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エピソード43

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年1月31日
  • 読了時間: 2分

大コウフンのうちに鑑賞を終えると、

僕らはとっとと、タフリール広場に戻った。

そして、

僕はそのまま、夜行列車に乗って、

死海近郊のビーチタウン「ダハブ」に向かった。



…そういえば、

エジプト滞在が佳境に入るにつれて、

「イスラエルが面白い!」「イスラエルに行ってみな!」

という声を、旅人たちからやたらと聞かされるようになった。


イスラエル…??


イスラエルは、

エジプトの「ギリギリ隣」と言えるような、絶妙な位置関係にある、中東の国さ。

大雑把に言えば、

死海という大きな湖を挟んだ、その向かい側にあるのだけれど、

ごく僅かな部分だけが、陸続きで繋がっているんだよ。

そのため、

ダハブには、イスラエルとエジプトを行き来する旅人の姿も、

割かし多く、見受けられるんだ。


でも、僕は、

この時は、イスラエルに行くつもりは、サッパリ無かった。

僕にとってダハブは、

「シナイ山」に登るための、経由地点でしか無かったのさ。

そして、

ダハブの本来的な姿というのは、

「ダイビング・スポット」という、ダイバーたちの楽園なんだ。


…いや!チョっと訂正。

ダハブの海は、そんなにキレイではナイから、

「ダイビングをしたいヒト」は、そんなに寄り付かない。

ダハブは、

「エジプトの物価の安さを踏襲したビーチ」

ということが、最大の魅力なんだ。

だから、「ダイバー」が訪れるというよりも、

「ダイバー志望者」が、多く訪れるんだよ。

ダイビング・ライセンスが、安い値段で取れるからさ♪



『導かれし者たち』

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