top of page

えぴそーど53 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年12月24日
  • 読了時間: 4分

えぴそーど53


夕刻。陽が落ちたころ、夕飯を食べるために一行は宿を出た。

すると、昼間モコモコショールが売られていた場所に、また屋台が出ている。

?「さぁ~寄ってらっしゃい見てらっしゃい!

 世界一モテモテなダーリン国の紳士たち!

 今夜も奥さんとイチャイチャしたいだろう?

 女をメロメロにする最新の秘訣はコレだよ!

 大理石張りの豪華な一軒家を狙っちまえ!」

今度は商品ではなく、ポスターを掲げて商売をしている。

衆「うん?なんだって?大理石もついに家の建材か~」

衆「家じゃ高すぎるよな~」

男「誰も買ってないじゃないか。それなら飛びつく必要もないな」

?「おぉっとそれは間違いだよダンナ!

 みんながショボい家に住み続けるからこそ、ダンナが大理石の家を買ったら・・・奥さんどころか他のおなごまでメロメロさぁ~!夢のハーレムだぜぇ!」

男「そうか!抜けがけしたらモテモテなんだな!」

?「今なら30年ローンでも相談に乗るぜぇ~!」

男「よぉーし買った!」

?「契約書にサインを貰うぜ!すぐに建築始めるからな!」


ヒ「家が一軒売れちゃった( ゚д゚)ポカーン」

ミ「昼間と同じ男ね」

カ「女にも男にも、『流行だ』ってけしかけて、次から次へと浪費させるんだわ。

 これって悪徳商売なんじゃないの?」


メンザイを倒して自信を得たヒナタは、ひょうひょうと突っかかっていく。

ヒ「ねぇおじさん?悪者の疑いがかけられていますぜ(・∀・)」

?「なんだ君は?」

カ「恋心に付け込んで、良からぬ商売してるんじゃないの?」

?「無礼な!私を何者だと思っているんだね?

 私は良縁子宝の神、欲チイ(ホチイ)様であるぞ!

 私のおかげでこの町は発展したのだ!!」

ヒ「なんかその名前、悪者確定ーっΣ(゚□゚︎`)」

欲「何を言う!どういう意味だ!?」

カ「なんかアンタみたいな人、最近いっぱい倒してきたわ」

欲「ま、まさか!

 私の愛しいメンザイちゃんをいたぶったのは貴様らか!?」

カ「いいえ!私たちではないわ!!


 あくまでこの子よ!!!」

カンナはヒナタの背中を突き飛ばした!

ヒ「えぇーーーーーΣ( ̄□ ̄|||)

 ・・・まぁそうはそうだけどぉぉぉ(;・∀・)」

カ「いや、ジョーダンよ。

 倒すべき悪者ってことが露わになったわ。みんなで倒しましょ」

ヒ「いいね、みんなの合体技っ( ´∀`)b

 くらえぇ!」

ヒナタは体の前で何やら十字を切るようなアクションをした!

ヒ「ぷりぷり・フローラルパワー・フォルティシモぉぉぉ!!!」


しかし何も起こらなかった!


ヒ「あれ?(;・∀・)」

カ「知らないわよどんな技か。

 何も出しようがないわよ」

ヒ「もぉ!そこをどうにか気を利かせてくれないとぉ!」

カ「ていうかそこは、ドラクエの技を叫んどくべきじゃないの?」

ヒ「ドラクエよく知らないし(;・∀・)」

ミ「ドラクエの勇者なのに・・・(^▽^;)」

カ「他でもなくそこだけは、お兄ちゃんから学んでおくべきことだったんですけど(´_ゝ`)」

ヒ「えへ♡」

カ「やっぱいいわ。派手なことやると町燃やしちゃいそうだし。

 すみません長々と、待機していただいて」カンナは深々とおじぎをした!

欲「あぁ、いえいえ(^▽^;)

 ってなんてお前たちのペースに飲まれなきゃならんのだ!!」

カ「《ヒャダルコ》!」

ピキーン!氷の波が欲チイに襲いかかる!

欲チイをやっつけた!!


ヒ「こらぁぁぁ!ぬけがけするなぁぁぁ!

 アタシも何か燃やしたい!」

カ「じゃぁあの家の契約書、燃やしてあげなさい」



一行の活躍により、この町も一件落着!と思った矢先だった。

なんとその日の晩、魔王軍による夜襲があった!

このダーリンの町もほとんど壊滅に陥るのだった。

今回の襲撃は、魔王ユイ・ハツネ本人ではなく、無数の魔物が派遣されていた。あちこちで破壊や放火や略奪を重ねた!

一行は寸でのところで逃げ延びた。町の外まで出られればあとはトロデが運んでくれる。

戦闘能力が高い冒険者が町から逃げても、魔物たちは追ってくる気配がなかった。やはり目的はこのダーリンの町を破壊することにあったようだ。

体勢を立て直しさえすれば、少々の魔物は撃退できそうにも思えたが、一行はあまり手出しをしなかった。救うべき町民なのかと問われれば、何とも言い難い。


ミ「魔王より先に、私たちはこの町にたどり着いたのね」

ヒ「追いかけっこ、追い越しちゃってたじゃーん(∩´∀`)∩」

カ「だからって勝ちなわけじゃないのよ!」

bottom of page