えぴそーど66 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
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- 2024年12月24日
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第3章 中だるみ?そ、そんなことねーよ!
えぴそーど66
西へ西へと進んだ。
すると風景は、メッカのときのように殺伐としてきた。東南マジマは全体的に緑色だったが、この辺りは黄土色という感じだ。そしてたくさんの人がいて、オンボロの車が黄土色の土埃(つちぼこり)を舞わせている。まるでセピア色にフィルターされたように、ちょっとノスタルジックでもある。
そしてやがて、タカルコという町に到着した。
ヒ「むさくるしーΣ( ̄□ ̄|||)」
他人の町にまゆをひそめるのは失礼かもしれないが、しかし実際にそう感じる町だった。
建物は古くボロボロで、あちこちに落書きがある。道は汚れていて、なんだか臭い。なぜ臭いのだろうと首をかしげていると、なんと住宅街の路地に大きな牛が闊歩している!そしてその牛が時々、糞尿を垂れ流すのだ・・・。
そしてどうやら、人間までもが道端で小便をしたり、体を洗ったりしている。だから臭い。
行き交う人の数は多く、遊んでいるのか何なのか、地べたに座って茶でもすすって笑っている人も多い。
派手な形の人力車が行き交い、パフパフー!とクラクションを飛ばしあってうるさい・・・
1つの町に対して、こんなにむさくるしさの形容を並べられる町が、他にあるのだろうか!?
すると、ミサトが声を上げた。
ミ「あぁ、ついにここまで来てしまったのね!」悲壮が混じっている。
カ「どうしたの?思い出したくない思い出がありそうな声出してるけど」
ヒ「じゃぁ聞いたらマズくね(・∀・)」
ミ「そうね・・・。今はもう悲しくもないからいいんだけど、見た目どおり大変な町だから、再び訪れたことに妙な感慨があるわ!」
ヒ「ミーさん来たことあるのかぁ」
パフパフー!
4人の前で人力車のクラクションが鳴った。不意に目がいく。
男「乗っていかないか?」ヘラヘラと笑っている。
ヒ「象があるっちゅうねん(;・∀・)」
カ「要らないわよ!」
男「そんな象より、こっちのほうが家の中まで見物できるぜ!」
ヒ「おぉ!ってそれアピールポイントなのか(・∀・)?」
ミ「要らない!ってもう、2回も言ったわ」珍しくミサトが冷たい声を出した。
しかし男は引き下がらない!
男「ホテルはどこだよ?乗せていってやる。
アンタたちのホテルまで1ゴールドで乗せていってやるぜ?」
ヒ「1ゴールド!?安ぅーーーΣ(゚□゚︎`)」
ミ「ヒナ、コロッとだまされないで!」
カ「うっ!私の必殺技を盗まれた!」
ヒ「えぇ?」
ミ「ホテルの場所もわからないのに1ゴールドと言い切るなんて、おかしいじゃない?」
男「ギクっ!」
ミ「1ゴールドで安いからって飛びついてきた客を、着いた先で『やっぱ遠かったから50ゴールドだ!』とか言ってボッタクるんでしょう!」
男「ギクっ!そ、そんなことはしねぇよ、ははは(*´Д`)」
と口ではいいながらも、後ずさっていくのだった。
カ「ようやく撃退できたわ!しつこい人力車だったわね。
ミーさんああいうの慣れてるの?」
ミ「似たような感じで昔おっぱらったのを、思い出したわ。
今の彼は『ギクっ』って言って去ってってくれたけど、それでも引き下がらないもっとしつこいのとかいるはずよ」
ヒ「えー、死にそう( ̄□ ̄|||)」
ミ「そう。この町ではある意味、歩いているだけでHPを奪われていくわ・・・。慣れない人にとっては」
カ「あぁ!ミーさんが《毒耐性》や《混乱耐性》や《眠り耐性》があるのは・・・」
ミ「そうね。この町を経験したからっていうのがとても大きいのかも。
東南マジマ全体がそういう耐性を培えるけど、この辺りのやかましい町はなおさら良い修行場になるわ!」
ヒ「いや、良くない修行場(≧∇≦)」
ミ「うふふ。そうね!良くない修行場(≧∇≦)」