えぴそーど99 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
- ・
- 2024年12月24日
- 読了時間: 3分
えぴそーど99
最後に訪れたのはイキリスだ。
先日の世界サミットの様子では、イキリスこそがヨッパラ連合の総大統領の大本命、という雰囲気だった。
やはり本命は頼もしいのだろうか?それとも見かけ倒しなのだろうか?
真実を究明すべく、ヒナタたちはこの国も探索に繰り出す。
イキリスの宮殿へと赴く。入れてはもらえるのだろうか?
一行はまたハラハラしたが、宮殿の番兵はカンナの姿を見ると、「よくぞ参った!」と歓迎の声を上げるのだった。
兵「志願兵だろう?何人でも歓迎するのである。今の間はな。
実入りの良い仕事なのだから、定員が埋まらぬうちに席を勝ち取っておけよ!」
カ「え?えぇ、まぁ」
話がよくわからないが、通してくれそうなのでこの機会を逃がすわけにはいくまい!
テキトーに話を合わせてとにかく宮殿への侵入には成功した。
ヒ「志願兵って言ってたよ?
強い人募集してるのかな?」
カ「よくわからないけどそういうハナシなんでしょうね。
でもイマイチ要領を掴めないわ」
王様の前で「何の話ですか?」とすっとぼけているわけにもいかないので、宮殿の兵士に情報収集を試みた。
カ「ねぇ、冒険者を募集してるって聞いたから来たんだけど、詳しい話はよくわからないの。王様は何を求めているの?」
兵「おぉ、たしかになかなか強そうだな。
なぁに、ニュヨークまで買い出しに行く商人たちの、護衛を募っているのだよ」
ヒ「えぇ?ニュヨークは魔王に滅ぼされちゃったじゃん!」
兵「そうだが、すべてが壊されたわけではない。
世界一の商業都市であるニュヨークには、壊滅した今もアイポーンなど高額商品が転がっている。
そしてイキリスには、ニュヨークと地下で繋がる秘密の洞窟があるのだよ。
大きな声では言えないのだが、昔からこうして、イキリスとニュヨークは密に交流をしてきた。
商人たちはニュヨークに残る希少品で億単位の商売をする。
イキリス政府はその護衛をしてマージンを得る。まさに一石二鳥だな!」
カ「卑しい商売ね。火事場泥棒じゃない」
兵「うん?何か言ったか?」
カ「いいえ、何も。
私も護衛のお手伝いが出来るかもしれないわ」
兵「あぁ、王様に謁見するがよい。通行は許可する!」
一行は王の間へとたどり着いた。
王「よくぞ参った!
ここは世界一勇猛な国イキリス。我はその王。
ヨッパラ連合を束ねるのはイキリスこそが相応しい」
カ「どうも。志願兵を募集していると伺ったのですが」
王「おぉ、募っておるぞ。
良い仕事を果たした者には褒美も弾む。
しかし。
誰でも採用するわけではない」
カ「というと?」
王「ドラゴンを退治して、連れてまいれ。
イキリスと言えば、ドラゴンと騎士の国!」
ヒ「ドラゴン??
そんなのムリじゃね!?Σ( ̄□ ̄|||)」
王「この国に巣食うドラゴンならどの種でもよい。
ドラゴンキッズならそう難しいこともなかろう」
ヒ「ドラゴンキッズって《メラミ》でも倒せる??」
王「はっはっは。《メラミ》の使い手ならたやすいであろう。
ただし。倒してきたドラゴンの強さによって、衛兵としてのランクも報酬も変わる」
すると、大臣が横から口を挟んだ。
大「王様!やはりその案は取りやめにされたほうが!」
王「これこれ、客人の謁見の邪魔をするでない!」
大「しかし、命の危険が・・・!」
王「冒険者なら自己防衛くらい心得ておる。
ドラゴンの1匹くらい、倒してくるのは造作ないこと。
まぁドラゴンキッズで精いっぱいではあろうがな」
カ「ドラゴンを倒したことは、どうやって証明すればよろしくて?」
まさか首を持って帰りたくなどないものだ。
王「倒したドラゴンのツノを持ち帰ってくればよい。
それで成否やドラゴンの種もわかる」
カ「なるほどね。現実的な話だわ」