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第26節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第26節 宿から外に出る。つい1時間前とは打って変わって、1日が終わる村は静かになっていた。 しかしどこかの方角でわいわいと騒ぎ声がする。否が応でも興味が引かれる。2人は声をするほうへ行ってみた。 見知らぬ女が、井戸のそばで歌いながら舞っているのだった。 モモ キャラデザ by 天(ソラ)さん 女「君の前に広がる世界 果てしなく広く~ 旅立ちを決めるのは 阿呆な歌のせいか~ 旅立ちを助けるのは 阿呆な誰かなのだ~♪」 衆「わっはっは、いいねいいね!見事なもんだ」 衆「パチパチパチパチパチ!」 衆「美しいおなごだなぁ~」 ひらりん ひらりん すたっ。 女「どうも。『阿呆(あほう)の旅』でございました」 すると聴衆の男たちが、女の足元にコインを数枚、ぽいと放り投げるのだった。 女「どうもどうも。ありがとうございます」 女は踊りの聴衆として見慣れない、若い男女の視線に気づいた。他所の者だ、と気づいて2人に興味を持つ。すると、 女「今日のところはここらでお開き。 また明日も来るやもしれぬ。来ないやもしれませぬ・・・。旅の踊り子は神妙鬼没・・・」仰々


エピソード26 『天空の城』
第2章 神秘的なこの世界 エピソード26 攻撃魔法を覚えたれいは、意気揚々と街の外へ繰り出した。 さぁ魔物よ。どこからでもいらっしゃい!とどこかのファンタジー小説の魔法使いになった気分で、腰に手を当て胸を張る。 まずはいっかくうさぎを相手に《メラ》を試し打ちしてみると、一撃で葬り去る威力があった。 《ヒャド》でバブルスライムを攻撃すると、やはり一撃でやっつけることが出来る。 すると宿敵マンドリルが現れた! マンドリル え「えぃ!」れいは今までのうっぷんを晴らすかのように気合いを入れて《メラ》を放つ! ボボン! 見事マンドリルに命中するが、一撃ではマンドリルは倒せない!怒り狂って、ものすごい形相で飛び掛かってきた! 挿絵 by りんどう さん れいは必死に逃げて再び距離をとる。 魔法の利点は、相手の至近距離まで入らなくても攻撃出来ることにもある。立ち回りにバリエーションが増えるし、敵の攻撃を喰らいにくくなる。 狙いを定めてもう一度《メラ》を放つが、まだ倒しきれない。3発目でようやくマンドリルは宝石に姿を変えた。 れ「そうか。マンドリルの体力は《メラ


エピソード38『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
エピソード38 エ「キキちゃん様ぁ~本当に行かれてしまうのですかぁ?」 エ「キキちゃん様ぁ~寂しいですぅ悲しいですぅ~」 エ「キキちゃん様ぁ~私のこと忘れないでくださぁい」 頭に猫耳のカチューシャを付けた若いエルフたちは、ウルウルと瞳を濡らしている。 キキちゃん様ぁ~ キャラデザ by 天(ソラ)さん キキの旅立ちをためらう者たちには、様々感情の種類があるようだった。 しかしキキはその誰をも、明るい笑顔でなだめるのだった。 キ「大丈夫。わたしがいなくても協力してしっかりやるのよ♪」 城の外に出ると、相変わらず外は深い霧で真っ白だ。 しかしキキがすっと手を挙げると、霧はするすると薄れはじめた。 キ「これくらいでいいかな」 ゆ「ホントにキキちゃんが霧を操ってたんだ・・・!」 門番たちも女王の訪れに驚き、開いた口がふさがらないようだった・・・。 門「じょ、女王様。どちらへおでかけで・・・?」 キ「もう。そんなこと訊いたってわたしが冗談でしか返さないこと、わかってるでしょ♡」キキはイタズラっぽくウインクした。 キキは一行を小舟に乗せ、自分も最後に乗り込ん


