top of page

エピソード12 『無人のお祭り』

エピソード12

彼はおそらく、

そのうち、お金の介入しない自給自足の共同体を、

与那国かどっかにひっそりと築くだろうと思う。


なにしろ、彼は、

モノやサービスを循環させるにあたって、

イチイチお金を介入させる現在のシステムについて、

「煩わしく非効率的だ」と、悟っている!!

資本主義経済がナンセンスであることを、悟っている!!

スピリチュアリストではないし、

フィンドホーンもダマヌールも知らないけど、悟っている!!



悟っているだけでなく、自ら実践出来ている!


彼は、父親の遺産と自分の貯金を合わせて、

この宿を造ったらしいのだけれど、それにしたって、

貯金には限りがある。

それなのに、

ほとんど宣伝もせず、客引きもせず、

この秘密基地さながらの宿に純粋に共鳴する旅人だけを、

シビアに選り分けている。

だから、客がほとんど来ていない。

この日は僕1人しか居なかったし、翌日ももう1人来ただけだった。

それでも、

焦りもせず、ただ静かに待ち続けている。


そして

自分が持っているものは、何でもカンでも、

惜しみなく、誰にでも、タダ同然で、シェアしてしまう!

彼はおそらく、

誰かが宿代を踏み倒してトンズラしても、

追いかけないし、怒らないだろうと思う。


表面上は、

1泊2,000円というお金を取っているけれど、

それは、客を依存させないため(甘やかさないため)であって、

彼自身にとっては、

利益があっても無くても、どっちでも構わないんだろうと思う。


だから、食事にせよ洗濯機にせよ、

「気が向いたら募金箱に入れといてね」で、済んじゃうのだ!


彼は、全ての商売人たちとは逆で、

「出来るだけ、お金の請求をしたくない」のさ(笑)



また、彼は、

「自発性」や「自立」の重要性を、とても理解している。

「父性愛」を極めているんだ。

だから、

各種の家電や設備に関しては、なるべく良質なものを揃えるけど、

「手出しをしないで、自分でやらせる」のだ。

「メンドクサイから」という理由から、シーツを客に敷かせるのではなく、

「自分のことは自分でやるのが、当人にとって有益だ」

ということを解っているから、客本人に委ねるのさ。



彼自身は、とても働き者なんだ。

なにしろ、

この宿自体、自分の手で組み立てたヒトなのだから(笑)


また、この日も、

「庭周りの何かが壊れた」と言って、

あちこちウロウロしながら、修復作業を行っていた。


お母さんが来る前は、

料理も自分でやっていたし、かなり得意らしい。

素潜り漁まで、得意としているらしい。

およそ、生活のあらゆる事柄を、

自分でやってのけるスキルを、持っているんだ!

「あらゆるスキルを持っている」ということは、

「あらゆることを、他人任せにせず、自分でやってきた」のさ!


『無人のお祭り』

最新記事

すべて表示

エピソード158『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード158 ドラゴンの姿のキキは世界樹の残骸の上にふわりと降り立った。 3人と馬をそっと地面に降ろす。 そしてすぐに10歳の少女の姿に戻った。 キ「ふぅ!みんなお疲れさん♪」 な「キキちゃぁーーーん!怖かったよぉぉ!!」 ななはキキに飛びついた。 キ「よしよし。よくやったねぇ」キキはななを優しく抱きしめ労った。 ゆ「キキちゃん強すぎ!」ゆなもキキを抱きしめる。 キ「へっへーん♪ だから言った

エピソード157『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード157 キキはジロっとエビルプリーストを睨みつけた。 キ「最後はみんなで戦いたいの。協力してくれる?」 3人は力強くうなずく。 キキの背後には、さっきの天使たちが光の粒の姿となってキラキラと輝いた。 キキは両手を構えて魔力を集中させる。 キ「山よ、海よ、花よ、宇宙の無数の精霊たち。そして新たな天使の友人たち。 精霊ルビスの御名の元、今こそ我に力を与(くみ)し賜え。 ただただ不届きものを滅

Comments


bottom of page