えぴそーど98 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
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- 2024年12月24日
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えぴそーど98
すると、空が急に曇りだした。ねずみ色の雲が空を覆っている。
ヒ「うん?雨降るのかなぁ。ムードの読めないヤツめ」
?「はっはっは!至らぬ登場シーンで申し訳ない」
どこからか不思議な声がする。
ヒ「むむ?なんか聞き覚えのあるような・・・」
ヴ「何なの!?」
すると一行の前に、大きな緑色の、細長い体の龍が姿を現した!!
ヒ「どわーーーーー!!!
シェンロンだぁーーーーーΣ(゚□゚︎`)」
ヴ「きゃぁーー!!姫をさらうおとぎ話の魔物なのー!?」
カ「大丈夫よ。悪い生き物じゃないから」カンナはヴァイオレットをなだめた。
龍「我は緑龍なり」
ヒ「またお願いごと叶えに来てくれたの!?」
龍「残念ながらそうではない。
今回は神託である」
ヒ「いやーぁ、人助けポイントが10貯まったからかなぁ( ̄▽ ̄)」
龍「紫の名を持つ女よ」緑龍はヒナタを無視している!
ヴ「え!わたくし!?」
龍「そうだ。紫の名を持つ者よ。
そなたはよくやった。よくぞ小さな冒険を乗り越えた!」
ヴ「いいえ、大した冒険じゃないのですぅ」
龍「そうだ。てんで大した冒険ではない。
しかしこれは、遥かなる冒険への、勇ましい第一歩!」
ヴ「!!」
龍「すべての遥かなる冒険は、小さな一歩から始まる。
その一歩すら踏めぬ者の群れの中で、そなたはよく勇気を出した!
褒めてつかわそう」
ヒ「『褒めてつかわそう』なんて偉そうな物言いしてるけど、龍ってお姫様より偉いのかなぁ??」
龍「はっはっは!ご名答。
龍なんぞまったく偉くはない。姫のほうがずっと位が高い。
しかし、何の権威もない龍の言葉を、信じるか?
紫の名を持つ者よ。
そなたはすさまじいポテンシャルを秘めている。
今日の冒険は本当に、ほんの些細な第一歩。
快適な家を飛び出し、山を登り、谷を渡れ。
誘惑をかいくぐり、偽善を倒せ。
武器や防具だけではない。ガラクタも偽物も、あらゆものを駆使して戦え!
嘘も、思い込みも、叫び声も、なんでも駆使して自分を起こせ!
紫の名を持つ者よ。そなたはそれをやってのけるだけの、すさまじいポテンシャルを秘めている・・・!!」
ヴ「わ、わたくしが・・・!?」
龍「はっはっは。
龍なんぞまったく偉くはない。
何の権威もない龍の言葉を、信じるか?
信じないのもそなたの自由。
紫の名を持つ者の9割9分は、龍の言葉など信じない。
そしていつまでも、快適な家で高価な家具に埋もれて、金持ちの男に媚びへつらいながら、ぬくぬくと暮らし続ける。
勇者を超える才能を持て余し・・・、残念なものよ」
ヴ「勇者を超える、才能を・・・?」
龍「ではさらばだ。
いずれまた、高みで会おう」
ピカ―――――!!
龍はまぶしく光ると、一瞬で消えてしまった。
空を覆う雲も、消えていった。
ヴ「わたくしに・・・冒険なんてできるのかしら・・・!!」
ヒ「行こう!トロデの背中に乗ってもっと一緒に行こうよ!」
ヴ「ええ!・・・でも・・・」
?「ふぉっふぉっふぉ。
今日のところはその辺までにしておきなされ」
一行「!?」
ヴ「主治医のアーウィン!
どうしてこんなところに!」
ミ「外に出たいお姫様の味方をしてくれた、主治医の人ね?」
ア「ふぉっふぉっふぉ。薬草を摘みに出ていたら、たまたま姫のピクニックを見かけたもんでな。
姫。いずれ旅立ちたいなら、わしが助太刀もしようぞ。
姫とともに、国を捨てる覚悟すらある。
でも今はまだ早すぎる。戦うチカラを、蓄えておきなされ。
いつもずっと、臭い《聖水》を身にまとうわけにもいかんじゃろう?
それじゃ男に嫌われてしまう。ふぉっふぉっふぉ!」
ミ「そうね。わたくしまだ色々と、足りないの。
憧ればかりが大きくて、冒険するチカラが足りないわ。
でも!
でも、いつかはまたヒナタに会いたい!!」
ヒ「はっはっは!
では次の待ち合わせは魔王んちにしようじゃないか(・∀・)」
カ「そこじゃなくてよくない?」
各々は、惜しみながらも互いに別れた。
ヒナタたちはここに留まってもいられない。目的はまだ道半ばだ。
ヒ「えぇー、まだ続くの!?
ばいよれっとちゃんの冒険より楽しいエピソードなんて、書けるわけなくない!?」
カ「そうかもしれないけど、魔王をほったらかしてエンディング迎えるわけにもいかないでしょ」
ヒ「たまにはイイんじゃね?放置プレイも(´_ゝ`)」
カ「だーめ♡」