エピソード19『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
エピソード19 な「あ!一昨日アミンにもらったベリーに似てるぅ!」 ななは茂みから食べられそうなフルーツを見つけた。 ハ「ホントだ!美味いぞこれ」 しかしお腹がいっぱいになるほどではない。もう少し何か必要だ。3人はさらに歩く。 ハ「あー肉食いてぇ!エナジードリンク飲みてぇ! すべてが手の届くところにある散らかった部屋が恋しいぜ!」 ゆ「発言がダサすぎるわ!」 そうこうしていると、3人の前に魔物が立ちはだかった! デスジャッカルがあらわれた! ハ「怯むな!戦えるぞ!」ハヤトは勇ましく号令をかけた。 そして自分が率先して斬りかかっていく! ハ「トーゥ!」デスジャッカルに4ポイントのダメージ! ハ「昨日より強くなった!気がする!!」 すんなりとはいかなかったが、ああだこうだと戦いながら、3人で見事デスジャッカルをやっつけた! ハ「ふぅー。どうにかは、なるな」 さらに散策を続けていると、くびながイタチに遭遇してしまった!デスジャッカルより手強い! ハヤトは威勢よく斬りかかる!しかしくびながイタチはヘラヘラ笑いながら身をかわす! 3人は苦戦をし、だんだん


エピソード21 『天空の城』
エピソード21 れいは気を取り直して、また街の外に訓練に出た。 サントハイムにいる間にマンドリルと互角に戦えるようになりたいな、と目標を持ったが、なかなか骨の折れる課題だった。剣を振るう腕力だけでなく、身をかわしたり回り込んだりする敏捷性もレベルアップしなければならなそうだ。 目標は達成されないが、疲れたところで今日は訓練を引き上げた。 まだ昼下がり。もう少し時間を潰さないと1日は終わらない。 れいはお城に訪れた際、麗しいドレスを着た貴婦人たちと《皮の盾》を装備する自分との身なりの差に、少し虚しくなった。お姫様の格好をしてさすらうわけにいかないことはわかっているが、たまにはおしゃれをする権利も自分にはあるのではなかろうか。 城に近い、貴族が出入りするような界隈に足を踏み入れる度胸は得たので、「レディの服は幾らくらいするのかな?」と偵察がてらにウインドーショッピングをしてみることにした。 服を売る店だけでもたくさんある。へー!ほー!とささやかに感嘆しながら路地を歩いていると、なんとドレスを売る店の中に先ほどの大臣の姿を見つけた!「なんで大臣さんがこ


エピソード112『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
エピソード112 ―オルフィー― 砂漠を出てほどなく、町を見つけることが出来た。 砂漠でもなくイシス国でもなく、通貨はまたゴールドに戻っている。適正なレートでゴールドに両替することも出来た。 一行はちょっと安心した。 町自体に大きな特徴はないが、心なしか人種が多様であるように見えた。様々な肌の人がいる、ということだ。 「東側は西側よりも多民族な文化だよ」と町民が言っていたが、それにしても多様であるように見えた。 町を歩いていると、エリアによって肌の色や宗教を分けて暮らしている感があると気づく。 大通りに出れば多民族がごっちゃに交わるが、暮らし自体は自分に近い者たちと営みたい、という気持ちはあるようだった。 挿絵 by えみこ さん Instagram旅アカウント Instagram沖縄とお菓子アカウント Instagram家庭菜園アカウント ななやゆなが暮らしていた社会では、他の民族に対してあまり寛大ではなかった。肌の色の違う子が学校に転校してくると、いじめられたりハブられたりすることが多いものだった。 ゆ「ここは皆が仲良くしていて偉いですね」と


えぴそーど22 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
えぴそーど22 店「ところで、女の子ばかりで武器なんて買って、どこに行くっていうんだい?」 たしかに、武器屋をうろついていそうなメンツではない。 ヒ「魔王退治に、ちょっとそこまで(*'▽')」 カ「5月のピクニックみたいな言い方しないでちょうだい」 店「ま、魔王退治のパーティーなのか!? ふうん。信じがたいがそこを議論してもしゃぁねぇ・・・。 それでヨロハマ港からメアリー合衆国にでも行こうってことだな?」 ヒ「そです(・∀・)」 店「旅かぁ~懐かしいぜ! オレも武器屋をやる前は武闘家としてさすらっていたからなぁ~」 ヒ「えぇおじさん冒険者だったんだぁ! おじさんがヒボンを離れている間にこのラブandペリーのカードがプレミアにな・・・」 カ「はいはいそこにハナシ戻さなくていいから」 ミ「おじさんも魔王退治だったのですか?」 店「いいや?何も倒すべく悪は魔王ばかりじゃねぇさ。 東南マジマにはよぉ、7人の偽善者の神がいるんだよ。 ヒ「偽善の神って魔王より厄介じゃね(゚Д゚;)」 店「おう、そうなんだよ! 『七福神』って呼ばれてんだけどな。そ


