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エピソード37

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年1月31日
  • 読了時間: 3分

翌日も、昼下がりまで宿に居た。

宿に居た日本人の女の子と、ずいぶんと話し込んだよ。


彼女は、僕より2つばかし年上で、

ボランティアで、

アフリカのタンザニアかどっかで、長期滞在していたらしい。

そのボランティア期間を終えて、

3ヶ月ほど、アフリカや中東を旅するらしかった。


彼女は、面白いハナシをしてくれた!

NPOとかNGOとか、

「非営利です!」と掲げて、奉仕的な業務を扱って、

みんなからの募金や税金で食べる人たちも、多いよね?

彼らの中には、

「NPO法人」という印籠を濫用して、

大衆から受け取ったお金を、

恵まれない子どもたちや病人たちには回さずに、

「経費」の名目で自分たちで貪ってしまう輩が、多いんだと言う…


たとえば、

その彼女が…仮名・ユミさんにしとこう…

ボランティア中に割り当てられた住居は、

衛生状態がサイアクの、震災の仮説住居をもっとヒドくしたような、

劣悪な環境だったらしい。

けれども、

そうしたボランティア・スタッフを統括する上層部たちのオフィスは、

鉄筋コンクリで、エアコンが涼しくて、日本製の大きなテレビやパソコンが、

誇らしげに幅を利かせていたりするんだよ!!

…いったい、

その日本製のテレビやパソコンを買ったお金で、

何千本のワクチンが打てたんだろう?

何十人のボランティア・スタッフに、マトモな住居を提供出来たんだろう?


ユミさんは、

「崇高なるボランティア事業」のお粗末な実態を、まざまざと見せ付けられて、

失望・落胆してしまって、考え方を改めたらしい。

「もう、ボランティアなんて、やらない!!」

…そう投げ出してしまうと、思うだろう??


違うんだよ!!

彼女がスゴいのは、ココからなんだ!!!


ユミさんは、

「ボランティア活動は、まだまだ続けたい」と、力強く言うんだ。

「…けれど、私は、

 ユニセフとかNPO法人とか、

 そういう『大きな団体』には、頼らないことにしたの。」


僕は、感動のあまり、泣いてしまいそうになったよ!!!

…ボランティアで海外に赴いたヒトなら、何人も知ってる。

けれども、

ユミさんほど、「世界の真実を見抜く洞察力」があって、

「他人のせいにしたり攻撃したりしない、慈悲のココロ」があって、

「なんでも自分でやってしまおうとする自立心」のあるヒトは、

初めてお目に掛かったよ!!!


…実は、

僕は元々、ボランティア団体を名乗るヒトたちのずさんな実態を、

知ってはいたんだ(笑)

けれども、

「ナマの報告」を耳にしたのは、コレが初めてのことだった。

僕は、募金活動を行う際に、

「『実際には』何のために使われるかわからない、無責任な募金箱」

には、無闇にお金を投じない。

自分が、この目で見て、

「このヒトならお金を有効活用するだろう」と感じるヒトに、直接、

お金やモノを渡すよ。

若しくは、

自分で、公共的な使われ方をしてもらえそうなモノを、

作ったり買ったり、するよ。

そうすれば、

「『NPO法人』という印籠を濫用する悪魔たち」に、

加担してしまうことが無くなるからさ♪


…実際のところ、

「NPO」や「NGO」を掲げていても、

本当に純粋な志からプロジェクトに取り組んでいるヒトなんて、

そのうちの10%も居ないよ(笑)

「本当に、奉仕活動を行いたいヒト」ってさ?

誰も知らない、誰も見てないところで、

コッソリ、やってんのさ♪

ユミさんみたいに、さ。



『導かれし者たち』

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