24 「てへへ」の美学 『世界一大きなおもちゃばこ』
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- 2023年3月16日
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24 「てへへ」の美学
お兄ちゃんは、
「お店の人に聞いてみよう」って、ていあんしてくれた♪
るなの手をしっかりにぎって、おそば屋さんに、入っていった。
おくのキッチンにいる、店員さんに声をかける。
「すみません。
この店の前あたりに、30分くらい前に、
だれか、女の人が、待っていませんでしたか?」
「さぁ…。
女の人って、何才くらいの人なんです?」
「いやぁ、年はわかんないですねぇ。
のもと けいこ『先生』って書いてあるから、
わりと年配の人じゃないかと…」
って、お兄ちゃんが言っている最中に、
「ぶっ!!」
と、おそばを吹き出すような音が聞こえて…
「のもとけいこって、ワタシなんですけど…?」
ふり返ってみると、
お兄ちゃんと同い年くらいのお姉ちゃんが、
きょとんとした顔で、るなたちのこと、見てた…
「え?あ?
あ…すみません!
あの、のもとけいこ先生ですか?
この辺で、女の子と、待ち合わせの約束、してませんでした!?」
「あなたが、るなちゃんー!?
良かったー!!!ぶじに、ここまで来れたのねー♪」
お姉ちゃんは、るなのことをぎゅーっと抱きしめながら、そう言ってくれたの。
「…あ、あの、
店の『前』で、約束していたんじゃ…??」
「そうなんですー!!
ごめんね、るなちゃん!!
なかなか、るなちゃんが来なかったもんだから、
お腹がすいちゃって… てへへ。」
るなは、なんだかよくわかんなかったけど、
お姉ちゃんが、るなのことをゼンゼンおこってなかったから、
とっても、安心したんだぁ♪
「じゃぁ、
ぶじ、任務が完了したみたいなんで、オレはもう、行きますね!
キミ、るなちゃんっていうんだね♪
オレのカノジョと、オンナジ名前だよ(笑)
コリャ、運命だったんだなぁ♪
じゃぁね!」
るなは、もう1回、お兄ちゃんのところにかけよると、
ぎゅーーっと抱きついて、顔をすりすりしちゃった。
思わず、
「バイバーイ!」って、口を開いちゃったの。
「…あれ!?
るな、しゃべってる!?」
『世界一大きなおもちゃばこ』