第23節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第23節 話の嚙み合わない一行に、助け舟を出す者がいた。 男「おいおい!そう責めたてんなよ。 他所から来たんだろう?どっか田舎から来たんだ。可哀そうに。 もっと優しく説明してやる必要がありそうだよ」 2人は声のするほうに振り向いた。 宿「だがタダ飯食わすわけには・・・」 男「私が立て替えてやるよ。今日の分くらいは。 ほれ、4ゴールドだ。いやあと4ゴールド払うからたっぷり昼飯も食わしてやってくれ」 宿の居間で茶をしていた見知らぬ男が、仲介に入ってくれたようだった。 ノ・ユ「ありがとうございます!」2人はソーダ水でも飲んだかのような爽やかな笑顔で、その男に礼を言った。 男「おごったわけじゃないからな?明日か明後日には返してくれよ。私は別に金持ちじゃないんだ」 男は2人を寝室にまで案内し、宿とはどのように過ごすものなのか、一通りレクチャーしてくれた。 そして3人はまた受付前の居間に戻ってくる。 男「さぁ、腹ごしらえしながらこの国の話でもしようじゃないか。 君たちの村にはカネってもんがなかったんだな?」 ユ「そうです。なんでもタダで手に入る暮らし


第24節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第24節 翌日は、近郊の森へと魔物退治に繰り出した。 村の近くの平原には魔物はいないが、なるほど森の中まで踏み入ると、獰猛な生き物に遭遇する。奴らは人間を見ると襲いかかってくる性質があるようだ。 大ねずみが2匹あらわれた! 大ねずみ ユ「これくらい!」ユキはコーミズに出没する大ねずみを退治したことはないが、旅立ち直後の巨大魚や海上でのとつげきうおを見た後では、タヌキに似たねずみごときに震えたりはしなかった。 ザシュっ!ユキのヤリが相手に突き刺さる! ギャーと唸るが致命傷ではないようで、勇ましく反撃してくる!ユキは素早く身をかわす! そしてもう一度、もっと渾身の力を込めて大ねずみに突進する! 大ねずみをやっつけた! 挿絵 by ヴィオレッタさん ユ「ノア、君の番だ!」ユキは、目の前の怪物を殲滅することよりも「2人が戦えるようになること」が重要だとわかっていた。 ノ「ひぃぃぃ!」ノアは震えながら短剣を構える。 しかし、こちらに臨戦態勢を見せる大きなねずみになかなか襲いかかってはいけない。 ユ「がんばれ!」ユキはもどかしい思いを抱えながらも、手は出さず


次作ラノベのキャラデザ担当さん決まりました!
こういう感じの主人公を想定しています 26年夏公開予定としている私の次作ラノベ。早々にキャラデザインの担当者さんの募集を掛けていましたが、決まりました!(*'▽') 本当は26年の2月くらいまで待つつもりでいたのですが、能力があり信頼関係がある人が急に名乗り出ることはまずないだろう、と判断しました。 一応、この担当者さんに不測の事態があったときのことを想定して、代役さんの募集は継続しておきます!代わりに担ってもらうか、途中から引き継いでもらうか、ということですね。 「ピンチヒッター」という役回りをご承知の上で、ご興味ある方いらっしゃいましたら、ご連絡をください(*'▽') 下記ページに問い合わせフォームがあります。 他の絵を2~3描いてみてもらうことから始めたいですね。 >>次作の募集要項 >>問い合わせフォーム


