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第32節 ~モモの正義~ 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第32節 ~モモの正義~ モモ 場面は変わって、それは3年ほど前のこと。 モモは一人、世界の僻地をさすらっていた。 モ「聞いてくれよ長老さん!アンタらの村を助けたいから言ってんだ! つまりこういうことなんだよ! 龍ってのは善なヤツも悪いヤツも両方いるんだ!」...


第31節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第31節 モモ モ「ところで、あんたたちの旅はどこに向かってるんだい?」 2人は顔を見合わせた。 モ「あぁおかみさん、番茶を3つおくれ! 2つは大盛りにしてやってくれ?贈り物なんだからね。 へへへ。あたしのおごりだ。話すとノドが渇くね」 ノ「どうもありがとう」...


第30節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第3章 お金 第30節 同じ村にいればモモにすぐ会えると思ったが、意外とそうはいかなかった。彼女はどこに行ったのだろう?あの日、井戸場で夜中に「うるさい」とクレームを受け、彼女は翌日、村の遠いところまで場所を変えたのだった。同じところでばかり演じていても、その住民は踊りに飽...
第29節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第29節 昼ご飯と作戦会議を済ませると、2人は思い切って、労働というものに挑んでみることにした。 宿屋に戻り、店主に掛け合ってみる。いつもぷんぷんしているが、何だかんだ言って面倒見はいいらしく、コメ農家に紹介状を書いてくれた。「旅人であるらしいが働かせてやってくれないか?そ...
第28節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第28節 翌日。2人はまたモモに会いたいと思い、井戸まで歩いていった。 そこにモモの姿はなく、2人は落胆した。ノアは妙にモモのことが気になった。色々な要因があったが、その1つとして、モモの姿はコーミズを旅立った朝に夢に出てきた天女に、どことなく似ていた。「手をつなぐことを恐...


第27節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第27節 モモ モモとの会話は続いた。ノアは尋ねる。 ノ「毎日、村の人はお金をくれるのですか?」 モ「はは。踊ってたってぜんぜんおひねりが貰えないときもあるよ。踊りで稼ぐならそういう覚悟が必要だ。収入の安定する稼業じゃない。...


第26節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第26節 宿から外に出る。つい1時間前とは打って変わって、1日が終わる村は静かになっていた。 しかしどこかの方角でわいわいと騒ぎ声がする。否が応でも興味が引かれる。2人は声をするほうへ行ってみた。 見知らぬ女が、井戸のそばで歌いながら舞っているのだった。 モモ キャラデザ...
第25節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第25節 夕刻前に2人は村に戻る。村の中には珍しいものがたくさんありそうで、それを見て周りたい気持ちもあったが、昨日の男にお金を返すのが先決だ。あまりよそ見もせずに宿に戻り、宿の居間で夕食をしながらルドマンが顔を見せるのを待った。...


第24節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第24節 翌日は、近郊の森へと魔物退治に繰り出した。 村の近くの平原には魔物はいないが、なるほど森の中まで踏み入ると、獰猛な生き物に遭遇する。奴らは人間を見ると襲いかかってくる性質があるようだ。 大ねずみが2匹あらわれた! 大ねずみ...
第23節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第23節 話の嚙み合わない一行に、助け舟を出す者がいた。 男「おいおい!そう責めたてんなよ。 他所から来たんだろう?どっか田舎から来たんだ。可哀そうに。 もっと優しく説明してやる必要がありそうだよ」 2人は声のするほうに振り向いた。 宿「だがタダ飯食わすわけには・・・」...


第22節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第22節 ユ「はっ!」ユキは左手で懸命に目のしぶきをぬぐい、目の前の現実を見る。 そこに差し出されたのは、巨大なクモの脚・・・ではなく・・・ ユ「お、オール!?」 ?「ほら、掴まれ。舟に上がれ」 野太い声が言った。 ユ「!!人か!!...
第21節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第21節 アギロの村を出て4日目、もう食料は尽きた。 今日こそは何かを見つけたいと思ったが、2人を出迎えたのは大きな島ではなく、大きな灰色の雲だった。天気が荒れはじめる。 波は高くなり、イカダは激しく揺れるのだった。オールで漕ぐのもはかどらない。...
第20節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第20節 日の傾きとともとに、とつげきうおの飛来は増えていった。 ユキはまたヤリを構えて腰を入れたが、いつも見事に倒せるわけではないのだった。とつげきうおは鋭い背ビレでユキの体に切り傷を与えていく。 ユキはモリで魚を獲るときのように、深く集中した。...


第19節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第19節 イカダによる旅は決して楽なものではなかった。 オールを漕がないと浜に戻ってきてしまうからな!と言われたが、ずっとオールを漕いでいるのは腕が痛くて無理がある。休んでは漕ぎ、休んでは漕ぎ、そしてそのインターバルは徐々に長くなっていった。...
第18節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第18節 一行はまず、アギロの家に戻った。ヤリや短剣は家に置いたままだ。 それを拾いあげ、妻に挨拶をすると、妻は台所からたくさんの果物と干物、そして替えのシャツを2人に手渡すのだった。 ア「おい!オレの夕飯は残ってるのか!?」 妻「アンタは今すぐイノシシ捕ってきなさいよ!」...
第17節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第17節 アギロは改めて胸騒ぎがしたが、クダカ村はもうすでに、毒に冒されはじめているのだった。 3人が次に見たのは、村のはずれの道端に御座を広げる見慣れぬ行商の姿だった。3人は行商というものを見たことがなく、それが行商だと最初はわからなかったが。...
第16節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第16節 3人は村の井戸場まで出てきた。 ?「やはりお金を導入し、よその国と貿易をすべきだ!そうじゃないか?みんな! 神の掟だかなんだか知らないが、古臭い文化をいつまでも続けるのは間違っているぜ! やはり村長は投票で決めようじゃないか!」 衆「わーー!」...
第15節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第2章 神の怒り 第15節 「大変だーーーー!!!」 翌朝は、誰かの叫び声で起こされることとなった。 2人は飛び起きる。知らない町で朝を迎えた感慨に浸る間もないのは、少々もったいないが仕方ない。 一行は声のする方へ駆けつける。村にある大きな蔵だ。様々なものの貯蔵庫である。...
第14節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第14節 3人はやがて集落にたどりつく。コーミズとよく似た素朴な村だ。木の家がまばらに立ち並んでいる。クダカの村というらしい。 アギロはそのうちの1つの軒下をくぐった。 女「あらおかえり」女房らしき女が出迎えた。 ア「客人だ。えっへっへ」 妻「おやまぁ!」 ユ「ど、どうも」...
第13節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第13節 ザザーン ザザーン 沖に出ると、ユキはオールで漕ぐのをやめた。 そして、今来た西の浜を遠く見やった。もう島も見えないが。 ノ「そういえば、『魚が凶暴になる』ってほむら祭りのときに神様が言ってたわ」 ユ「いや、あれは魔物だったんだろう。ただの魚じゃないよ。...
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