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えぴそーど97 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年12月24日
  • 読了時間: 4分

えぴそーど97


ヒナタたちはとりあえず宮殿から離れ、安全を確保した。

カ「何なのよ思い出の場所って?」

ヒ「そりゃあの花畑しかないでしょ(*'▽')

 あの言い方をすれば他のやつらにはわかるまい!」

ミ「意外と天才なのよね( ˊᵕˋ* )」

カ「でも、ヴァイオレットちゃん一人であそこまで来るのも無理があるわ。道中には魔物がいるもの」

ヒ「どうにか、どうにかするんだばいよれっとちゃんよ!

 わしはおぬしの可能性を信じておるぞ!!」

ミ「どこの賢者さん(^▽^;)」



場面はドイテの城に戻る。

執「ふう。侵入者はあっさりと引き下がってくれましたね。

 姫様が無事で何よりでございます」

ヴ「そうね。みんなもう下がって。わたくしは疲れちゃったわ」

ヴァイオレットの部屋は静かになった。

ヴ「うーん。思い出の場所ってきっとお花畑のことよね。

 あそこなら歩けない距離じゃないけれど・・・でも道中には魔物が出るわ!!

 わたくしに魔物なんて倒せるはずもないし・・・一体どうすれば・・・」

ヴァイオレットは途方に暮れた。


ヴ「おや?」

化粧台に、見慣れぬ小瓶がある。

ヴ「とっても美しい装飾の施された小瓶・・・

 わかったわ!

 きっとこれは、特別なチカラを持ったすごい《聖水》!!

 《聖水》は、魔物を寄せ付けないチカラがあるんだったわね!

 あぁヒナタ!きっと彼女がこっそり置いていってくれたんだわ!!

 わたくしの尊い救世主様!!!」

キョロキョロ。ヴァイオレットは周囲を見渡した。誰もいない。

ヴ「よぉーし・・・!」

ヴァイオレットは小瓶のふたを開け、自分の体にすべて振りまいた!

ヴ「ぐぉぉぉぉぉ!!とてつもなく臭い!!!

 でも良薬口に苦しよ!!きっとすさまじい《聖水》なんだわ!!」


いいや、

ヒナタが忘れていった単なる香水であった!


ヴ「《聖水》の効果が切れる前に!お城を脱出するのよ!!」

ヴァイオレットは自分の部屋の窓から、意を決して城を抜けだした!


ヴ「うぉーー!お花畑!お花畑!

 ヒナタちゃん!ヒナタちゃん!」

ヴァイオレットは無我夢中で駆けていった!

危ない!魔物たちに見つかった!


しかし!



ヴァイオレットが臭すぎて、魔物たちは近寄れない!!!!!



ヴ「うぉーー!お花畑!お花畑!

 ヒナタちゃん!ヒナタちゃん!」



その頃。お花畑では、ヒナタは先刻のヴァイオレットのようにそこに寝ころんでいた。

ヒ「カーンナちゃんのしつじー、しつじー、しつじー、

 カーンナちゃんのしつじー、かわいいーな♡」

カ「ちょっと!怒っていいのか褒めていいのかわかんない替え歌ヤメてくんない」

ミ「何を言っても漫才になるのね( ˊᵕˋ* )」

セ「かっわっいーぃな♡」セナは執事姿のカンナを想像している!

ヒ「はぁあ。

 お花畑まで冒険してくるのも、お姫様には無理かなぁ」

ミ「魔物を倒すのはちょっと無理がある気がするわねぇ」

ヒ「カンナくん。ちょっとイケメン騎士のコスプレをして護衛をやったらどうかね?」

カ「自分でやりなさいよ」

ヒ「カンナの騎士コスプレが見たいんだよぉ♡」

カ「知らないわよ」


ヴ「ヒナタちゃーーーーーん!

 ヒナタちゃーーーーーん!」

一行「!!!」

ヒ「あの声は!もしや!?」

ヒナタは飛び起きた!

ヴ「ヒナタちゃーーーーーん!」

ヒ「おぉぉぉぉぉーーー!!

 ばいよれっとちゃぁぁぁぁぁん!!!」

ヴァイオレットは両手を広げて駆け寄ってくる!

二人は鮮やかに美しい花畑の真ん中で、感動の抱擁を・・・


ヒ「ぐぉぉぉぉ!臭っせぇーーー!!Σ( ̄□ ̄|||)」

ヒナタはすばやく身をかわした!!


ヴ「きゃぁーー!!Σ( ̄□ ̄|||)」

ズターーン!ヴァイオレットは花畑に倒れ込んだ!


ヴァイオレットは顔をすりむき鼻血を出しているが、へこたれない!

ヴ「ヒナタちゃん!

 わたくし、あなたのおかげでここまで冒険できたのです!!

 あなたがコッソリ置いていってくれたすごい《聖水》のおかげで、魔物たちの荒波をかいくぐって一人でここまで来られました!」

ヒ「え?アタシが《聖水》?」

カ「ヒナの香水の臭いだわ」

ヴ「え?香水??」

カ「あはは。ヒナタがヴァイオレットちゃんの部屋に置き忘れていった香水を、《聖水》とカンチガイしたのね」

ミ「あははははは!」

ヒ「《聖水》じゃなくてだたの香水だよ~(^▽^;)」

ヴ「《聖水》ではなかったのですか!

 でも、昨日まで不可能と思っていたことも、出来るような気がしたのです!!」

ミ「結果オーライ、ってやつね(^▽^;)」

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