第7節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』 +4コマ「モーセの体操」
第7節 ある日・・・ 二人が村長のところにいると、さらに来客があった。ホンダラという、村の中年男である。大ババの息子だ。ノアやユキが関わることはほとんどない。 ホ「村長、カネを貸してくれたまえよ。1000ゴールド(約10万円)ほどさ」 モ「何?1000ゴールドだって!? そんな大金を一体何に使うというんじゃ!?」 ホ「ほら、ほむら祭りがもう近いだろ? ご神託の儀式に使うマリハナを、北の村まで買いにいかなくちゃ」 ノ「カネって何のこと?」ノアとユキはその様子を遠巻きに見ている。 ユ「引き換え券のことさ」 モ「あぁ、ご神託の支度か。 それにしても1000ゴールドも要らんじゃろ?たしかマリハナは100ゴールドじゃったぞ」 モ「それが最近値上がりしたっていうんだよ。 いや噂だから確かなことはわからんけどさ?でも行ってみてから『足りませんよ』じゃ困るじゃないか。北の村まで半日も歩くんだもの」 モ「まぁそれはそうじゃなぁ。あまりが出たら返すのじゃぞ?」 ホ「はっはっは!わかってるって!」 モーセはホンダラに、1000ゴールドを手渡した。 ホ「はっは


エピソード67『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
エピソード67 赤「なんてこった!」赤ヒゲの男はカバリアーが倒されるのを見るや、逃げ出そうとした。 キ「待ちなさい!」 キキは毅然とした口調で赤ヒゲの男を呼び止めた。 キ「わたしはエルフのキキ。 あなたは?妖精でしょう?」 赤「・・・・・・。レプラコーンだ。 レプラコーンのドーガ」 キ「あの町で靴を磨いているのは?みんなレプラコーン?」 ド「そうだ」 な「どうして、人間に悪さをするの?」 ド「・・・・・・。わかるだろう?」 ゆ「人間が、鉱石を乱獲するから・・・?」 ド「そうだ。レプラコーンが悪いのか?」 な「でもどうして、アミンをやっつけるの?」 ド「おまえが人間の肩を持つからだ。 そうでなければドワーフに襲い掛かったりはしない。 元々ドワーフは、妖精の中でもレプラコーンに近い種族だ」 ア「僕のせいか!?」 ド「・・・・・・。 そうでもないのだろう」 な「え!?意味がわかんないよぉ(汗)」 ド「言っただろう。 本来、妖精同士で無用な争いなどしたくはない」 キ「そういえば、わたしの靴を磨いたレプラコーンも、『おまえはエルフか』と尋ねてき


第16節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』 +4コマ「バーディーの話」
第16節 3人は村の井戸場まで出てきた。 ?「やはりお金を導入し、よその国と貿易をすべきだ!そうじゃないか?みんな! 神の掟だかなんだか知らないが、古臭い文化をいつまでも続けるのは間違っているぜ! やはり村長は投票で決めようじゃないか!」 衆「わーー!」 衆「そうだそうだー!」 誰かが演説をし、それを十数人の村人が取り囲んでいる。 ア「また言ってんのかおめえは?」アギロは通りすがりに口を挟んだ。 ?「うん?誰だその輩は!さっきの騒動の犯人か?」 ユ「僕らは、海で遭難したところをアギロさんに助けてもらいました」 ノ「盗賊じゃありません」 ?「はっはっは!その細い腕じゃ盗賊なんて無理に決まってる! そうか遭難者か。せわしいな最近は。それで、クダカに住むのか?」 ユキはアギロを見上げてから言った。 ユ「わかりませんが・・・しばらくは」 ?「そうかい。じゃぁ君らもお見知りおきを」男はキザなお辞儀をした。 バ「私の名はバーディー。次の村長になるべき男だ」 衆「わーー!」 ユ「あぁ、どうも」ユキは無難に相槌を打った。 ノ「お金が、神様の掟?」ノアはバー


