬ」とも言えないのだった。約束は必要なさそうだ。後で考えよう。 2人はそこを去ろうとした。すると今度は女の子たちに呼び止められる。 ●ピュアリ ピュアリ キャラデザ by 生成AI 年齢:16歳 誕生日:9月21日 身長:15


episode81 『王と悟り』
episode81 そろそろ宿の確保だ。オリンピアはものの少ない暮らしをしており、物価は全体的に安いようだったが、宿は安くないのだった。相部屋でも20ゴールド(約2,000円)する。これもスポーツが関連しており、スポーツ目的で他所の国から来る人が少なくないらしい。そんな人からはカネを取ればいいじゃないか、という考えで宿代は高くなる。 宿は5階建てで、屋上に上ると景色がよく見えた。 一角に川が見える。川と城壁が交差したところは、城壁が大きく崩れていた。大雨による川の氾濫か、津波か、なんらかの影響で城壁は非常に大きく壊れている。部外者の侵入を呆気なく許してしまえるように見える。危険だ。しかしスポーツ優先で、災害復興すら誰もしないようだ。 ソロは宿選びにおいて、よく古い建物を選ぶ。それは値段が安い傾向にあるから、というだけではない。古い建物のほうがその国らしい風情を保っていることが多い。 理由はさらにある。古い安い宿は、公共事業的な側面を持っていることが多い。商売優先ではなく、何か自国や他国のために良心的に場所を提供している。たとえばマーディラスの安宿
episode80 『王と悟り』
episode80 武器屋からはこの国の内情を聞けた。 腹ごしらえをしよう。食堂に入る。 しかし店内は何やら揉めている。 男「おい早くしろよ!弁当は2つだぞ!3時のおやつと夕食と2つだ!」 女「は、はい。ちょっと待っておくんなまし。お客さんが切れなきゃ詰められないですよ」 夫が怒り、妻が困っているようだ。 男「もういい!俺は行くからな。あとで球技場に届けにこいよ!」 女「は、はい!」 男は行ってしまった。 2人はテーブルに座る。 ソ「あのう、お弁当届けましょうか?」 女「え?いやだぁ聞かれたんですね恥ずかしい。 いえいいのですよ。後で時間作って行きますから」 おかみは忙しそうだ。邪魔しては悪い。2人はまず食事を摂った。 食べ終わる頃には店は空いていた。 グ「おかみさん。他所の国の者なんだが、しばし話が聞けるだろうか?」 女「えぇちょっとなら。どうしたんです?」 グ「私はどうもしないのだ。この国を心配しているのだがね。 最近女たちが怠けるようになった、と街で男たちが言っていた」 女「そんなことを言わないでおくんなまし!」 グ「あぁ、私はそなたの


episode79 『王と悟り』
episode79 オリンピアの町並み そこに1人の大男が現れる。 男「おぅおぅ!来月までなんか待ってられやしねぇよな!オリンピアの男はせっかちだ! 今日は7年連続チャンピオンのショウ様が、ポケットマネーでプチ大会を開いてやるぜ!」 ショウ キャラデザ by 絵夢さん 年齢:30歳 身長:210cm 衆「おぉ!?」 男「参加料は10ゴールド(約1,000円)。オレ様に勝ったら100ゴールド(約1万円)やろう! はっはっは!」 衆「自腹で大会を開くなんて、太っ腹だなぁ!」 筋肉自慢のショウとやらは、民にも慕われているようだ。 グ「ソロ。今度はそなたがやってみたらどうだ?」グレイグは冗談半分で言った。 ソ「いやぁ勘弁してくださいよ!」ショウはとても強そうに見える。 シ「なに?そんなガリガリが? 悪いがね、体重制限があるってもんだよ!そんなガリガリと戦ったんじゃぁ一瞬でひねりつぶしちまうからなぁ!」 衆「わっはっはっは!」 グ「じゃぁ武器を使っていいというハンデはどうだ?」 シ「なに?面白いことを言うじゃないか! いいだろう。武器を使ってかか


