エピソード27 『トランク1つで生きていく』
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- 2023年3月9日
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麗子さんの民泊は素泊まり宿で、食事は付かない。
けれどしょっちゅう、麗子さんは私に手料理を振舞ってくれる。
私もまた、麗子さんや子供たちのぶんまで料理をしたりする。
ときどき私が、子供たちの宿題を見てあげたりする。
子供たちが私のために、スーパーに買い物に行ってくれることもある。
私たちは二人とも、スーパーでアルバイトすることにした。
麗子さんが働いている間に、私が民泊の接客をしたりもする。
みんなで一緒に海を見に行ったり、ドライブしたりもする。
私はときどき、麗子さん家を離れて沖縄観光をする。
沖縄と一口に言ったって、島はたくさんあるし海もたくさんある。
現地でアルバイトを見つけて、そこで1ヶ月暮らしたりもする。
宮古島でタカユキさんとハチ合わせしたときには、それはそれは驚いた。
時には誰かにトキメいてしまい、
さながら同棲生活でもしている気分で、ドキドキしながら過ごす。
そしてまた、「のり付け」しないうちに離れてくる。
私にとって、
旅は暮らしで、暮らしは旅だ。
私はもう、日本ならどこででも生きていける。
トランク1つを、相棒にして。
『トランク1つで生きていく』