第18節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』 +4コマ「ププルのプレゼント」
第18節 一行はまず、アギロの家に戻った。ヤリや短剣は家に置いたままだ。 それを拾いあげ、妻に挨拶をすると、妻は台所からたくさんの果物と干物、そして替えのシャツを2人に手渡すのだった。 ア「おい!オレの夕飯は残ってるのか!?」 妻「アンタは今すぐイノシシ捕ってきなさいよ!」 ア「えぇ、勘弁してくれよぉ!」 ノ・ユ「あはははははは!」 ア「笑顔が出たな」 アギロは2人を見つめながら微笑んだ。 ア「笑顔になれれば、どうにかなる」 ノ・ユ「は、はい!」 妻「着替えも入れといたよ。あんたら服も持ってないんだろうから」 そして浜へと戻る。 海のきらめきが見えた頃、ユキは大きな声を上げた! ユ「あぁ、そういえばイカダ!!まずい!」 ユキは慌てて駆けだした。イカダは流されてしまったのではないか!? 3人が駆けていくと、やはり浜辺にその姿はない・・・。 ユ「どうしよう・・・」 ノ「造れるんでしょう?イカダ」 ユ「まぁそうだけど・・・」 ア「えっへっへ!」アギロは満面の笑みを見せた。 ノ・ユ「え!?」 ア「えぇっとなぁ・・・」アギロは浜を見渡す。 ア「おぉ、あれだ


第14節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』 +4コマ「ノアちゃんとお花」
第14節 3人はやがて集落にたどりつく。コーミズとよく似た素朴な村だ。木の家がまばらに立ち並んでいる。クダカの村というらしい。 アギロはそのうちの1つの軒下をくぐった。 女「あらおかえり」女房らしき女が出迎えた。 ア「客人だ。えっへっへ」 妻「おやまぁ!」 ユ「ど、どうも」 家の前で子供たちのはしゃぎ声が聞こえる。 男は何かを思い立つと、再び表に出てその子らに声を掛けた。 ア「おいププル、ちょっと浜に遊びに行ってこい!」 プ「はぁーい」 子供らは一瞬ぽかんとし、しかし男の言うことを聞くのだった。 ア「えっへっへ。息子だよ」彼の息子が混じっているらしかった。 ア「なんか温ったかいもの作ってやってくれよ」 妻「はいはい」 言葉はぶっきらぼうだが、情のある人たちであるらしい。 料理の完成を待つ間に、2人は眠ってしまった。夫婦は2人を起こさなかった。 居間の囲炉裏でスープが静かにクツクツと音を立てている。 ?「邪魔するぞ」 夜は20時を回った。2人を起こしたのは、玄関から聞こえる新たな声だった。 ?「見慣れぬ者がいると聞いたぞ?」 ア「あぁ村長さんか。明


ラノベ『天空の城』キャラデザインが揃ったぞ!(*'▽')
表紙やタイトルロゴも絵夢さん! 自著ラノベ『天空の城』のキャラデザインが少しずつ追加されていっていることは、このサイトをよく訪れてくださる方は気付いていたでしょうか? この度ついに、著者の予定しているキャラすべてにデザインが付きました(*'▽') キャラクターデザインを担当してくださったのは絵夢さん。30名以上のキャラを描いてくださいました! れいちゃん サフランローブのれいちゃん れいちゃん 顔をアップにすると益々かわいいの知ってた!? 主人公のれいちゃんは、「シータみたいな女の子」という像が私の中に明確にあったので、「シータの顔でダイアナの髪型。シータに超似てていい」という感じで明確に要望を出しました。「宮崎さんのような人物画が描けるかわからない」と絵夢さんはおっしゃっていたのですが、直後に上がってきたれいちゃんのラフ画がもう私のイメージにドンピシャ!!(♡▽♡) 作者の私にとって、れいちゃんに命が宿った瞬間です!!! 最初に描いてもらった薄紫服のれいちゃんは、ドラクエに出てくる《サフランローブ》という装備品をモチーフにアレンジしていただきま


エピソード127 『天空の城』
エピソード127 鍛「いいけどよ、カネは取るぜ?これだって立派な仕事だよ姉ちゃん」 れ「は、そうか!」れいは名案に興奮していたが、お金のことまで頭が回っていなかった。今高価な鎧を買ったばかりである。 鍛「そうだな。3,000ゴールドだ」 れ「3,000!そ、そんなにするのですか・・・」 鍛「そりゃおめぇ、特注品作るんだからなぁ。教科書のない作業だしよ。失敗は許されねぇしよ」 れ「いえ、文句を付けるつもりはないのですが、あの、お金が足りないのです。 今この鎧を買って使い果たしてしまって・・・。残り1,000ゴールドくらいしか」 鍛「じゃぁ諦めるしかしょうがあんめぇ」 れ「でも、その、でも・・・ 私、上等な鎧が着れないと、元いた街に帰ることすら出来なくなってしまいます・・・。このあたりの魔物は強いので」 鍛「うーん、命乞いされちまうと何も言えなくなっちまうよ。 そんなことばっかだから、商売あがったりでさぁ」 あぁ、鍛冶屋さんも困っているのか! れ「では、あの、前借りというのは出来ませんか? 後で必ず、お金を払いに来ます!この鎧を着れたら魔物を