episode78 『王と悟り』
episode78 槍投げをしていた男は腕を組んで話す。 男「我々の国はスポーツが盛んでね!平和の国オリンピア」 グ「やはりオリンピアか」 男「これは槍を遠くに飛ばす競技さ。城壁街の中で行うんじゃ危ないだろ?だから街の外に出て練習しているんだよ」 ソ「しかし魔物の危険がありますよ?」 男「そんなのやっつければいいさ!」 ソ「強いのですね!」 男「ところで木こりさんよ。あんたオレと同じくらい良い体してんなぁ! ちょっと槍投げの競争をしてみないか? オレに勝ったら飯でもおごってやるよ」 グ「うーむ・・・」グレイグは、くだらないと感じていた。 ソ「やってみたらいいんじゃないですか?暇つぶしですよ」 グ「そうだな」 ト「そうこなくっちゃ!オレの名はトンプソンだ。 槍投げのチャンピオンだぜ!有名人さ。はっはっは!」 グ「グレイグだ」 ト「グレイグ?どっかで聞いた名だなぁ」 グ「うぉっほん。気のせいだろう」 ソ「絵本に載ってた昔のレスラーの名前じゃないですか?」 ト「そうだ。強そうな名前だぜ。 そんでグレイグよ。まずはあんたのお手並み拝見だよ」 グ「


えぴそーど33 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
えぴそーど33 ミ「まだ巣も小さいから、巣ごと燃やしてしまいましょう」 カ「ヒナの《メラ》でも倒せそうよ?」カンナはヒナの脇をつっついた。 ヒ「えぇ!なんか怖いし虫さんかわいそう・・・」 カ「もう、しょうがないわねぇ」 ボン!カンナは《メラ》を唱えた!スズメバチの巣をやっつけた! カ「まぁ私がやったほうが正解だわ。ヒナは宿ごと燃やすからね」 ヒ「む、虫さん殺していいの?」 カ「アンタ今まで散々、大がらすとかじんめんちょうとか倒してきたじゃないの!」 ヒ「それは魔物じゃぁーん?(;・∀・)」 カ「まぁ気持ちはわからないでもないけど・・・ 結局、虫にせよ動物にせよ、魔物と大差ないのよ。 あなたや人間に危害を加えそうなら、殺すしかないわ。話し合いは通じないし、こっちが情けを示しても、容赦なく攻撃してくるからね」 ミ「住み分けが出来るかどうか、でしょうね。 たとえばクマが出て畑を荒らしても、その地域全体から住民が移動できるなら、クマを殺す必要もないわよね。 でもその地域から移動できないっていうなら、やっぱり駆逐するしか仕方ないわよね・・・」...


episode77 『王と悟り』
episode77 防具の新調は済んだ。さぁ本格的に新天地への冒険に繰り出そうではないか。 どこに行ったらよいだろうか?再びグレイグに尋ねる。 グ「ふーむ。近隣国は大体行ったことがある。 強いて言えば・・・10年ほどご無沙汰な国があるな。オリンピアは今どうなったのだろう?昔はカリカリしていたが、近年はめっきり侵略の便りを聞かない」 ソ「じゃぁそこに行ってみましょう」 2人は南へと舵を取った。さらに暑いエリアになりそうだ。 グレイグ 木こり服とオノ ソロはグレイグに話しかける。この戦闘の天才には聞いてみたいことが山ほどある。 ソ「グレイグさんはすごい重厚な鎧を着てますよね。僕はどうしても、身軽な方がトータル的には強いんじゃないかなって思っちゃうんです。どうなんですかね?その辺」 グ「あぁ。言いたいことはわかる。重鎧(じゅうがい)は重いから不利だ。でも重い鎧で毎日毎日鍛えまくったらどうだ?誰よりも強くなる」 魔物は益々強くなった。しかし益々苦戦したりはしない。 なぜなら、新しい仲間グレイグが凄まじく強いからだ。鎧を着ない彼は本領を発揮していないはず


