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えぴそーど16 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

えぴそーど16


一行は来たときと同じ、昭和通り門から城壁街を出た。

そして歩きだそうとすると、白い軽トラックのおじさんが声を掛けてきた。

男「おや?この街を歩いて出ていくやつなんて珍しいなぁ?」

ヒ「え?アケバの人は外に出ないの?」

男「そうは言ってねぇよ。

 アケバには立派な電車が通ってんだろ?どこ行くにもみんな電車に乗るさ!らくちんだぜ」

4人「おぉー電車♪」


軽トラックのおじさんに教わり、一行は駅に訪れた。

四方八方、あちこちへ線路は伸びている。どこにでも行けそうだが、どれに乗ればよいのだ?

ヒ「どれに乗ればいいのかな?カンナ、任せた!」

カ「うーん。ちょいちょい見ながら来たけど、『ヨロハマ行き』って書かれた電車なかったのよねぇ。どれかわからないわ」

ヒ「えぇ?しっかりしてよぉ!世界中旅してきたんでしょぉ~?」

カ「冒険者なんて田舎ばっかり歩いてんのよ!」

ミ「乗り換えが必要なんじゃない?」

ヒ「なぬ!?するとどの電車かなんてわかりっこないってことかぁ(´;ω;`)」

カ「この辺のことよく知らないのよね~」カンナはまごまごしている!


ヒナタは幾つもの電車を見比べている。すると・・・

カ「おぉー!あの緑の電車、可愛い子いっぱい乗ってるぅぅ(♡▽♡)

 絶対あれにしよう!!」

カ「電車ってそういう基準で決めるものじゃなくない(汗)」

と3人は思ったが、たしかに他の電車はむさくるしい男たちでぎゅうぎゅう詰めなものばかりで、乗るのもはばかられるのだった・・・。

まぁ乗り換えを駆使すればなんとかなるのだろう。という希望的観測のもと、一行は可愛い女の子がいっぱい乗っている緑の電車に乗ってみることにした。

ヒ「くんくん。都会のコはいい匂いがするぅ~(♡▽♡)」

カ「キモいからヤメなさいよ!」

ミ「電車が走りだせば、行先を告げてくれるわ」

車「この電車はぁ~、ヤマト線内回りぃ~、内回りです」

ヒ「なるほど、ウチマワリに行くらしいよ♪」

カ「そんな国あったっけ!?」


車内は8割ほどがその、「可愛い女の子たち」であった。皆どこへ行くのだろう。

2割くらいは男のサラリーマンや他の者たちが混じっている。

ヒナタは目を♡にしながら、女の子たちを眺めていた。

すると!

なんと、車両の奥で、女の子が青ざめた顔をして震えている!

ヒナタはその異変に気付いた!なぜ青ざめているんだ?彼女の様子を観察すると・・・

なんと、キモい男が女の子のお尻を触っている!

ヒ「おえぇぇぇぇぇぇぇ!!!

 死ぬ死ぬ!キモいヤツいるぅぅぅΣ( ̄□ ̄|||)」

カ「キモい奴なんてほっときなさいよ!大きな声も出さないで!」

ヒ「でもそういうわけにいかん!」ヒナタは被害者の女の子に寄っていこうとした。

カ「へんなことしないの!」事情を知らないカンナは、ヒナタの手を掴んで制止する。

ヒナタは珍しく強引に、その手を振りほどき、彼女に向って駆け出す!

バシっ!ヒナタは痴漢の手を掴んだ!

ヒ「おえぇぇぇぇぇ!キモいことヤメろよおっさぁぁぁんΣ( ̄□ ̄|||)」

車両中のみんなが振り向いた!誰もが痴漢だと察した!

誰かが緊急警報ボタンを押した!車掌が駆けつけてくる。

ヒ「おえぇぇぇぇ!キモいおっさんに触っちまったぁぁ!!

 手が腐るぅぅ~死ぬぅぅぅ!ミーさん《ヘボイミ》ぃぃ!」

車掌が痴漢を取り押さえると、「これ以上乗せ続けるわけにはいきません!」と次の駅に着いたと同時に、男を警察へと連行していった。



痴漢はいなくなり安全になったが、その被害者の女の子もその駅で降りるのだった。

女「ど、どうもありがとうございますぅ!」

ヒ「いやいやなんのなんの!

 毎日アタシのことを忘れてくれたまえ( ̄▽ ̄)」

ミ「・・・って私たちもつい一緒に降りちゃったけど、この駅で良かったのかしら!?」

よく見ると、可愛い女の子たちの多くもこの駅で降りている。

ヒ「ここで正解~(๑º﹃º​๑)ジュル」

カ「まぁいいんじゃない?たぶんくだらない寄り道だけど」

ミ「どこなのかしら?ここは」

セ「ツブヤ・・・」セナはたどたどしく駅名看板を読んだ。

ヒ「ツブヤだってさ。可愛い女の子がいっぱい来る街なんだろう♡」

ミ「たしかオシャレな洋服やさんとかいっぱいあるんだわ」

カ「若者の街ね」カンナは他人事のように言った。

ヒ「カンナだって若者だよぅ?」

カ「私はオシャレとか12で飽きたのよ」

ヒ「はやくね!?Σ(゚□゚︎`)」

ミ「カンナはなんでも早熟っぽく見えるわ」

カ「ふっ、天才も悩ましいものよ」

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