第17節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第17節 アギロは改めて胸騒ぎがしたが、クダカ村はもうすでに、毒に冒されはじめているのだった。 3人が次に見たのは、村のはずれの道端に御座を広げる見慣れぬ行商の姿だった。3人は行商というものを見たことがなく、それが行商だと最初はわからなかったが。 御座の上にはメロンやスイカなど、この村では採れないフルーツが並んでいる。 ア「なんだこれは?」アギロはその行商に声をかける。 商「おぉ!異国の美味しいフルーツが、1つ5ゴールドだよ!ここにあるぶんでおしまいさ!」 ア「おい、クダカは商売が禁じられているはずだが?」 商「えぇ?そうなのかい?みんな立ち話で取引してるじゃないか」 店を構えずに行われる商売があるのだ! ア「おまえ、北の村の者だな? この村にやってきて、メシや寝床は村のやつがタダで施してやったはずだ。 それなのにおまえは、それをカネで売るのか?」 商「そりゃぁアレだよ、イノシシのスープや藁の寝床は腐るほどあるだろ? でもフルーツってのは希少なんだからさ。高い価値が付くってもんさ」 ユ「そうか。こうして珍しいものを欲しがる気持ちから、お金


エピソード71 『天空の城』
エピソード71 れいはさらに町を歩いた。迷子になりながら歩いた。先を急ぐわけではないのだから、防具屋を探しながらこのユニークな町の迷子を楽しむのだ。猫に出会い、子供に出会い、行き止まりに出会い、不良に出会う。 少し大きな通りに出ると、道端で絵を描きながら売る、路上絵描きを見つけた。そんなに買う人が多いとは思えない。しかし彼は恐らく、誰が買わずとも外に出て絵を描くのだろう。売る行為は「ついで」だ。 人々が何を考えているのか、何を思っているのか、想像しながら歩く。それはれいの想像が及ばないこともある。つまり頭の中にも世界はあり、れいは頭の中でも、自分の小さな村から外に出ているのだ。そうしてれいは、自分の世界を広げていく。そうして旅人は、自分の世界を広げていく。 想像したところで人の気持ちはわからないことも多々。話しかけてみる。失礼かもしれないが、「そんなにお客さんがいるのですか?」とも聞いてみる。すると「売ることは『ついで』であり、どっちでもいいんだ」という返事が返ってくる。なるほど、やはりそうなのか。 やがて防具屋を見つけた。民家であるが、ちゃんと


エピソード1 『天空の城』
第1章 幸福な村から エピソード1 れい キャラデザ by 絵夢さん 「世の中には、どんな本にも書かれていない物事もある。 ではそれを知るにはどうしたらいい? 広い世界に旅立って、自分の目で見るしかない。 もしくは・・・ 天啓を賜(たまわ)る尊い器になるしかない。 女神がそなたにそっとささやく。誰も知らぬこの世のヒミツがある」 れ「お婆ちゃん、またその話ぃ~?」 れいは最近、ちょっと心配でちょっとヘキエキだ。祖母のローズがどうも、同じ話ばかりするからだ。 「呆けはじめてしまったのだろうか?」と心配になるし、同じ話ばかりされて鬱陶しくもある。 そして、れいが新しい本を借りてきて読み始めるようなときにばかりこれを言うので、なんだか趣味を邪魔されているような気持ちにもなるのだ。 ローズおばあちゃん キャラデザby絵夢さん ロ「本を読むのは良いことじゃよ。でもそれで終わりじゃない。 本を読むことは冒険の始まりじゃ。本を読むことは、『旅に出たい!』と好奇心を抱く、その引き金にすぎない。 勇者は皆、旅人じゃった。賢者も皆、旅人じゃった。...
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