episode76 『王と悟り』
episode76 ヨロハマの街並み 場面はソロの冒険に戻る。 ガンディーノの属国ヨロハマにて、防具を特注したソロだ。 お金をたくさん使ったので、防具の仕立てが完了するまでの3日間は、戦闘で暇つぶしをすることにした。 グレイグがいるので戦闘は楽になったが、しかし報酬のゴールド宝石は山分けしなければならなくなる・・・かと思いきや、グレイグは充分な蓄えを持っているらしく、「2人の戦闘で得たゴールドもソロが持っていけばいい。少なくとも当面は」と言ってくれた。盾や兜や、王道の剣や、ガンディーノの上級兵士が装備しているくらいの武具が調達できるまでは、ソロの貯蓄を優先したほうがいい、とグレイグは気を利かせるのだった。 ソ「えぇ、いいのですか!?」 グ「私はまるで金に困っていないからな。風俗も酒もやらないなら、金などどんどん貯まっていく。 金がないと言っている奴は、生活必需品でないものを買いすぎなのだ」 3日後、無事に特注の防具を手にする。 ソ「わぁ、強くなった気がするー!」 店「鎖を編んだ防具は剣の斬りつけには強いが、槍や弓矢なんかには弱いから気を付けるん


episode75 『王と悟り』
episode75 ゼシカとセーニャ5年生 ゼシカとセーニャの生徒総会騒動。これには後日談がある。 ゼ・セ「ねぇ聞いてよお兄ちゃん!」 2人は、家に帰ってから生徒総会の顛末を兄に話した。兄のソロに。 ソ「そうか。切ないもんだね」 ソロは短い言葉で2人を労った。遠くを見つめながら。 ゼ「もう!冷たくない?お兄ちゃんまで!プリンくらい買ってきてくれたっていいのに」 素っ気ないものだな、と思いきや、そうでもないのだった。彼は敢えて、言葉を短くした。2人よりも社会を知っているソロは、この問題がとても複雑であることを察していた。すると、「誰が悪い」とか「誰が憎い」という言葉を出すのは難しく、「切ない」という言葉にまとめるしかなかったのだ。 しかしソロは考えた。2人のためにしてやれることはないかと。 そして彼は、筆を執った。手紙を書いたのだ。 -------------------------------------------------------------------- 拝啓 桜が丘女学院の教頭先生 私は貴校に在学するとある女生徒の祖父です。...


episode5 『王と悟り』
episode5 トルネコ ソロはトルネコに尋ねた。 ソ「トルネコさんは、どうしてそんなに笑ってばかりいられるんでしょう? 世界を股に掛けるなら、強い魔物も大きな困難もたくさんあると聞きますよ。それをこなせるのは勇者や冒険者だけだって」 ト「なぜわしが笑っていられるかって?わっはっは!強いからだよ。 わしは商人だがね、そこらの戦士に負けないくらいは強いさ」 ソ「そうなんですか!」 ト「そうだよ!商売ばっかりじゃなくて、鍛えたんだ。 強くなれば、いいことがある。誰も怖くないし、何も怖くないのさ。そしたらいっつも笑っていられる。誰にも寛大でいられる。こんなに幸せなことはないよ!わっはっは」 ソ「武器をたくさん背負って、それだけでも鍛えられそうです」 トルネコという男は、大きな体をさらに覆い尽くすほどにたくさんの武器や防具を背負っていた。 ト「そうだね!大量の武器を抱えているのもトレーニングになるし、大量の武器を買い付けするためにも、体を強くしておきたいもんだよ!一石二鳥だな!」 ソ「ふうん」 ト「でもあれか、君は武器やら防具やら調達しながら、世


episode74 『王と悟り』
episode74 ゼシカとセーニャ5年生 挿絵by生成AI 場面は大きく変わり、時代は大きく変わる。 今より約5年前、場所はソロの妹ゼシカとセーニャの女学校。その体育館で生徒総会が行われていた。全校生徒が集まり、教員たちが学校の方針やその変更事項などを伝える。 生徒総会は終盤に差し掛かった。教頭先生は締めに入る。 教「・・・というわけで来年度も概ね現状維持。歴史あり由緒ある桜が丘女学院の秩序は、平和に保たれるだろう。 では最後に、誰か学校に提案などしたい者はあるか? 顔と名札をしっかり見せつつ、話したまえ」 教頭は全校生徒に、学校の不満や提案などないか、促したのだった。民主主義が採用されている、という体裁を保つために。 シ――――――――ン・・・ 生徒たちは何も反応を示さなかった。 教「何もないな。宜しい。 ではこれにて閉幕を・・・」 「はい!意見があります!」 ためらいを伴いながらも、挙がる1つの小さな手があった。 教「なぬ?そうか。 では教壇に参りなさい」 教頭は挙手した生徒に、全校生徒の前に出てくるようにと促した。 そろそろそろ。


episode73 『王と悟り』
episode73 そして家族とは大抵の場合、旅行や自由に対する大きな障壁となる。 グ「そういえば、きょうだいがいるとか言っていたな」 ソ「えぇ、双子の妹がいますよ。 1人は芝居が好きで、まるで映画の中から出てきたような子です。 もう1人は推理小説ばかり読んでいますよ。 本は読めるくせになんで教科書読めないのかな?あはは」 ソロの双子の妹 ゼシカ←とセーニャ→ グ「現代っ子、か」 ソ「10歳も離れてるからか、やたらとお兄ちゃん子でね。 僕のこと父親だと思ってるんでしょうね!」 グ「まるで父親には見えんぞ。むしろ十代にすら見える」 ソ「あはは。いつもヘラヘラしてますからね。老けたくないなって思ってはいます。ビールっ腹にはなりたくないし」 グ「私は5人きょうだいだったが、私以外はすべてもうあの世へ行った」 ソ「えぇ!戦争でですか?」 グ「いや、戦争というよりは訓練が仇となって、だな。2人の弟は体が弱いのに兵士として叩きこまれ、それに耐えられず死んでいった。 2人の妹は病弱で、病気によって死んでいった」 ソ「悲しい境遇なのですね・・・」...


episode72 『王と悟り』
episode72 ヨロハマの街 挿絵 by 生成AI ヨロハマの街を眺めながら歩く。 ソ「属国と言ってもそういう印象もないですね」人々は概ね平和そうに、にこやかに生きているように見える。 グ「植民地支配でもないからな。 元々得意としていた製造業や第一次産業を任せている感が強い。ヨロハマとしては経済が潤うからそう不満もない。 あとは軍事工業の応用や実験をしている。 たとえばこの国には大きな馬車がある。客を10人くらいも乗せて、ガンディーノとヨロハマを定期的に往復している。いずれは馬の力を使わずにモーターだけで走らせたいらしい。 あとは、ガンディーノの兵士などが息抜きに来る」 ソ「兵士をやらせたりはしないわけですか?」 グ「ヨロハマからガンディーノの兵士になる者もいるが、強制徴兵はしていない。 徴兵というのは不毛だよ。そなたが言っていた通りに。」 ソ「『可哀そう』じゃなくて『不毛』?」 グ「あぁ、不毛だ。 無理やり徴兵された兵士など、大した戦力にはならない。 戦闘は弱いし、意欲もない。国を守ろうという覇気もない。 『鍛え方が悪い!』


episode71 『王と悟り』
episode71 グレイグ 翌朝。今日もよく晴れている。 ソ「さて、どこに行きましょうか?」 グ「だから、私はそなたに着いていくのだよ。どこに行きたいのか?」 ソ「この先はノーアイデアなんですよ。だからアイデアを貰えたら嬉しいんですけど。兵役から離れて、行ってみたい場所とかありませんか?」 グ「まずそなた、もう少し装備を整えたほうが良いと見える」 ソ「でも僕、グレイグさんみたいな鎧は、装備できそうもないんですよ」 グ「考えは察している。誰もが重装備の戦士になりたいわけじゃないからな。未だギャンベゾンを好む民族もいる。 そなたはどちらかと言えば盗賊に似た戦い方をしたいのだろう。 それはそれで良いのだが、布の服で鋼鉄武器とやり合うのは無理があるぞ」 ソ「人とはもう戦いませんよ。国の戦争に首突っ込む気もないんです」 グ「そうだろうが、魔物とて強くなればなるほど剣や斧やら振り回すようになるのだよ」 ソ「そうか。やっぱりちょっと武装が必要ですよね」 グ「北東にガンディーノの属国ヨロハマがある。そこなら買い物をしやすいだろう」 行き先は決まった。寄り道
bottom of page
